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2026年9月25日に発表された新しい Microsoft Copilot についての整理

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Last updated at Posted at 2026-09-26

はじめに

2026年9月25日、Microsoft は Copilot の大規模アップデートを発表しました。

Introducing the new Copilot with Home, Code and Autopilot

今回の発表を一言でまとめると、

Microsoft Copilot は「質問に答える AI」から、「仕事を実行する AI プラットフォーム」へ進化しようとしている。

ということになります。

今回の3つの大きな発表

Home

Copilot の新しい開始地点です。

Chat、Cowork、Office が統合され、Word、Excel、PowerPoint を Copilot の中から直接作成・編集できるようになります。

Code

自然言語を使ってアプリやダッシュボード、トラッカー、ワークフローなどを作成できます。(選択肢の一つとして、新たに付け加えられた AI 駆動アプリ開発ツール)

これまでの成果物が

  • Word
  • Excel
  • PowerPoint

だったとすると、

Code は

  • アプリ
  • ダッシュボード
  • 業務ツール

という新しい成果物を作れるようにします。

Autopilot

今回の発表で最もインパクトが大きい機能です。

Autopilot は、

  • Personal
  • Proactive
  • Persistent

な AI エージェントです。

これまでの Copilot が

「質問すると答えてくれる AI」

だったとすると、

Autopilot は

「仕事を任せると継続して進めてくれる AI」

です。

会議準備、フォローアップ、進捗確認、未完了タスクの追跡などを、利用者が毎回指示しなくても継続的に実施します。

その裏側にある重要な発表

今回の発表は、単に Copilot に機能が追加されたという話ではありません。

Microsoft は同時に、

  • Microsoft IQ
  • Fabric IQ
  • Copilot Managed Runtime
  • Plugin Registry
  • FinOps for AI

も発表しました。

これは、

AI を企業で安全に使うための共通基盤

を整備する発表でもあります。

Copilot Managed Runtime

Code や Cowork で作成したアプリを、

  • 認証
  • 権限
  • セキュリティ
  • ガバナンス
  • 監視
  • ライフサイクル管理

を含めて Microsoft 365 上で安全に実行するための共通基盤です。

Microsoft IQ

Copilot が企業の仕事を理解するためのビジネスコンテキスト基盤です。

Microsoft 365、Fabric、Dynamics 365、Power Platform などの情報を統合し、

  • 顧客
  • 製品
  • 売上
  • 案件

といった業務上の意味を Copilot とエージェントへ提供します。

今回の発表をどう捉えるべきか

これまで

AIに質問する

だった世界から、

AIに仕事を頼む
    ↓
AIと成果物を作る
    ↓
AIでアプリを作る
    ↓
AIに継続業務を任せる

世界へ進もうとしています。

今回の発表は、Copilot を単なるチャット AI ではなく、

仕事を実行するためのプラットフォーム

へ進化させていく方向性を示した発表だったと言えるでしょう。

ひとこと

今回の発表で最も重要なのは、新機能そのものではありません。

Microsoft が、

  • AI に質問する
  • AI に仕事を依頼する
  • AI と成果物を作る
  • AI でアプリを作る
  • AI に継続的な業務を任せる

という一連の体験を、Microsoft 365 を中心とした単一の環境へ統合し始めたことです。

Copilot はチャット AI から、企業の仕事を支える実行基盤へ進化しようとしています。


上に記載した内容が、発表内容の概要です。
詳細内容をご確認されたい方は、下記の記事にお進みください。

9/25 発表内容に関する詳細 (以下は長文)

(※ このまとめ記事は、Microsoft Copilot を活用しまとめ、修正やレビュー後投稿しています。)

2026年9月25日、Microsoft は Microsoft Copilot の大規模なアップデートを発表しました。

今回発表された新しい Copilot では、Copilot アプリに次の3つの主要機能が追加されます。

  1. Home
  2. Code
  3. Autopilot

Home では Chat と Copilot Cowork が一つにまとめられ、Word、Excel、PowerPoint を Copilot 内から利用(作成・編集)する Office in Copilot も発表されました。

Code では、自然言語を使って、アプリケーション、業務追跡・管理、管理ダッシュボード、ワークフローなどを作成できます。

Autopilot は、以前 Scout と呼ばれていた、継続的に仕事を支援する AI エージェントです (Autopilot は OpenClaw を基盤にしたサービス)。
従来の AI は、利用者が質問や指示を入力するたびに動作していました。しかし Autopilot は、あらかじめ担当する仕事や目標を設定しておくことで、毎回指示を待つことなく、その仕事を継続的に進められるように設計されています。
例えば、会議の準備、進捗確認、関係者へのフォローアップなどを継続的に支援し、利用者がより重要な仕事に集中できるよう支援します。

今回の発表内容は、Microsoft 公式ブログの Introducing the new Copilot with Home, Code and Autopilot で確認できます。

また、今回の発表では、次の機能やプラットフォームも発表されています。

  • Office in Copilot
  • Microsoft Copilot Managed Runtime
  • Microsoft IQ
  • Fabric IQ
  • Dynamics 365 および Power Platform の業務コンテキスト
  • 新しい Plugin Registry
  • FinOps for AI
  • Today
  • Teams の @Copilot
  • ユーザー単位ライセンスと従量課金を組み合わせる商用モデル

一見すると、Copilot アプリに新しい画面や機能が追加された発表に見えます。

しかし、今回の発表を詳しく確認すると、Microsoft が Copilot を単なるチャット AI ではなく、次のような仕事の入口へ進化させようとしていることが分かります。

  • AI に質問する
  • AI に仕事を頼む
  • AI と一緒に成果物を作る
  • AI を利用してアプリケーションを作る
  • AI に継続的な仕事を任せる
  • 企業の権限、セキュリティ、ガバナンス、コスト管理の下で AI を利用する

ご注意ください

今回発表された機能が、すべての利用者に対して一般提供されたわけではありません。

一般提供されている機能、Frontier プログラムで段階的に提供される機能、パブリックプレビュー、プライベートプレビュー、今後提供予定の機能を分けて理解する必要があります。

本記事は2026年9月26日時点の公開情報をもとに記載しています。実際の提供可否、契約、対応する地域、言語、ライセンス、管理者設定については、利用時点の公式ドキュメントとお客様の環境で確認してください。


最初にお伝えしたいこと

まず、今回の発表を一言でまとめます。

Microsoft Copilot は、質問に答える AI から、仕事を頼んで Office の成果物を作り、業務用のアプリケーションを構築し、継続的な業務を実行する環境へ進化しようとしています。

従来の Copilot は、質問への回答、情報検索、文書の要約、メールの下書き、会議内容の整理、Office アプリでの作業支援などで利用されてきました。これらの機能は今後も重要です。

一方、新しい Copilot では、仕事の種類に応じて複数の実行方法を使い分けます。

実現したいこと 主な機能 役割
質問、検索、下書きを行う Chat 対話形式ですぐに回答する
複数の手順が必要な仕事を依頼する Cowork 仕事を最初から最後まで進める
実際の Office ファイルを作る Office in Copilot Word、Excel、PowerPoint を作成、編集する
業務用のアプリやツールを作る Code アプリ、ダッシュボード、自動化などを作る
継続的な仕事を任せる Autopilot プロンプトを待たず、継続的に仕事を進める

