こんにちは!
リンクアンドモチベーションで技術広報を担当している辻井です!
リンクアンドモチベーションでは、今年から技術広報チームを立ち上げ、公式X・公式noteの運用や、テックブログの活性化、カンファレンススポンサーなどに注力してきました。
その中でも、この記事では「登壇」にフォーカスして、1年の活動成果と来年に向けた抱負をお伝えできればと思います。
1年間の成果
昨年までも、一部スポンサーへのカンファレンスや自主的な登壇などは行っていましたが、兼務主体での活動となっていました。
今年は、「より対外的な発信を強化して、自分たちの開発組織について知ってもらおう」 という目標を掲げ、正式にチームを発足しまして、自分が専任の技術広報となりました。
最初に1年間の成果をお伝えすると、2024年は「10本」だった登壇本数が、2025年は 「40本」 になりました!(4倍!)
もう少しブレイクダウンして見てみると、ざっくり以下のような感じとなります。
- 公募LT/セッション:21本
- 登壇依頼:9本
- 共催:5本
- スポンサー(カンファレンス):3本
- スポンサー(イベント):2本
半分以上が「公募LT/セッション」となっており、登壇機会の創出に大きく寄与していることがわかります。
実際、一定アンテナを張ってアクションすれば、その分の登壇を獲得できるので、非常に効果的かつありがたいチャネルでした。
まとめる中で意外だったのは登壇依頼が予想以上に多かったことで、これはエンジニアの個人的なつながりや、テックブログの記事をきっかけにお声がけいただいたものです。
また、本数自体は決して多くありませんが、「共催」と「スポンサー」も非常に重要で、自分たちが今発信したいテーマやコミュニティへの登壇が可能になるため、「量より質」にこだわって来年以降も取り組んでいく予定です。
チャネルごとの具体的な取り組み
どんな取り組みを行ったのか、もう少し具体的に見ていきましょう。
公募LT/セッション(21本)
これはかなりシンプルで、「Connpassの定期パトロール」 に尽きます。
【開催場所:東京】【キーワード:LT】で検索をかけて、片っ端からイベントページを見ていきます。で、「これはうちが登壇できそうだな」と思ったものを、どんどんSlackで紹介する、という流れになります。(バイネームが思い浮かぶ場合は、直メンション)
公募LTのあるイベントは多数存在していますが、登壇枠が一瞬で埋まってしまう傾向が非常に強くなっています。なので、「先着」であればなる早で申し込む、「抽選」であれば内容にこだわって磨いたエントリーをする、というアクションが求められます。
5分のLTであれば、比較的準備もしやすく、少しくらい滑ったとしてもダメージが大きくないので、「なんとなくいけそうだな」と思うイベントがあればどんどん紹介するようにしていました。
あと、イベントを見立てる上で大事になるのはこの辺の観点。
- テーマやトピックに対して、会社・登壇者に親和性があるか
- 登壇日が近すぎないか(十分な準備をできるか)
- 土日や平日夕方など、集客しづらい日程になっていないか
- クローズドな集いではなく、オープンに人が集まる場になっているか
- 登壇者の経験値に見合った集客規模か(デビュー戦が100人規模はつらい)
この辺を意識しつつ、紹介したものがすべて登壇につながるわけではないので、少しゆるめの基準でトスアップしていました。
登壇依頼(9本)
これは、ぶっちゃけ技術広報としてめっちゃ旗振りできたかというと、結構怪しいところ。
CTOが個人的なつながりで引っ張ってきてくれたものも複数ありましたし、僕自身のつながりから「こんなイベントやるんだけど、リンモチで喋れそうな人ない?」とお声がけをいただいたケースもありました。
ただ、結果がすぐに出るわけではないが改めて大事だなと痛感したのが 「テックブログなどでの発信」 でして、実際に記事を読んで「この内容に共感したので、掘り下げた内容で登壇してもらえないか」という登壇も複数ありました。
(SREへのインタビュー記事が、SREの組織づくりの登壇につながったり)
昨年までとの違いで言うと、公式Xのアカウントを立ち上げて、各種カンファレンスのブースでフォロワーを伸ばしながら 「発信についての発信」 を行ってきたので、結果として対外的な発信が目に止まりやすくなった、というのはあるかもしれません。
テックブログやnoteの記事は、PVが劇的に伸びるものでもなく、短期的な成果は測りづらいですが、 「記事をきっかけとした登壇」 が生まれたことは、今後への励みになりました。
共催(5本)
これはもう少し砕くと、「デザイン系のイベント:3本」と「カンファレンスのアフターイベント:2本」となっています。
前者は、僕が昨年までプロダクトデザイナーだったということもあり、個人的なつながりから「こんなイベントやりませんか?」と企画したものになります。関係性に依存するものなので、あまり再現性はないかもしれません。
後者は、SRE NEXTとVue Fesという2つのカンファレンスに対して、スポンサー複数社で合同開催したイベントにご一緒させていただいたもので、こちらは来年以降も継続して取り組んでいきたいと思っています。
複数社合同開催ということで、各種コストを抑えながらチームプレーで取り組めるのが魅力的で、多種多様なスピーカーが集うことも相まってたくさんの方にご来場いただくことができました。
コミュニティの熱気やつながりを改めて噛み締める機会にもなり、個人的にはとても嬉しい機会でした。
(非公式のイベントだとしても、カンファレンス名を冠するときには運営に連携するのが必須なので、その点はお忘れなく!)
