はじめに

静的コンテンツ用の簡易的な Web サーバーを起動したいときのための個人的メモ
- *.js でファイルを読み込む等、file:// では動かないような場合を想定
- nc やその他で固定のコンテンツのみ返す、みたいなものはとりあえず除外
cgi とか https とかはあまり重視しない
基本的に Linux/Unix 系の環境がメイン（動くなら Windows でもよい）

簡易Webサーバー

Python 3.x

python -m http.server 8000

ディレクトリ指定時に index.html 等がない場合には、ファイル一覧を表示する
IP アドレスは --bind ADDR で指定(3.4 以降追加でサポート / 3.8 以降で IPv6 もサポート)
port は引数で指定
ドキュメントルートはカレント (3.7 以降は --directory DIR 形式で指定可能)
CGI を有効にするには --cgi オプションが必要. フォルダーは /cgi-bin と /htbin. 実行時の UID は nobody を使う

Ruby

ruby -run -e httpd -- --port=8000 .

ディレクトリ指定時に index.html 等がない場合には、ファイル一覧を表示する
IP アドレスは --bind-address=ADDR で指定
port は --port=PORT
ドキュメントルートは引数で指定
SSL/TLS 証明書を使って https 化も可能

PHP

php -S localhost:8000

ディレクトリ指定時に index.html や index.php がない場合には再帰的に親ディレクトリを探すが、最終的になければ 404 Not Found になる
IP アドレス、port は -S ADDR:PORT で指定
ドキュメントルートは -t DIR で指定
あたりまえだけど *.php ファイルにも対応している

Java 18 以降

jwebserver -b ADDR -p PORT -d DIR

IP アドレスは -b ADDR で指定
port は -p PORT で指定
ドキュメントルートは -d DIR で指定

BusyBox

busybox httpd -f -p 8000

【参考】ヘルプメッセージ

$ busybox httpd --help
BusyBox v1.30.1 (Ubuntu 1:1.30.1-4ubuntu6.4) multi-call binary.

Usage: httpd [-ifv[v]] [-c CONFFILE] [-p [IP:]PORT] [-u USER[:GRP]] [-r REALM] [-h HOME]
or httpd -d/-e/-m STRING

Listen for incoming HTTP requests

        -i              Inetd mode
        -f              Don't daemonize
        -v[v]           Verbose
        -p [IP:]PORT    Bind to IP:PORT (default *:80)
        -u USER[:GRP]   Set uid/gid after binding to port
        -r REALM        Authentication Realm for Basic Authentication
        -h HOME         Home directory (default .)
        -c FILE         Configuration file (default {/etc,HOME}/httpd.conf)
        -m STRING       MD5 crypt STRING
        -e STRING       HTML encode STRING
        -d STRING       URL decode STRING

-f をつけるとフォアグラウンドで動作 (付けないとデーモン化)
ディレクトリ指定時に index.html 等がない場合には 404 Not Found になる
IP アドレスと port は -p [ADDR:]PORT で指定
ドキュメントルートは -h DIR で指定
/cgi-bin 配下を CGI として扱う

雑多なメモ

動作確認していないものとか、もう古い情報とか

node.js + ライブラリ

http-server

インストール方法（以下はローカルにインストールする例）

npm install http-server

実行方法

npx http-server -p 8000

IP アドレスは -a ADDR で指定
port は -p PORT で指定
ドキュメントルートは引数で指定. デフォルトは ./public があればそれを使う. なければカレントディレクトリを使う
SSL/TLS 証明書を使って https 化も可能

serve

インストール方法

npm install --global serve

実行方法

serve -p 8000

IP アドレスは -l URI で指定（なのかな？）
port は -p PORT で指定
ドキュメントルートは引数で指定. デフォルトはカレントディレクトリ
SSL/TLS 証明書を使って https 化も可能

light-server

インストール方法

npm install light-server

実行方法

npx light-server -s . -p 8000

IP アドレスは -b ADDR で指定
port は -p PORT で指定
ドキュメントルートは -s DIR で指定

Python 2.4 以降

既に使わないと思うけど、念のため。

python -m SimpleHTTPServer 8000

VSCode拡張「Live Server」

PowerShell

Windows の場合 PowerShell で少しスクリプトを書くと、簡易的な Web サーバは作れるみたい。
動作確認はしていないけど、とりあえずメモ。

PowerShell で簡易 Web サーバを作ったよ、というページはほかにもいくつもありそう。

GNU Awk

GNU Awk はソケットも扱えるみたいなので、簡易 Web サーバも作れるようです。

↑この記事の下の方に、ワンライナーでの Web サーバが紹介されています。
ちょっとページが崩れているみたいなので、改めてソースを転載させてもらいます。
ついでにポート番号も 8000 に変更しました（元は 80 だった）。