Microsoft は、将来的にはユーザーが Chat、Cowork、Code を明示的に選択しなくても、実現したいことを伝えると、Copilot が適切な機能へ処理を振り分ける方向を示しています。

詳しくは、新しい Copilot の公式発表 をご確認ください。

"And coming soon, you won’t need to choose a mode: simply state what you need to accomplish, and Copilot will route the work to Chat, Cowork or Code — whichever capability is right for the job."
出典: Introducing the new Copilot with Home, Code and Autopilot


Home について

Chat と Cowork を一か所にまとめる

Home は、新しい Copilot の開始地点になります。

現在の仕事は、メール、会議、チャット、文書、タスク、アプリケーションなど、さまざまな場所に分散しています。Home では、最近利用した内容の確認、中断した仕事の再開、Copilot からの提案、Chat での質問、Cowork への仕事の依頼を一か所へまとめます。

Chat は、質問、検索、要約、下書き、状況確認など、その場ですぐに回答が必要な仕事に適しています。

一方、Cowork は、複数の手順を含む仕事を Copilot に依頼するための機能です。Microsoft は、RFP への回答、製品発表キット、顧客向けブリーフィング、財務締めに関連する成果物などを例として挙げています。

Chat と Cowork の違いや Home の位置付けは、公式発表の「A new experience for every mode of work」 で説明されています。

当初はユーザーが Chat と Cowork を選びますが、将来的には、実現したいことを伝えるだけで Copilot が適切な機能へ処理を振り分ける構想です。

Office in Copilot

Home には、Word、Excel、PowerPoint の機能が統合されます。

ユーザーは Copilot に、製品発表用の文書作成、Excel での予算モデル作成、プレゼンテーション作成、チームが作業しているファイルの更新などを指示できます。

重要なのは、Copilot がチャット画面に文章や表を表示するだけではない点です。実際に編集可能な文書、ワークブック、プレゼンテーションを作成、更新し、チームメンバーと共同編集できます。

Copilot と Office アプリの間で同じファイルが同期されるため、会話をしながら成果物を確認、修正できます。

詳しくは、Office in Copilot の紹介を含む公式発表 をご確認ください。

Today

Today は、今後 Home に追加される予定の、個人向けのツールです。

Today は、メール、カレンダー、Teams のスレッド、会議、タスクを横断して、ユーザーが対応すべき内容を整理します。

Today の利用を役職別で考えてみると

Today は、メール、予定、Teams、タスクなどを横断的に確認し、「今日、自分が優先して対応するべき内容」 を整理するための機能です。
 
Microsoft は役職ごとの利用シナリオを具体的に公表しているわけではありませんが、例えば次のような活用が考えられます。

役職 Today が整理する可能性のある情報 利用イメージ
営業担当者 顧客との予定、メール、タスク 「今日フォローが必要な顧客を教えて」
PM 会議、課題、依頼事項 「今日判断が必要な案件を整理して」
部長 承認依頼、重要会議、レポート 「今週中に対応が必要な項目をまとめて」
経営層 重要案件、スケジュール、報告事項 「今日確認すべき重要事項を整理して」

Today は予定表を表示するだけではなく、「今日何に集中するべきか」を AI が整理する、いわば 個人向けの AI 秘書 のような体験を目指しています。

単に未読情報を表示するだけではなく、返信の下書き、スケジュール変更案、忘れていたフォローアップなどを準備し、今対応すべき内容と後で対応できる内容を整理する構想が示されています。

Today は2026年10月に Copilot でプライベートプレビューになり、その後 Outlook と Teams にも提供される予定です。

提供時期と機能の概要は、公式発表の「A sneak peek at what’s next」 で確認できます。


Code について

業務アプリ用の開発ツール

これまで、企業でデスクワークをする社員が作成する主な成果物は、Word のドキュメント、Excel のワークブック、PowerPoint のプレゼンテーションなどのファイルでした。

Microsoft は、Code を提供する事で、これらに第4の成果物を提供できると説明しています。それが、小規模で、目的別に作成された業務用のソリューションです。

例えば、次のようなものを作成できます。

  • アプリケーション
  • 業務追跡・管理
  • 管理ダッシュボード
  • 計算ツール
  • 自動化処理
  • ワークフロー
  • デスクトップウィジェット
  • チームで共有する社内アプリ

利用者は、作りたいものを自然言語で説明します。Copilot は要求に応じて作成方法を選んで、実際に動作するアプリケーションを作ります。

CodeはGitHub Copilotと同じ基盤技術を利用し、サンドボックス化された環境で動作します。作成した対応アプリは、Microsoft 365テナント内に安全にホストできます。

さらに Code では Microsoft IQ と連携し普段の業務内容の知識や、普段の仕事の情報を含めた形で AI に指示を与え、自分や組織の為に必要な業務アプリを簡単に構築できるようになるのが大きな特徴です。

Code runs in a sandboxed environment and can be hosted securely within your tenant. With Microsoft IQ, everything you create is grounded in the context of your work, and plugins sync automatically.

詳細は、公式発表の Code に関する説明 をご確認ください。

Code の主な対象者

Copilot Code は、プロフェッショナル開発者を対象にした機能ではありません。(もちろん利用可能です)

主に、「現場の業務や問題をよく理解している方」 が、自分やチームのためのアプリケーションを作ることを想定しています。例えば、営業担当者が顧客対応状況を確認するトラッカーを作ったり、財務担当者が予算のシミュレーションを行うダッシュボードを作ったりする利用方法が考えられます。
利用者が従来型のプログラミングを理解していなくても、自然言語から作成を始められます。一方で、Code がすべてのソフトウェア開発を置き換えるわけではありません。

業務担当者 
    ↓ 
Copilot Code
    ↓ 
動くソフトウェア

Copilot Code と GitHub Copilot の違い

Copilot Code と GitHub Copilot は、どちらもソフトウェアを作るために利用できますが、主な対象と利用場面が異なります。

項目 Copilot Code GitHub Copilot
主な利用者 デスクワークの社員、業務部門 プロフェッショナル開発者
主な目的 業務上の明確な問題を解決する 本番ソフトウェアを設計、開発、出荷する
作業の起点 Microsoft 365 の業務コンテキスト GitHub リポジトリ
主な操作 自然言語によるソリューション作成 IDE、CLI、GitHub を利用した開発
GitHub との接続 任意 開発の中心
主な成果物 アプリ、トラッカー、ダッシュボードなど 本番アプリ、サービス、ライブラリなど

発表時点の説明では、Copilot CodeはMicrosoft Copilot内で利用する機能として紹介されており、GitHubとの接続は必要に応じて利用する位置付けです。正式なアカウント要件とライセンス条件については、提供開始時のサービス記述を確認する必要があります。

