この記事は「モバイルアプリ開発における AI 活用術」の詳細記事です。
目次
- はじめに
- 題材:AI チャットアプリ
- Claude.ai でプロジェクトを作成
- Skills の作成
- 市場調査 → ペルソナ → 収益戦略 → product.md
- アプリ名の決定(Claude との壁打ち)
- アプリアイコン作成(ChatGPT + Canva)
- このフェーズの成果物
- 👤 人の判断ポイント
- 次のステップ
- 参考リンク
はじめに
アプリ開発は企画から始まります。このフェーズでは Claudeを活用しながら、市場調査・ペルソナ・収益戦略を一括で整理し、product.md(製品ビジョン)を生成します。
このフェーズのゴール:
- 市場調査に基づいた製品コンセプトの確立
- ターゲットユーザーと収益モデルの明確化
-
product.md(製品ビジョン)の生成 - アプリ名とアイコンの決定
題材:AI チャットアプリ
今回企画編で題材にするのは、カスタマイズ可能な AI キャラクターと会話を楽しめるチャットアプリです。
Claude.ai でプロジェクトを作成
まず、Claude.ai でプロジェクトを作成します。
プロジェクトを作成することで、毎回同じ前提条件を伝える必要がなくなり、また同一プロジェクト内の関連するやり取りを参照しやすくなります。
Skills の作成
毎回「市場調査をして」「ペルソナを設計して」などと依頼するたびに、出力フォーマットや分析の深さがバラバラになることがあります。
そこで、Skills というものを作成しておくことで下記を実現することが可能です。
- 出力フォーマットの統一: 常に同じ構造でレポートが生成される
- 分析の観点を固定: 漏れなく必要な項目を分析
Skills = Claude に追加できる「マニュアル」や「テンプレート」 です。
一度作っておけば、「市場調査して」などと伝えるだけで毎回同じフォーマット・同じ観点で分析してくれます。毎回プロンプトで「こういう形式で出して」と指示する必要がなくなります。
また、必要な文脈の時だけ読み込まれるため、コンテキストを節約しながら適切なガイダンスを提供できます。
企画フェーズ用の 4 つの Skills
| Skill | 用途 | 出力形式 |
|---|---|---|
market-research |
市場調査・競合分析 | 市場規模、競合比較表、差別化ポイント |
user-persona |
ペルソナ・JTBD 設計 | ペルソナプロフィール、JTBD、利用シーン |
monetization-strategy |
収益戦略・KPI 設計 | 収益モデル、価格設定、KPI 目標値 |
kiro-product-md |
product.md 生成(統合) | Kiro/cc-sdd 形式の product.md |
各 Skill の設計意図
market-research
目的: アプリのアイデアに対して、市場機会とリスクを明確化する
# 出力に含まれる項目
- 市場概要(TAM/SAM/SOM、成長率)
- 競合分析(3-5 個のアプリを比較表で)
- 差別化ポイント(未充足ニーズ、狙うべきニッチ)
- まとめ: product.md 用の要約(Market Context)
user-persona
目的: ターゲットユーザーを具体化し、「誰のために作るか」を明確にする
# 出力に含まれる項目
- メインペルソナ(名前、年齢、職業、ライフスタイル)
- JTBD(Functional / Emotional / Social の 3 観点)
- 利用シナリオ(いつ、どこで、どのように)
- まとめ: product.md 用の要約(Primary Persona, Use Cases)
monetization-strategy
目的: 収益モデルと KPI を設計し、ビジネスの方向性を固める
# 出力に含まれる項目
- 推奨収益モデル(フリーミアム、サブスク等)
- 価格設定と競合比較
- KPI 設計(North Star Metric、Primary/Secondary KPIs)
- まとめ: product.md 用の要約(Revenue Model)
kiro-product-md
目的: 上記 3 つの分析結果を統合し、開発に使える ドキュメント(product.md) を生成
# 生成ルール(Steering Principles 準拠)
- 100-200 行以内に収める
- パターンと目的に焦点(詳細な機能リストは避ける)
- 「なぜこのアプリを作るか」が伝わる内容
Skills の作成、インストール
Cluadeの「設定」>「機能」からSkillの追加を選択するとこのようなダイアログが出ます。
Claudeと一緒にスキルを作成することもできるため、会話を通じて作成していくのがおすすめです。

活用パターン: Skills をインストールしておくと、「市場調査をお願いします」と伝えるだけで market-research Skill が自動で使用されます。
市場調査 → ペルソナ → 収益戦略 → product.md(製品ビジョン)生成
今回はSkills を個別に実行するのではなく、Claude.ai に一括で依頼し、対話形式で進めていきます。