ソースの転載

awk 'BEGIN{s="/inet/tcp/8000/0/0";"pwd" |& getline;r=$0;while((s |& getline) > 0){gsub(/[\r\n]/,"");if($0 ~ /^\s*$/){c="cat " r path;printf "HTTP/1.0 200 OK\r\n\r\n" |& s;while((c |& getline) > 0){print |& s}close(c);close(s)}else if($0 ~ /HTTP/){print;path=$2}}}'

改行を入れると以下のような感じですね。

BEGIN{
  s="/inet/tcp/8000/0/0"
  "pwd" |& getline
  r=$0
  while((s |& getline) > 0){
    gsub(/[\r\n]/,"")
    if($0 ~ /^\s*$/){
      c="cat " r path
      printf "HTTP/1.0 200 OK\r\n\r\n" |& s
      while((c |& getline) > 0){
        print |& s
      }
      close(c)
      close(s)
    }else if($0 ~ /HTTP/){
      print
      path=$2
    }
  }
}

おそらくは、ワンライナーに収めるためにかなり機能を限定しているようです。

セキュリティチェックなどは入っていない（GET /../../etc/passwd HTTP/1.0 みたいなことができちゃいそう）常用は厳禁
/ アクセスで index.html を返す機能はない
Mime-Type なども返さない

最近の Git Bash (Git for Windows) に入っている Awk は GNU Awk 5.0 っぽいので、Git Bash が入っていれば Windows でも動くようですね。

ちょっと手を入れると便利に使えそう？　試しに実装してみました。まだ修正するかも。

HttpServer.awk

BEGIN {
  if (port == "") port = "8000"
  if (root == "") root = "."
  BINMODE = 1
  RS="\r\n"
  socket = "/inet/tcp/" port "/0/0"
  while((socket |& getline) > 0) {
    print
    path = root "/" $2
    gsub(/\?.*$/, "", path)
    if (path ~ /\/$/) path = path "index.html"
    if ($1 != "GET" || $3 !~ /^HTTP\// || path ~ /\/\.\.\//) {
      sendError("400 Bad Request")
      close(socket)
      continue
    }
    while((socket |& getline) > 0) if ($0 == "") break
    RS = "^$" # never match regex
    rc = getline content < path
    close(path)
    RS = "\r\n"
    if (rc < 0) {
      sendError("404 Not Found")
    } else {
      sendContent("200 OK", contextType(path), content)
    }
    close(socket)
  }
  close(socket)
  exit(1)
}

function contextType(path) {
  if (path ~ /\.html$/) return "text/html"
  if (path ~ /\.js$/) return "text/javascript"
  if (path ~ /\.css$/) return "text/css"
  if (path ~ /\.txt$/) return "text/plain"
  if (path ~ /\.xml$/) return "text/xml"
  if (path ~ /\.png$/) return "image/png"
  if (path ~ /\.jpg$/) return "image/jpeg"
  if (path ~ /\.gif$/) return "image/gif"
  if (path ~ /\.svg$/) return "image/svg+xml"
  if (path ~ /\.json$/) return "application/json"
  if (path ~ /\.zip$/) return "application/zip"
  return "application/octet-stream"
}

function sendError(code) {
  sendContent(code, "text/plain", code "\r\n")
}

function sendContent(code,type,content) {
  print "HTTP/1.0 " code
  printf "HTTP/1.0 %s\r\n",code |& socket
  printf "content-type: %s\r\n",type |& socket
  printf "\r\n" |& socket
  printf "%s",content |& socket
}

実行時には awk -f HttpServer.awk みたいな感じです。
ポート番号を変更するには awk -v port=3000 -f HttpServer.awk みたいに -v port=PORT を指定してください。

気になる点。

GET メソッドしかサポートしていない。
- HEAD ぐらいはサポートしないとまずい？
- エラーも 400 Bad Request になっている。 501 Not Implemented が正しい？
ディレクトリを / 無しで指定された場合に 404 Not Found になる。
- 本当は 301 Moved Permanently で / 有りに振り向けるのが正しい気がする
URLエンコードされたパスに対応していない

C# (Windows 標準のコンパイラ使用）

Windows ではデフォルトで C# のコンパイラが入っているみたいなので、それで簡易 Web サーバーを作ってみました。

参考にした記事

参考になるかもしれない記事