2020年3月に開催されるG検定を受験しようと思うので,合格のために,まずはこの教科書を読んでいこうと思います.
読むだけでは,中々頭に入っていかないと思い,ここでアウトプットすることにしました.
人工知能(AI)とは
人工知能とは何か
「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉は,1956年にアメリカで開催せれたダートマス会議において,ジョン・マッカーシーが初めて使った言葉.
AIの定義は専門家の間でも異なる.
中島 秀乃(公立はこだて未来大学学長),武田 英明(国立情報学研究所教授) | 人工的に作られた,知能を持つ実態.あるいはそれを作ろうとすることによって知能自体を研究する分野 |
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西田 豊明(京都大学大学院 情報学研究科教授) | 「知能を持つメカ」ないしは「心を持つメカ」 |
溝口 理一郎(北陸先端科学技術大学院大学教授) | 人工的に作った知的な振る舞いをするためのもの(システム) |
長尾 真(京都大学名誉教授) | 人間の頭脳活動を極限までシュミレートするシステム |
堀 浩一(東京大学大学院工学系研究科教授) | 人工的に作る新しい知能の世界 |
浅田 稔(大阪大学大学院工学研究科教授) | 知能の定義が明確でないため,人工知能を明確に定義できない |
松原 仁(公立はこだて未来大学教授) | 究極には人間と区別がつかない人工的な知能のこと |
池上 高志(東京大学大学院総合文化研究科教授) | 自然にわれわれがペットや人に接触するような,情動と冗談に満ちた相互作用を,物理法則に関係なく,あるいは逆らって,人工的に作り出せるシステム.分析的にわかりたいのではなく,会話したり付き合うことで談話的にわかりたいと思うようなシステム. |
山口 高平(慶應義塾大学理工学部教授) | 人の知的な振る舞いを模倣・支援・超越するための構成的システム |
栗原 聡(電気通信大学大学院情報システム学研究科教授) | 人工的に作られる知能であるが,その知能のレベルは人を超えているもの |
山川 宏(ドワンゴ人工知能研究所所長) | 計算機知能のうちで,人間が直接・間接に設計する場合 |
松尾 豊(東京大学大学院工学系研究科准教授) | 人工的に作られた人間のような知能,ないしそれを作る技術 |
人工知能の大まかな分類
周囲の状況(入力)によって行動(出力)を変えるエージェント(プログラム)としてAIを捉えると,4つのレベルに分けることができる.
・レベル1:シンプルな制御プログラム
エアコンの温度調整や洗濯機の水量調整などのように,あらかじめ単純な振る舞いが決められているもの
・レベル2:古典的な人工知能
探索・推論,知識データを利用することで,状況に応じて極めて複雑な振る舞いをするもの
・レベル3:機械学習を取り入れた人工知能
非常に多くのサンプルデータをもとに入力と出力の関係を学習したもの
機械学習では,学習対象となるデータのどのような特徴が学習結果に大きく影響するか(特徴量)が重要.
・レベル4:ディープラーニングを取り入れた人工知能
特徴量を自動的に学習するもの
人工知能研究の歴史
ダートマス会議
先ほども出てきたが,1956年のダートマス会議において,初めて人工知能という言葉が生まれた.
また,同会議において,アレン・ニューウェル,ハーバード・サイモンによって,世界初の人工知能プログラムといわれるロジック・セオリストによって,コンピュータを用いて数学の定理を自動的に証明することが可能であることを示した.
人工知能ブーム
これまでに2度AIブームがあり,今は第3次AIブームの真っ最中である.
第1次AIブームは1950年代後半〜1960年代であり,推論や探索がブームの要因になった.
しかし,トイ・プロブレムは解けても,複雑な現実の問題は解けないことが明らかになり,ブームは冷める.
第2次AIブームは1980年代〜1995年頃であり,エキスパートシステムと呼ばれる,データベースに大量の専門知識を入れるアプローチが要因.
しかし,その知識を蓄積・管理することが困難であることが明らかになり,ブームは再び冷める.
第三次AIブームは2012年の画像認識コンテスト「ILSVRC (ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge)」でトロント大学のヒントンが畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使ったAlexnetというモデルが圧勝したことが要因であると言われている.
また,コンピュータの性能が上がったことや,インターネットの普及でデータが集めやすくなったことなども背景にあると考えられる.
ただし,第2次ブームのキーである知識表現も,第3次ブームのキーである機械学習も本質的な技術の提案は第1次ブームの時に既に行われていた.
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