一方、Copilot Managed Runtime SDK/CLIで外部GitHubリポジトリを使用する場合は、既存のブランチ・ポリシーやPull Requestレビューを継続して利用できます。Copilot CodeからGitHubへ接続した場合の具体的な機能範囲については、Codeの正式な製品ドキュメントを確認する必要があります。

Code で作成したソリューションが重要になり、より高度なテスト、レビュー、セキュリティ、保守、CI/CD が必要になった場合は、GitHub と GitHub Copilot を利用した本格的な開発へ移行することを検討します。

公式発表でも、プロフェッショナル開発者は引き続き GitHub Copilot を日常の開発に利用し、Copilot プラットフォームとの接続を強めていくと説明されています。

詳しくは、新しい Copilot の Code に関する公式説明 をご確認ください。

Code、Cowork、Copilot Studio の関係

Code、Cowork、Copilot Studio には、一部重なる領域があります。しかし、現時点では、どれか一つが他を置き換えるという位置付けではありません。

次のように、最初に実現したい目的から考えると分かりやすくなります。

  • 調査、分析、計画、文章作成など、より広い仕事を完了したい場合は Cowork
  • ダッシュボード、トラッカー、社内ツール、アプリなど、既存の業務情報を利用してソフトウェア成果物を作りたい場合は Code
  • 組織規模のエージェント、オーケストレーション、業務自動化、システム統合、ライフサイクル管理が中心の場合は Copilot Studio

Copilot Managed Runtime は、Cowork、Code、Copilot Studio などで作成された対応アプリケーションの共通実行、ガバナンス基盤として利用されます。

この関係は、Copilot Managed Runtime の公式製品ブログ で説明されています。


Microsoft Copilot Managed Runtime について

AI によってアプリケーションを実装することは、これからますます簡単になります。

しかし、企業で実際にアプリケーションを利用するためには、アプリを作ること以外にも重要な作業があります。

例えば、次のような項目です。

  • どこでアプリを実行するのか
  • 誰が利用できるのか
  • どのデータへアクセスできるのか
  • セキュリティポリシーをどのように適用するのか
  • ソースコードやバージョンをどのように管理するのか
  • 利用状況やコストをどのように把握するのか
  • 誰が運用・保守するのか

これらの仕組みを個別に構築することもできますが、多くの企業では、複数のサービスを組み合わせて整備し、その後も継続して管理する必要があります。

そこで Microsoft が発表したのが、Microsoft Copilot Managed Runtime です。

Copilot Managed Runtime は、AI を利用して作成したアプリや業務ソリューションを、Microsoft 365 の企業向け環境で安全に実行・管理するための共通基盤です。

Microsoft は、2026年9月25日に Copilot Managed Runtime をパブリックプレビューとして発表しました。

詳しくは、次の公式発表をご確認ください。

アプリを作る方法は柔軟に選択し、運用は共通化する

Copilot Managed Runtime が目指しているのは、次のような考え方です。

アプリの作り方は目的や利用者に応じて柔軟に選択しながら、対応アプリの実行基盤、セキュリティ、ガバナンス、監視などの運用管理を共通化する。

例えば、アプリは次のような方法で作成できます。

  • Copilot Cowork
  • Copilot Code
  • Microsoft Copilot Studio
  • Copilot Managed Runtime SDK を利用する開発ツール
  • 対応するサードパーティー開発ツール

重要なのは、アプリケーションを作成する場所を一つに限定しないことです。

業務担当者は自然言語を使ってアプリを作り、ローコード/AI 支援型のアプリ作成者は Copilot Studio を利用し、プロフェッショナル開発者は SDK や CLI、GitHub などを利用できます。

一方、これらの環境で作成した対応アプリを Copilot Managed Runtime に公開またはデプロイすると、実行、認証、アクセス制御、ガバナンス、監視について共通の管理基盤を利用できます。

なお、Copilot Code で作成したローカルプロジェクトなど、すべての成果物が自動的に Copilot Managed Runtime の管理対象になるわけではありません。GitHub リポジトリへ接続しただけでも管理対象にはならず、対応するクラウドアプリとして明示的に公開またはデプロイする必要があります。

また、任意のツールやコードを無条件で持ち込めるわけではありません。利用する作成環境、アプリケーション形式、SDK、ホスティング要件、組織ポリシーなどが Copilot Managed Runtime の対応条件を満たしている必要があります。

これにより企業は、次のような項目を統一的に管理しやすくなります。

  • 誰がアプリを利用できるか
  • アプリがどのデータへ接続するか
  • どのポリシーが適用されるか
  • アプリがどれだけ利用されているか
  • アプリが正常に動作しているか
  • どのように配布、停止、削除するか
  • Copilot Credits の消費をどの支出ポリシーで管理するか

ただし、これらを一つの画面ですべて管理するわけではありません。アプリのインベントリ、利用状況、正常性は主に Microsoft 365 管理センターの [Apps]>[All apps] で確認します。Copilot Credits の消費、支出ポリシー、利用上限などは [Copilot]>[Cost management] で管理します。

つまり Microsoft は、単に「AI でアプリを作る世界」だけではなく、AI で作られたアプリを企業が安全に運用する世界の実現にも取り組み始めたと言えます。

Copilot Managed Runtime が提供する主な機能

Copilot Managed Runtime は、企業でアプリケーションを運用するために必要となる、次のような機能を提供します。

  • Microsoft が管理するクラウドホスティング
  • Microsoft Entra による認証と認可
  • 組織ポリシーに基づくアクセス制御
  • コネクタやデータソースの制御
  • Git を利用したソースコードとバージョンの管理
  • 対応アプリの公開、共有、デプロイ、バージョン、ライフサイクルの管理
  • Microsoft 365 管理センターでのアプリ管理
  • 利用状況と運用正常性の監視
  • 正常性に関するアラート
  • 対応する管理操作やライフサイクルイベントの監査

アプリには、Microsoft Entra による認証、条件付きアクセス、データ損失防止(DLP)、コネクタポリシー、共有制限など、組織側で設定したポリシーが適用されます。

開発者や業務担当者が、それぞれのアプリに対して同じセキュリティ機能を個別に実装するのではなく、共通基盤として利用できる点が重要です。

Microsoft 365 管理センターでのインベントリ管理

Copilot Managed Runtime では、Microsoft 365 管理センターの [Apps]>[All apps] から、テナント内の Copilot Managed Runtime アプリを一元的に確認できます。

ここでいうインベントリ管理とは、単なるアプリ名の一覧ではありません。

会社の中にどのようなアプリが存在し、現在の所有者と作成者は誰か、どのリージョンや環境グループでホストされ、どの程度利用されているかを把握するための、いわば AI アプリの資産台帳です。

管理者は、例えば次のような情報や状態を確認できます。

アプリ資産の可視化

  • 組織内の Copilot Managed Runtime アプリ
  • アプリの現在の所有者
  • アプリの作成者
  • アプリの状態
  • アプリが接続するコネクタやデータソース
  • アプリがホストされているリージョン
  • アプリに適用される環境グループ
  • 作成日と最終更新情報
  • 必要に応じて Power Platform 管理センターで確認するホスト環境、Environment ID、Environment Group ID