カンファレンススポンサー(3本)
今年は、 「SRE NEXT」「Platform Engineering Kaigi(PEK)」「Vue Fes Japan」 に協賛・登壇しました。
カンファレンスのスポンサー戦略については、別の機会に譲るとして、大型のカンファレンスで15分〜30分の登壇機会をいただけるのは本当にありがたいです。
5分〜10分のセッションと比べると、登壇が骨太になる分準備も大変ですし、ゲストの数も桁が変わるので大仕事となりますが、それでもそれだけの投資価値のある機会であることを強く感じた一年でした。
「登壇したい!」「ブースで自社を宣伝したい!」という自利にとらわれすぎることなく、コミュニティや技術の発展に貢献できるスポンサーのあり方を、来年以降も模索していきます!
イベントスポンサー(2本)
これは、2本とも今年発足した 「RailsTokyo」 へのスポンサーとなります。
毎月の開催で40回以上も継続していた「銀座Rails」を、リンクアンドモチベーションはずっとスポンサーさせていただいていました。
そのご縁から、後継イベントとなるRailsTokyoを、旗揚げからご支援しています。
モチベーションクラウド立ち上げから一貫してRailsで開発しているので、Ruby/Railsコミュニティに対して、もっと深く貢献できたらと考えています!
「登壇を楽にする」ための試み
登壇機会が増えていく中で、登壇者からこんな声が上がるようになりました。
「登壇はしたいし、機会があるのはありがたいが、準備するのがきつい」
「普段の仕事でまったく使わない筋力なので、スライド作成がマジで苦行」
そこで、「登壇のイネーブルメント」を目標に掲げ、「登壇を楽にする仕組み」の構築を進めてきました。
具体的には、「骨子設計テンプレート(Googleドキュメント)」と、「スライドテンプレート(Googleスライド)」を作成し、型に則って登壇準備を進められるようにしました。
骨子設計テンプレートの構成
- イベント概要(日時、場所、テーマ)
- 運営からの期待(運営がどんな場にしたいのか)
- 参加者からの期待(どんな話を聞きたいのか)
- 登壇のメッセージ(何を伝えて、何を持って帰ってもらうのか)
- 登壇の構成(導入・本編・クロージングの骨子)
スライドテンプレートの構成
- 表紙・中扉・本編のテンプレート
- 会社紹介・自己紹介の共通フォーマット
- 導入・アイスブレイクのパターン集(これつらいですよね!的なやつ)
- オブジェクトのパターン集(時系列の変化や、全体像の図示など)
- イラストのチートシート(いらすとやなどから使えそうなものを集約)
このフォーマットが好評で、 「登壇がめっちゃ楽になった!」「スライドが簡単に作れる!」 という声がエンジニアから届くようになりました。
登壇本数を劇的に増やす上で、登壇準備のコストを下げるのは非常に重要なイシューだったので、今年一番効果的だった取り組みかもしれません。
登壇本数が増えて良かったこと
登壇が文化になってきた
多い時では週に3~4人登壇していることもあり、開発組織の中で登壇というものが「日常的な活動」になってきたように感じています。
1年目や2年目で登壇しているメンバーも出てきているので、年次を問わず登壇への心理的なハードルが下がり、次々と登壇が生まれる土壌ができつつあるのが本当に頼もしく、マジでありがたいです。
地味で地道だけど、認知が拡大している
定量的な成果や劇的な変化は感じづらいですが、「最近のリンモチさん、よく登壇されてますよね」「こないだ別の場所でも登壇見ましたよ」というお声をいただくことが増えてきました。
これはめちゃくちゃ嬉しいことで、まだまだ道半ばですがもっと多くの方に知っていただけるように引き続き頑張っていきたい。
来年に向けた宿題
カンファレンスに登壇したい!
今年、スポンサーセッションとしての登壇はありましたが、CfPを通じてのカンファレンス登壇は一本もありませんでした。
来年こそは、公募枠からカンファレンスへの登壇を実現したく、CfP支援の仕組みやプロセスを技術広報チームとして強化したいと考えています。
発信者の偏りをなくしたい!
これは一定仕方ない部分もあるのですが、2025年を振り返ると登壇したメンバーや所属チームに一定の偏りがありました。
特定のチームからモデルケースをつくる、という意味ではとても良かったのですが、開発組織全体を盛り立てていく上ではのびしろであると捉えています。
リリースに向けて開発が佳境だったり、インシデント対応に当たっていたりと、「登壇したくても、物理的に叶わない」状態にあるメンバーがいることも確かなので、「登壇」という手段にとらわれず、インタビュー記事といったチャネルも活用しながら、より幅広い情報発信を実現していきたいと考えています。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
「登壇」をテーマに1年を振り返ってきましたが、少しでもお役に立てていたらとても嬉しいです!
「イケてる開発組織」という認知を広く深く浸透させるべく、来年も登壇支援を頑張っていきます!