プロンプト例
AIチャットアプリを開発したいです。
サービス内容としては自分専用にカスタマイズしたAIのキャラクターと会話し、
その会話内容を記録としてAIでようやくして保存しておけるアプリにします。
「市場調査」「ペルソナ」「収益戦略」を一緒に考えてください。
対話形式で方向性を確認
私は Claude の個人設定に下記を記載しているため、Claude は詳細な分析を始める前に、選択式の質問で方向性を確認してくるようになります:
曖昧な部分がある場合は回答の前に確認の質問を行うこと。
確認の際はなるべく番号をつけて、ユーザーが番号で応答可能にすること。
claudeからの確認質問の例:
| # | 質問 | 選択肢の例 |
|---|---|---|
| 1 | ターゲット市場について | A) 日本市場 / B) グローバル展開 / C) まだ決めていない |
| 2 | 想定しているメインの用途は | A) 日記・セルフリフレクション / B) メンタルヘルス / C) 学習 |
| 3 | カスタマイズの範囲 | A) アバター+性格+口調 / B) 性格+口調のみ / C) 最小限 |
| 4 | 開発体制について | A) 個人開発 / B) 小規模チーム / C) それ以上の規模 |
| 5 | 収益化の優先度は | A) 最初から重視 / B) ユーザー獲得優先 / C) サイドプロジェクト |
回答方法
選択肢を「1-B,2-A,3-A,4-A,5-A」のように番号と記号で回答するだけで OK です。
Claude が追加で確認したい点があれば、さらに質問が続きます(アウトプット形式、分析の深さなど)。
分析結果と product.md(製品ビジョン) の生成
回答を元に、Claude が 市場調査 → ペルソナ → 収益戦略 の順で分析を行い、最終的に product.md を生成します。
生成されたproduct.md(製品ビジョン)
Claude が分析結果を統合した product.md を生成します
このファイルは後ほど開発工程でも使うものとなります。
修正したい部分があれば、チャットをしながら調整していきます。
ポイント: 一括で依頼することで、Claude が文脈を理解した上で一貫性のある分析を行ってくれます。市場調査・ペルソナ・収益戦略が相互に整合した product.md が生成されます。
アプリ名の決定(Claude との壁打ち)
product.md でコンセプトが固まったら、アプリ名を決定します。
プロンプト例
以下のコンセプトに合うアプリ名を10個提案してください:
- AI キャラクターと会話できる
- キャラをカスタマイズできる
- 日常の相棒
名前の重複チェック
アプリ名がある程度決まったら、以下の点を確認します
ここも claude を使って調査を行います。
- App Store / Google Play での重複: 同名のアプリが既に存在しないか検索
-
ドメイン取得可否:
appname.comやappname.ioが取得できるか確認 - 商標登録: 同様の名前で商標登録されていないか確認
ポイント: 名前の由来や意味も一緒に提案してもらうと、ストア説明文やブランディングに活かせます。コンセプトが固まった後に名前を決めることで、アプリの本質を反映した命名ができます。
アプリアイコン作成(ChatGPT + Canva)
アプリアイコンは ChatGPT で背景透過の素材を生成し、Canva で仕上げています。
なぜ ChatGPT なのか
Gemini なども試しましたが、アプリアイコンのメイン素材は背景透過した素材が欲しく、Gemini は背景透過画像の生成が苦手だったため、ChatGPTを採用しています。
なぜこの組み合わせか
| ツール | 得意なこと | 苦手なこと |
|---|---|---|
| ChatGPT | 0→1 のデザイン生成 | 細かい調整、複数サイズ書き出し |
| Canva | 細かい調整、サイズ調整、書き出し | 0→1 のデザイン生成 |
ワークフロー
1. ChatGPT で背景透過の素材を生成
↓
2. 気に入った素材を Canva にインポート
↓
3. Canva でサイズ調整、背景色の微調整
↓
4. アプリストア用の各サイズに書き出し
このフェーズの成果物
| 成果物 | 説明 |
|---|---|
product.md |
製品ビジョン(目的、ペルソナ、機能、ビジネス目標) |
| アプリ名 | ブランディングの軸 |
| アプリアイコン | ストア用各サイズ |
これらは次の「プロジェクト初期化」フェーズで配置・設定します。
👤 人の判断ポイント
このフェーズで人が判断すべきポイント:
| # | 判断内容 | 詳細 |
|---|---|---|
| 1 | 対話形式での方向性確認 | Claude からの選択式質問に回答し、分析の方向性を決定 |
| 2 | product.md の内容確認 | 生成された製品ビジョンが意図通りか確認、必要に応じて修正 |
| 3 | アプリ名・アイコンの最終確認 | ブランディングの軸となるため慎重に |
次のステップ
👉 プロジェクト初期化編 へ進む