利用状況と正常性の確認

  • アプリ起動成功率
  • 利用セッション数
  • Time to interactive(P75、操作可能になるまでの時間)
  • データ要求の成功率
  • データ要求の遅延

ガバナンスとライフサイクル管理

  • 未承認リージョンや想定外の環境グループで動作するアプリの特定
  • 調査対象となったアプリのブロック
  • 問題が解決したアプリのブロック解除
  • 放置されたアプリや重複アプリの削除
  • 検索、フィルター、並べ替え、CSV エクスポート

インベントリ画面と Managed Runtime 全体の機能は異なります

[Apps]>[All apps] は、主にアプリの可視化、利用状況と正常性の確認、ブロック、ブロック解除、削除などに使用します。アプリの公開、共有、デプロイ、バージョン管理などは、Copilot Managed Runtime 全体のライフサイクル機能として扱います。

運用監視

  • アプリごとの正常性の把握
  • 独自のしきい値を利用したアラートルールの作成
  • パフォーマンス低下や利用増加の検知
  • 問題が利用者へ大きく影響する前の確認

なお、監視メトリックはランタイムのアクティビティログを時間単位または日単位で集計するものであり、リアルタイム値ではありません。

詳しくは、次の公式ドキュメントをご確認ください。

管理画面で確認できる接続情報の範囲

管理者は、Microsoft 365 管理センターの [Apps]>[All apps] から対象アプリを開き、[Data & tools] で、アプリが利用するコネクタ、データソース、依存関係を確認できます。

ただし、この画面だけですべての情報を完全に確認できるわけではありません。

公開されている FAQ では、次の情報については完全な表示を提供しないと説明されています。

  • 動的に解決される正確な接続先
  • アプリが実行したすべてのアクション
  • 基礎データに対する各利用者の実効権限

また、利用者のアプリへのアクセス権を取り消しても、接続先となるデータソース自体へのアクセス権が同時に削除されるわけではありません。

そのため、アプリへのアクセス制御と、SharePoint、SQL、Microsoft Graph などの接続先データに対する権限管理は、分けて検討する必要があります。

1,500 を超えるデータソースとの接続

Copilot Managed Runtime SDK は、Microsoft Graph、SQL、SharePoint などを含む、1,500 を超えるコネクタおよびデータソースへの接続をサポートします。

そのため、Microsoft 365 のデータだけではなく、さまざまな業務システムを組み合わせたアプリケーションを構築できます。

ただし、実際に利用できるデータソースや操作は、利用可能なコネクタ、接続先の権限、DLP、Advanced Connector Policies、組織のセキュリティポリシーなどによって制御されます。

詳しくは、次の公式ドキュメントをご確認ください。

Git リポジトリ

Copilot Managed Runtime SDK/CLI で管理するアプリには、ソース管理のための Git リポジトリが関連付けられます。

公開ドキュメントでは、次の選択肢が説明されています。

  • プラットフォームが管理する Git リポジトリ
  • 自分で管理する GitHub リポジトリ

GitHub リポジトリを利用する場合は、既存のブランチポリシーや Pull Request のレビューなど、GitHub 上の開発プロセスを継続して利用できます。

公開ドキュメントでは、GitHub Enterprise Cloud と GitHub.com がサポート対象とされ、GitHub Enterprise Server と Azure DevOps は現時点でサポート対象外とされています。

リポジトリ方式はアプリ作成時に選択します。現在の公開ドキュメントでは、同じアプリのリポジトリ方式を後から変更することはできません。

プレビュー期間中は対象範囲が変更される可能性があるため、実際に利用する際には、最新の Repository options を確認してください。

ライセンスと実行時課金

Copilot Managed Runtime を利用する際には、次の2つを分けて考える必要があります。

  • アプリケーションを作成するための条件と課金
  • 利用者がアプリケーションを実行するための条件と課金

公開されている Microsoft Learn では、アプリケーションの実行資格として、次の選択肢が説明されています。

  • Power Apps Premium plan
  • Managed Application Copilot Credits

公開されている SDK 資料では、Power Apps Premium plan でカバーされるアプリ操作については、Managed Application Copilot Credits を消費しないと説明されています。

一方、Copilot Credits を利用する構成では、アプリケーションの起動や API 呼び出しなどが課金対象になります。

ただし、Power Apps Premium プランを利用している場合、Copilot Managed Runtime で作成したアプリの実行については、通常は Managed Application Copilot Credits を消費せずに利用できます。
一方で、そのアプリの中から Work IQ API などの AI サービスを利用する場合は別です。これらのサービスには独自の課金ルールがあり、Copilot Credits が必要になることがあります。
つまり、「アプリを実行するためのライセンス」と「アプリが利用する AI サービスの課金」は別に考える必要があります。

また、アプリのインベントリとコスト管理は別の管理画面です。アプリの情報と正常性は主に [Apps]>[All apps] で確認し、Copilot Credits の消費、支出ポリシー、利用上限は [Copilot]>[Cost management] で管理します。

クレジット消費量、対象操作、ライセンス要件、プレビュー中の条件は変更される可能性があります。実際に導入する際には、最新の公式ドキュメントと契約条件を確認してください。

Copilot Managed Runtime をどのように捉えるべきか

Copilot Managed Runtime を一言で表現すると、次のようになります。

誰でも AI を利用してアプリを作れる世界において、企業がそれらを安全に実行・管理・運用するための共通基盤

Copilot Cowork、Copilot Code、Copilot Studio、SDK など、アプリを作る入口は複数あります。

しかし、企業で本格的に利用するためには、認証、権限、データアクセス、ポリシー、運用監視、対応する管理操作の監査、配布、ライフサイクル、コスト管理が必要です。

Microsoft は AI 駆動開発の選択肢を増やすだけではなく、その後ろ側にある AI アプリの安全な実行・運用基盤の提供にも進み始めています。

まとめ

Copilot Managed Runtime は、AI によって作成された業務アプリケーションを Microsoft 365 の企業向け環境で実行・管理するための共通基盤です。

アプリの作成方法を一つに限定せず、Copilot Cowork、Copilot Code、Copilot Studio、SDK など、目的や利用者に応じた作成方法を選択できます。

一方、対応アプリを Copilot Managed Runtime に公開またはデプロイすると、Microsoft Entra による認証、組織ポリシー、データアクセス制御、ソース管理、配布、正常性監視、アラート、対応する管理操作の監査、ライフサイクル管理などに共通基盤を利用できます。

これにより企業は、AI を利用したアプリ開発を広げながら、管理対象となったアプリの現在の所有者と作成者、ホストリージョン、環境グループ、接続するコネクタやデータソース、利用状況、正常性を把握しやすくなります。

今回の発表で重要なのは、Microsoft が「AI にコードを書かせる機能」だけを提供しているのではないことです。

Microsoft は、AI で作られたアプリケーションを企業が安全に利用し続けるための、実行、管理、ガバナンスの共通基盤を Microsoft 365 の中に作り始めています。

Copilot Managed Runtime はプレビュー機能です。機能、画面、対応地域、ライセンス、課金、ロール、サポート対象は変更される可能性があります。導入時には、最新の公式ドキュメントと契約条件を確認してください。

