前回からの続きです。
2. 構築作業 続き
Step 17 – Create T0 (Tier-0) Gateway [active-active] and Configure BGP
・Tier-0ゲートウェイを作成します。最初にTier-0ゲートウェイの名前と、Tier-0ゲートウェイの実体となるEdgeクラスター(Edge-Cluster-A-11)を指定します。
・次に、UplinkとなるInterfaceとして、例えば、名前:Uplink-ToR-A-11で、Edgeノード:ESG-NSXt-A-11に、IPアドレス:192.168.110.3/24を割り当てて、接続先(セグメント):ToR-A-11とする、といった構成を指定します。なお、Step 16で空のVLANセグメントToR-A-11を作成しておかないとこの作業を実施できません。
→Tier-1ゲートウェイとTier-0ゲートウェイの関連付けは、Tier-1ゲートウェイの管理画面で行い、IPアドレスの割り当ては自動(例 100.64.64.1)であり、Tier-0ゲートウェイの構成で必要なのはアップリンク側となります。
・次に、BGPの設定を行います。ここでは、Tier-0ゲートウェイのAS番号は65111を指定、そして、BGP Neighborとして"VMWare NSX-T 3.0デモ環境構築 その1"で設定したPhysical Router(VyOS01)のAS番号65001をゲートウェイ毎(192.168.110.1/24と192.168.120.1/24)に指定します。Tier-0ゲートウェイとPhysical Routerのルーティング情報の交換はBGPによって行われるため、この設定を実施しないと、外部と通信できません。
・NSX-T 3.0のスクリーンショットは以下となります。最後のスクリーンショットにありますように、NSX-T 3.0の場合は、BGP neighborの送信元アドレスと送信先アドレスの関連付けが実施されており、次のStep 18は不要です。
・追加作業として、NSX-T 3.0の場合は、Tier-0ゲートウェイにスタティックルートを追加します。この作業を実施しないとPhysical Router(VyOS01)にAdvertiseされるルーティング情報に宛先0.0.0.0/0 ゲートウェイ192.168.110.1(又は、192.168.120.1)が含まれないことになり、Tier-1ゲートウェイに接続するVMが外部と通信できません。スクリーンショットは以下です。
Step 18 – T0 (Tier-0) Gateway: Map BGP neighbor to specific Uplink Interface
・NSX-T 3.0に “Advanced Networking & Security”のUIは存在しないです。Step 17で実施済みとなり、省略されます。
Step 19 – Connect T1 (Tier-1) Gateway to T0 (Tier-0) Gateway
・Tier-1ゲートウェイとTier-0ゲートウェイの関連付けを行います。つまり、Tier-1ゲートウェイの管理UIでTier-0ゲートウェイへのルートアドバタイズを有効にします。
・NSX-T 3.0のスクリーンショットは以下となります。
Step 20: Configure Route Distribution on T0 (Tier-0) Gateway
・ルート再配分の設定を行います。ネットワークをまじめに理解しているわけではないのですが、要するに、Next hopとなるルーターにTier-0ゲートウェイのルーティング情報を伝えているのですが、そこに、Tier-1ゲートウェイが管理するセグメント情報を追加した、という認識です(これを実施しないと外部からTier-1ゲートウェイのセグメントにアクセスできません)。
・最初は、Tier-0ゲートウェイがphysical router(VyOS01)にAdvertiseしているのは宛先0.0.0.0/0 ゲートウェイ192.168.110.1だけだったのが、このルート再配分により、以下のようにルーティング情報が追加されます。
・NSX-T 3.0のスクリーンショットは以下です。Varun氏と異なりますが、正常動作しています。
以上の作業により、外部のVM(10.xxx.yyy.?)とTier-1ゲートウェイに接続するVMの間で、相互に通信ができるようになりました。せっかく作ったSite-B上のNested ESXiホストをTier-1ゲートウェイに組み込んでSite-AからSite-BにvMotionしてみる、別のTier-1ゲートウェイを作ってみる、ロードバランサーや分散ファイアーウォールを試す、、、等々はこれからの作業となります。
インストール作業のイメージが伝わり、NSX-Tのオブジェクトの機能や概念の理解が進みましたら幸いです。
→MTUが1600以上、Tunnel Endpoint、Tier-0/1ゲートウェイ、、等々、実感いただけますとうれしいです。
最初に、戻ります。