筆者の考察:
Copilot Managed Runtimeを利用するか、独自の実行基盤を構築するかは、既存の技術資産、必要なカスタマイズ、セキュリティ、コンプライアンス、データ接続、運用体制、コストなどを含めて判断する必要があります。特に、Microsoft 365との統合や共通ガバナンスを重視する場合は、Copilot Managed Runtimeが有力な選択肢になります。


Microsoft Copilot Autopilot について

今回発表された新しい Microsoft Copilot の中で、働き方を大きく変える可能性を持っているのが Autopilot です。

Autopilot は、以前 Scout と呼ばれていた、継続的に仕事を進めるパーソナルエージェントです。Microsoft は Autopilot を、次の3つの言葉で説明しています。

  • Personal
  • Proactive
  • Persistent

従来のチャット型 AI では、一般的に利用者が質問や指示を入力し、それに対して AI が回答や成果物を返します。Autopilot は、それよりも長い時間軸で仕事を扱うことを想定しています。

利用者が Autopilot に名前、役割、目標、境界を設定すると、Autopilot は毎回新しいプロンプトが入力されるまで待つのではなく、設定された目的と境界の中で仕事を継続します。

たとえば、次のような仕事があります。

  • Teams のチャネルを確認する
  • 会話スレッドのフォローアップを行う
  • 定期的な仕事を実行する
  • 数日後にプロジェクトの続きを再開する
  • 会議に向けた準備を行う
  • 未完了の仕事やフォローアップを追跡する
  • 関係者へ進捗の更新を依頼する

これまでの Copilot が「質問すると答えてくれる AI」だとすると、Autopilot は「仕事を任せると継続して進めてくれる AI」と考えると分かりやすいでしょう。

注意

「仕事を任せると継続して進めてくれる AI」という説明は、Autopilot の特徴を分かりやすく示すための本記事上の整理です。Microsoft の正式な製品分類ではありません。また、Copilot Cowork など、すでに複数ステップの仕事を依頼できる機能も存在します。

Personal、Proactive、Persistent について

Personal

Autopilot は、利用者ごとに設定するパーソナルエージェントです。

利用者は Autopilot に名前を付け、どのような役割を持たせ、何を担当させるのかを設定します。単に共通の AI サービスを呼び出すだけではなく、自分の仕事を継続的に支援するエージェントとして利用することが想定されています。

Proactive

Autopilot は、利用者から新しい指示が入力されるまで、常に何もしないわけではありません。

設定された目標や仕事の状況に応じて、必要な情報を確認し、フォローアップを準備し、次に行うべき作業を進めます。
ただし、Autopilot が無制限に自由な判断で行動するという意味ではありません。行動できる範囲は、利用者の権限、組織のポリシー、接続を許可されたデータやツール、設定された目的と境界によって制御されます。

Persistent

Autopilot の仕事は、一回のチャットや一回の処理だけで終了するとは限りません。

日をまたぐ仕事、定期的に繰り返す仕事、複数の関係者を含む仕事など、一定期間にわたって続く業務を扱うことを想定しています。
プロジェクトの状況を保持しながら、数日後に続きを再開したり、未完了の作業を追跡したりできる点が、一問一答型の AI との大きな違いです。

仕入先評価の例

Microsoft の公式発表では、Autopilot の利用例として、仕入先評価のプロセスが紹介されています。Autopilot

上記の記載例を元に Autopilot の作業内容をより詳しく考えてみると、次のような仕事を Autopilot が自律的に継続して作業をしてくれるようなイメージになります。

(※ 以下の箇条書きには、公式発表で明示された動作に加えて、仕入先評価シナリオから想定できる作業を含みます。)

  • レビュー全体のスケジュールを作成する
  • 完了日から逆算した作業計画を作成する
  • 会議に必要な情報を準備する
  • 会議と、その後のフォローアップを管理する
  • 関係者に進捗状況の更新を依頼する
  • 未完了の項目を継続して追跡する

この例の重要な点は、仕入先情報を一度だけ確認して終わっているのではなく、評価という継続的な業務プロセスの中で、準備や会議、確認やフォローアップを検討・作業しながら、仕事を前へ進めています。

つまり、Autopilot に渡すものは、単発の質問だけではありません。

「この情報を要約してください」

という依頼に加えて、

「この評価が完了するまで、必要な準備とフォローアップを継続してください」

という、より長期的な責任や作業を依頼する考え方です。

機能範囲について

実際に実行できる操作は、プレビューで提供される機能、接続されたツール、利用者の権限、組織のポリシー、承認設定などに依存します。メール、メッセージ、予定の作成や送信を含むすべての操作が、常に無人で自動実行されることを意味するものではありません。

クラウド上で継続して動作する

Autopilot は、クラウドホスト型のエージェントです。

Autopilot is cloud-hosted,

そのため、利用者が別の仕事をしている場合や、端末を継続して操作していない場合でも、クラウド上で仕事を続けられるように設計されています。利用者が常に画面を開き、処理状況を監視し続ける必要はありません。

これは、単に処理時間が長いという意味ではありません。Autopilot は、一定期間にわたって状況を確認し、必要な処理を進め、利用者へ状況を知らせることを前提に設計されています。

ただし、継続処理の頻度、期間、再開条件、失敗時の動作など、具体的な実行仕様はプレビューの提供条件と製品ドキュメントを確認する必要があります。

独自の identity、memory、computer、workspace

Microsoft の公式発表によると、Autopilot は利用者のテナント内に、次のような独自の要素を持ちます。

  • Identity
  • Memory
  • Computer
  • Workspace

Autopilot lives in your tenant with its own identity, memory, computer and workspace, and it’s built on Microsoft IQ so it understands how your organization actually works.

これにより、Autopilot は単なるチャット画面の裏側で一時的に実行される AI ではなく、仕事を継続するエージェントとして扱われます。

Autopilotは独自のidentityを持ち、組織内で識別可能なエージェントとして説明されています。また、権限、監査、ガバナンスを適用した状態で利用することが想定されています。

具体的なID形式と権限モデルは、管理者向けドキュメントで確認してください。

独自の memory と workspace を持つことで、継続中の仕事に関する文脈を保持し、後から作業を再開できます。

また、Autopilot は Microsoft IQ を基盤としており、組織の仕事に関するコンテキストを利用して動作すると説明されています。

用語について

Identity、memory、computer、workspace が具体的にどの管理画面、保持期間、データ境界、監査ログ、API として提供されるかは、プレビューの仕様と今後公開される管理者向けドキュメントで確認する必要があります。

普段仕事をしている場所に現れる

Autopilot は独立したエージェントでありながら、利用者が普段仕事をしている場所に現れます。

公式発表では、次のような場所が挙げられています。

  • Microsoft Teams
  • Microsoft Outlook
  • チャット
  • チャネル
  • ドキュメント

利用者は、Teams などで同僚に依頼するように Autopilot をメンションし、仕事の状況を確認したり、必要な作業を依頼したりすることが想定されています。

ただし、Autopilot を人間と同じものとして扱うという意味ではありません。重要なのは、Autopilot が組織内で識別可能なエージェントとして存在し、誰のために、どの権限で、どのような目的の仕事をしているのかを管理できることです。

何でも自由に実行できるわけではない

Autopilot が継続的に動作するからといって、自由に何でも実行できるわけではありません。

Autopilot は、次の条件の中で動作します。

  • 利用者が設定した目的
  • 利用者が設定した境界
  • 利用者に与えられている権限
  • 組織が定めたポリシー
  • 監査とガバナンス
  • 接続を許可されたデータやツール

利用者がアクセスできない情報を、Autopilot が自由に参照できるという意味ではありません。また、他の人に影響する操作や重要な結果を伴う操作については、人間による確認が必要になる場合があります。

そのため、Autopilot は「人間を完全に介さず、すべてを自動実行する AI」というよりも、利用者と組織が定めた範囲内で継続的に仕事を進め、必要な場面では人間に確認を求めるエージェントとして理解するのが適切です。

導入時に設計すべき項目

  • どの仕事を任せるのか
  • どのデータへのアクセスを許可するのか
  • どの操作で人間の承認を必要とするのか
  • 誰が結果を確認するのか
  • 誤った処理をどのように検知・停止するのか
  • 実行履歴をどのように監査するのか
  • 利用コストをどのように管理するのか
  • 担当者の異動や退職時に、Autopilot の所有権と仕事をどう引き継ぐのか

Scout Desktop と新しい Autopilot は分けて考える

従来の Microsoft Scout Desktop と、今回発表されたクラウドホスト型 Autopilot は、分けて考える必要があります。

Scout Desktop は、Windows や macOS 上で動作するデスクトップアプリケーションとして説明されていました。ローカルのワークスペース、ファイル、シェル、ブラウザー、開発ツールなどを操作する機能を持つデスクトップ中心の体験です。

一方、今回発表された Autopilot は、Microsoft Copilot から利用し、テナント内で動作するクラウドホスト型のパーソナルエージェントとして説明されています。

観点 Scout Desktop 新しい Autopilot
主な実行場所 利用者の Windows/macOS 端末 Microsoft のクラウド、利用者のテナント内
主な対象 ローカル作業、ファイル、シェル、ブラウザー、開発ツール Microsoft Copilot/Microsoft 365 を中心とした継続業務
継続性 デスクトップアプリの実行環境に依存 クラウドホスト型の継続エージェント
管理の考え方 ローカルアプリと端末を中心に管理 Identity、権限、ポリシー、監査、ガバナンスをテナント内で管理

そのため、Scout Desktop で提供されていたローカルファイル操作、ローカルシェル、端末上のブラウザー操作などを、新しい Autopilot が同じように利用できるとは現時点で断定できません。

Copilot Chat、Copilot Cowork、Autopilot の違い

分かりやすく整理すると、それぞれの役割は次のように捉えられます。

機能 主な用途 簡単な表現
Copilot Chat 質問への回答、検索、要約、文章作成など、その場で必要な支援 質問する
Copilot Cowork 完了してほしい仕事を依頼し、複数ステップを通じて成果物を作る 仕事を一件任せる
Autopilot 一定期間にわたって継続する仕事や責任を任せる 継続する責任を任せる

Copilot Cowork には、提案資料、調査レポート、顧客向け説明資料など、開始点と終了点を持つ仕事を任せるイメージがあります。

Autopilot には、プロジェクトの進捗確認、仕入先評価、定期的な状況確認、未完了項目の追跡など、一定期間続く仕事を任せるイメージがあります。

この表は理解を助けるための整理です

Microsoft による厳密な製品境界の定義ではありません。各機能の範囲は重なる場合があり、Microsoft Copilot 全体の機能拡張に伴って変化する可能性があります。

なぜ Autopilot が重要なのか

Autopilot の重要性は、AI が処理できる仕事の時間軸を広げる点にあります。

これまでの生成 AI は、質問への回答、文章作成、要約など、その場で完結する仕事を得意としてきました。その後、複数のステップを実行し、完成した成果物を返すエージェント型の機能が登場しました。

Autopilot は、さらにその先にある、数日間または一定期間にわたる仕事を継続して扱うことを目指しています。

本記事では、この変化を次の3段階として捉えています。

  1. AI に質問する
  2. AI に作業を依頼する
  3. AI に継続的な責任を任せる

Autopilot は、3番目の世界を実現するための機能だと考えられます。

これは Microsoft の正式な成熟度モデルではなく、Autopilot の意義を説明するための筆者による整理です。

Autopilot が重要なのは、人間を完全に置き換えるからではありません。人間が毎日確認していた継続的な仕事をエージェントと分担し、人間が判断、創造、関係構築など、より価値の高い仕事に集中できる可能性があるからです。

提供時期

Microsoft は、2026年9月25日の公式発表で、Autopilot のプライベートプレビュー対象を 2026年9月末に拡大する予定と説明しています。

Autopilot はプレビュー段階の機能です。機能、名称、提供対象、対応地域・言語、利用条件、ライセンス、課金、管理方法、Scout Desktop との関係などは、今後変更される可能性があります。

利用や評価を行う際には、最新の公式情報と、自社テナントで実際に提供されるプレビュー条件を確認してください。

まとめ

Autopilot は、以前 Scout と呼ばれていた、継続型のパーソナルエージェントです。

Microsoft は Autopilot を、次の3つの言葉で説明しています。

  • Personal
  • Proactive
  • Persistent

利用者は Autopilot に名前、役割、目標、境界を設定します。Autopilot はその範囲内で、チャネルの確認、スレッドのフォローアップ、定期作業、会議準備、関係者への更新依頼、未完了作業の追跡などを継続します。

また、テナント内に独自の identity、memory、computer、workspace を持ち、クラウド上で仕事を続けるように設計されています。

一方、Autopilot は無制限に自律動作するものではありません。利用者の権限、組織のポリシー、監査、ガバナンス、設定された目的と境界の中で動作し、必要な場面では人間による確認や判断が求められます。

Autopilot を一言で表現するなら、次のようになります。

その場で質問に答えるだけではなく、利用者から預かった仕事や責任を、設定された範囲内で継続して前へ進めるパーソナルエージェント

今回の発表は、Copilot が「質問に答える AI」から「仕事を継続的に支援する AI」へと役割を広げていく、大きな転換点の一つだと考えられます。

公式情報

注記

本文は、2026年9月26日時点の公開情報に基づいています。Autopilot はプレビュー段階の機能です。正式提供までに、機能、名称、利用条件、対応範囲、ライセンス、課金、管理方法などが変更される可能性があります。また、scout が Autopilot に変わるとありますが、scout はデスクトップアプリで Autopilot はサーバ上で駆動するアプリです。今後デスクトップ版がどうなるかは現時点では不明です。


Microsoft IQ について

Copilot が企業の仕事を支援するためには、高性能な AI モデルだけでは不十分です。利用者の仕事、企業のデータ、業務上の意味、権限、業務プロセスを理解する必要があります。

Microsoft は、この企業コンテキストを Copilot とエージェントへ提供する基盤を Microsoft IQ と説明しています。

Microsoft IQ は、一つのデータベースや一つの AI モデルを指すのではありません。Microsoft の各サービスに分散する仕事、データ、知識、業務プロセスのコンテキストを Copilot とエージェントで利用するための統合的な仕組みです。

今回の発表では、Microsoft IQは、新しいCopilot、Code、Autopilotへ、企業の知識、データ、業務コンテキストを提供する統合インテリジェンス基盤として位置付けられています。

概要は、新しい Copilot の公式発表の「Expanding your business context」 をご確認ください。


Fabric IQ について

Fabric IQ は、Copilot に企業データの信頼できるビジネスコンテキストを提供します。

以下は、Fabric IQが提供するビジネスコンテキストを、製造業を含む一般的な業務概念へ置き換えた説明例です。
例えば、データ上のテーブル名や列名だけではなく、顧客、商品、売上、工場、設備、注文、在庫、リスク、納期遅延などの業務上の概念、関係、定義を Copilot とエージェントで利用できるようにします。

今回の発表では、Power BI に存在する2,000万を超えるセマンティックモデルを含む Fabric IQ のコンテキストが、Chat と Cowork で一般提供されたと説明されています。

Code との統合は、Frontier プログラムを通じて今後提供される予定です。

詳しくは、公式発表の Fabric IQ に関する説明 をご確認ください。


Dynamics 365 と Power Platform の業務コンテキスト

Copilot が利用できる業務コンテキストは、Dynamics 365 と Power Platform にも拡張されます。

Microsoftが示している例では、営業担当者が提案書を作成する際に、Copilotが商談履歴やサポートチケットなどの情報を取り込めるようになります。

利用者が複数の業務アプリケーションを開いて情報を探し、文書へコピーするのではなく、Copilot が現在の仕事へ必要な情報を取り込むことを目指しています。

発表時点では、今後1か月をかけてパブリックプレビューとして展開すると説明されています。

詳しくは、新しい Copilot の公式発表 をご確認ください。


Plugin Registry

Copilot から利用できる機能を拡張するために、新しい Plugin Registry も発表されました。

プラグインは、Skills、Connectors、そのほかの機能を組み合わせてCopilotを拡張します。新しいPlugin Registryは、Microsoft、パートナー、企業が独自に開発したプラグインを、一つの統合カタログで扱うための仕組みです。

IT 管理者は、組織内で利用できるプラグインを中央で承認、管理できます。開発者やパートナーは、一度公開したプラグインを、対応する複数の Copilot 体験から利用できるようにします。

公式発表では、Plugin Registry は展開を開始しており、対応する各 Copilot サーフェスで今後数週間以内に一般提供すると説明されています。

詳しくは、公式発表の Plugin Registry に関する説明 をご確認ください。


Teams の @Copilot

Teams で @Copilot を呼び出した場合、Copilot は、チャネル、グループチャット、会議の共有コンテキストと権限を利用できるようになります。

例えば、チームで過去に行われた製品上の判断について質問すると、Copilot が関連する会話を確認して背景を整理します。

その判断が製造、パッケージ、発売時期などへ影響する場合、Copilot が依存関係、担当者、未解決の質問、決定事項などを含む部門横断レビューを準備する例も紹介されています。

これにより、Copilot は個人向けの AI アシスタントから、チームの共有コンテキストを扱う AI メンバーへ広がります。

この機能は2026年9月末までに Teams でプライベートプレビューへ入る予定です。

詳しくは、公式発表の Teams @Copilot に関する説明 をご確認ください。


ライセンスと課金

今回の発表では、Copilot の商用モデルも進化します。

基本的には、次の2つを組み合わせます。

  1. User Subscription License
  2. Usage-Based Billing

User Subscription License

日常的な AI 利用は、ユーザー単位のサブスクリプションで提供されます。

対象として、質問、下書き、要約、分析、Chat、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teams などが示されています。

この中では Auto が、品質、速度、コストを考慮し、リクエストに適したモデルを選択します。

Usage-Based Billing

長時間の処理、複数の工程を含む処理、より高度なモデルを利用する処理については、Usage-Based Billing が利用されます。

対象として、Cowork、Code、Autopilot、Copilot Managed Runtime、長時間実行されるエージェント処理、一部の Frontier モデルが示されています。

Usage-Based Billing では、Copilot Credits が共通の利用単位になります。

Copilot Creditsの消費方法や消費量は、利用するサービスと処理内容によって異なります。課金対象となる操作、モデル、クレジット消費量については、各サービスの最新ドキュメントとCopilot Credits Guideを確認する必要があります。

また、対応する従量課金型の体験を利用するには、管理者が利用を有効にし、対象ユーザーやグループ、支出ポリシーなどを設定する必要があります。

商用モデルの方向性は、新しい Copilot の公式発表 と、Copilot Credits の従量課金とコスト管理 をご確認ください。


FinOps for AI

AI の利用が組織全体へ広がると、利用量とコストを可視化、制御、最適化する仕組みが必要になります。

今回の発表では、Agent 365、Microsoft Copilot、管理機能を横断する FinOps for AI の拡張が説明されています。

管理者は、支出ポリシーの設定、利用可能なモデルファミリーの指定、ユーザーやグループごとの制御、クレジット申請の承認フロー、利用量の確認、Code と Copilot Managed Runtime のコスト管理などを行えるようになります。

ビジネス担当者や管理者は、Cowork のタスクと成果を確認し、どの利用を継続、拡大、最適化するか判断できるようになります。

エンドユーザーも Copilot 内で、使用済みクレジット、残りのクレジット、利用履歴などを確認できるようになります。

Copilot Studio で作成したエージェントに対する追加の FinOps 対応は、2026年10月に予定されています。

詳しくは、公式発表の FinOps for AI に関する説明 と、パートナー向けの新しい Copilot の発表 をご確認ください。


提供状況

今回発表された機能は、すべてが同時に一般提供されたわけではありません。

2026年9月26日時点の公開情報を整理すると、次のようになります。

機能 発表時点の提供状況
Home Frontier プログラムで今後数週間以内に展開
Office in Copilot Home と合わせて段階的に展開
Code 2026年9月末から Frontier へ展開
Code の広範な提供 Frontier 展開後、今後数週間をかけて拡大
Microsoft 365 Premium / Pro 向け Code 2026年後半にプレビュー予定
Autopilot 2026年9月末にプライベートプレビュー拡大予定
Copilot Managed Runtime パブリックプレビュー
Fabric IQ による Chat / Cowork のグラウンディング 一般提供
Fabric IQ と Code の統合 Frontier で今後提供
Dynamics 365 / Power Platform のコンテキスト 今後1か月でパブリックプレビューを展開
Plugin Registry 展開開始、今後数週間で対応サーフェスへ一般提供
Today 2026年10月にプライベートプレビュー予定
Teams の @Copilot 2026年9月末までにプライベートプレビュー予定
Copilot Studio の追加 FinOps 対応 2026年10月予定

提供時期については、新しい Copilot の公式発表 を参照しています。

Frontier は一般提供前のプレビュー AI 機能へ早期アクセスするためのプログラムであり、機能ごとに対象ライセンス、ロール、利用条件、従量課金の有無が異なります。詳しくは、Microsoft Frontier プログラム をご確認ください。

プレビュー機能の仕様、提供時期、対象テナントは変更される可能性があります。


企業で利用する場合の注意点

作成できることと、本番運用できることを分ける

Code により、業務担当者が短時間でアプリケーションを作成できるようになります。

しかし、短時間で作成できたことと、重要な業務で安全に利用できることは同じではありません。

少なくとも、次の点を確認する必要があります。

  • 所有者は誰か
  • 誰が保守するのか
  • どのデータへ接続しているか
  • 機密情報や個人情報を扱うか
  • 障害時に誰が対応するか
  • 変更をどのようにテストするか
  • 利用状況をどのように確認するか
  • どの段階で専門の開発チームへ引き継ぐか

Code は GitHub Copilot の置き換えではありません

Code は、業務上の問題を理解している人が、目的別のソリューションを作るための入口です。

一方、大規模開発、本番システム、リポジトリ管理、CI/CD、セキュリティ、開発ライフサイクル全体の管理には、引き続き GitHub と GitHub Copilot が重要です。

どちらを利用するかは、単に利用者が開発者かどうかだけでなく、成果物の重要性、利用範囲、保守、セキュリティ、規模によって判断する必要があります。

Autopilot へ明確な境界を設定してください

Autopilot は、ユーザーからの次のプロンプトを待たずに仕事を継続します。

そのため、通常のチャット AI 以上に、実行できる操作、利用できるデータ、承認が必要な処理、自動実行できる範囲、停止条件、監査、コスト上限、エラー時の対応を設計することが重要です。

エージェントの自律性を高めることだけでなく、人間が確認、承認、停止できる仕組みを含めて設計する必要があります。

コストと業務成果を結び付ける

Usage-Based Billing では、利用回数を減らすだけでは、適切な最適化にならない場合があります。

重要なのは、消費したクレジットに対して、どのような業務成果が得られたかです。

例えば、次のような指標が考えられます。

  • 削減できた作業時間
  • 改善した品質
  • 短縮した意思決定時間
  • 増加した売上
  • 回避できたリスク
  • 短縮した顧客対応時間
  • 再利用可能になった業務プロセス

FinOps for AI は、単に利用を制限するためではなく、価値の高いユースケースへ継続的に投資するために利用する必要があります。


例:製造業で考えられる利用場面

製造業では、Microsoft 365 上の仕事と、Fabric、Dynamics 365、Power Platform 上の業務データを組み合わせることで、さまざまな利用場面が考えられます。

Home

  • 品質会議、メール、作業報告、関連資料の確認
  • 工場やプロジェクトごとの最新状況整理
  • 過去の議論をもとにした会議資料作成

Code

  • 生産状況を確認するダッシュボード
  • 出荷遅延を確認するトラッカー
  • 品質問題の傾向を分析するツール
  • 設備保全状況を確認する小規模アプリ
  • Excel データを対話的に分析するアプリ

Autopilot

  • 仕入先評価プロセスの進行
  • 定期的な品質レビュー
  • 関係者へのフォローアップ
  • 未完了タスクの追跡
  • 会議準備と会議後の処理

Fabric IQ

  • 工場、設備、製品、注文、在庫、品質情報の関係を定義
  • 異なるシステムに存在するデータを共通の業務概念で理解
  • Copilot とエージェントに信頼できる業務コンテキストを提供

これらは想定例です。実際の利用では、業務要件、権限、データ接続、利用可能なコネクタ、プレビュー機能の提供状況を確認した上で設計する必要があります。


今回の発表をどのように捉えるべきか

今回の発表を一言で表現すると、Microsoft Copilot は次の段階へ進んだと言えると思います。

質問する AI
    ↓
仕事を依頼する AI
    ↓
成果物を共同で作る AI
    ↓
アプリケーションを作る AI
    ↓
継続的に業務を実行する AI

そして、その下には企業向けのコンテキスト、実行、ガバナンス、コスト管理の基盤があります。

Microsoft IQ
    ├── Work IQ
    ├── Fabric IQ
    └── 業務システムのコンテキスト

Microsoft Copilot Managed Runtime
    ├── ホスティング
    ├── ID
    ├── データ接続
    ├── ソース管理
    ├── セキュリティ
    ├── ガバナンス
    └── ライフサイクル管理

Agent 365 / FinOps for AI
    ├── エージェントの管理
    ├── 権限
    ├── 監査
    ├── 利用状況
    └── コスト管理

つまり、今回発表された新しい Copilot は、単なる Copilot アプリの画面変更ではありません。

Microsoft 365、Office、GitHub、Copilot Studio、Fabric、Dynamics 365、Power Platform、Microsoft Entra、Agent 365 を組み合わせて、AI を利用した仕事とアプリケーション実行の共通基盤を作ろうとする発表です。


まとめ

2026年9月25日に発表された新しい Microsoft Copilot では、Home、Code、Autopilot が Copilot アプリの主要機能として追加されます。

Home では、Chat、Cowork、Office が一つの開始地点に統合されます。

Code では、ナレッジワーカーが自然言語を使って、アプリ、ダッシュボード、トラッカー、自動化、ワークフローなどを作成できます。

Autopilot では、名前、役割、目標、境界を設定したパーソナルエージェントが、継続的に仕事を進めます。

さらに、Copilot Managed Runtime により、作成したアプリケーションを Microsoft 365 の環境で実行し、ID、権限、データアクセス、ソース管理、ガバナンス、監視、ライフサイクルを共通化できます。

Microsoft IQ、Fabric IQ、Dynamics 365、Power Platform の統合により、Copilot とエージェントが、企業の仕事と業務データを理解できる範囲も広がります。

一方で、Cowork、Code、Autopilot などの長時間、複数工程の処理には、Copilot Credits を利用した従量課金が利用されます。

企業では、Copilot の導入を単なるライセンス展開として考えるのではなく、次の内容をまとめて設計する必要があります。

  • どの業務を AI に任せるのか
  • どのデータを利用させるのか
  • どこまで自動実行を許可するのか
  • 誰がアプリを作成、管理、保守するのか
  • いつプロフェッショナル開発へ移行するのか
  • AI の利用コストをどのように管理するのか
  • 得られた業務成果をどのように測定するのか

今回の発表は、Copilot に新しい画面が追加されたというだけではありません。

Microsoft Copilot が、質問、依頼、成果物の作成、アプリケーション開発、継続的な自動化を一つの環境から利用する、仕事の共通基盤へ進化していくことを示した発表だと考えています。

まだプレビュー段階の機能も多くあります。特に、Code と GitHub Copilot の連携、Code と Copilot Studio の機能境界、Copilot Managed Runtime の提供地域とコンプライアンス、Autopilot の権限と実行境界、Fabric IQ と Code の統合、Copilot Credits の消費量と可視化、FinOps for AI の機能拡張については、今後も最新情報を確認する必要があります。


参考情報

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