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GitLab の private repository を ansible-galaxy collection install する

Last updated at Posted at 2021-12-16

こんにちは。
初めまして Ansible アドベントカレンダー :a: :sparkles:

TL;DR

  1. roles のあるリポジトリ(たとえば https://gitlab.com/hogehoge/hoge.git)、に galaxy.yml を作成する

    galaxy.yml
    namespace: "hello"
    name: "world"
    version: "1.0.0"
    readme: "README.md"
    <略>
    
  2. read_apiとread_repository権限のついた、gitlab Personal Access Tokenを作る

  3. ~/.netrc を作る

    .netrc
    machine gitlab.com
      login yourname@gitlab.com
      password yourpersonalaccesstoken
    
  4. playbook があるリポジトリで requirements.yml を書く

    requirements.yml
    ---
    collections:
    - name: https://gitlab.com/hogehoge/hoge.git
      type: git
      version: 1.0.0 # あるいは branch 名などでもOK
    
  5. ansible-galaxy collection install -r ./requirements.yml する

  6. playbook の中で collection の roles を参照する

    playbook.yaml
    ---
    - hosts:
        - some_host
      become: true
      collections:
        - hello.world
      roles:
        - japanese/konnichiwa_sekai
    
  7. ansible playbook ... すると実行できます :tada:

はじめに

我々のチームでは、ansible スクリプトをチーム内で細々と運用管理してきました。
これまでは、ansible で設定が必要な VM も少なく、公式ベストプラクティスで示される Playbooks のディレクトリ構成の1つのリポジトリに全て突っ込んでいて、特に不自由はありませんでした。

ところが、今年に入ってから ansible で設定(もしくはコンテナをデプロイするなど)したい VM 群が急増し、モノリポでの運用が難しくなってきました。これまでの VM とは用途が異なるものが追加され、inventories はきちんと分けたいけど、これまで作ってきた roles は共有したいというシチュエーションがありました。
また、 ansible-playbook --check によるいわゆるドライランや、場合によってはデプロイも CICD パイプラインから実施しており、VM 数が増えたことで、パイプラインのコントロールが難しくなったことも、リポジトリを分割したい要因でした。

やりたいこと

roles内もさまざまなカテゴリーのものが入り乱れていたため、下記の方針を立てました。

  • roles 側のリポジトリ
    • roles は再利用性を高め、専用のリポジトリに分ける
      • アプリ開発におけるライブラリ的な位置付け
    • コンテナを操作したりアプリケーションをデプロイするものと、マシンをセットアップする系はリポジトリを分ける
      • メンテナンス頻度や、メンテナそのものが異なる可能性も考慮して
  • playbook 側のリポジトリ
    • roles を参照する playbook は、マシンの用途に応じてリポジトリを分ける
    • playbook リポジトリからは、roles リポジトリを git tag で参照できると良い
    • もちろん、CICD パイプラインからも roles リポジトリを参照できないといけない

やったこと

お待たせしました。本題です。
我々は、開発にGitLabのプライベートリポジトリを使用しているので、GitLab上の Ansible Playbook リポジトリから、別プライベートリポジトリにある、roles を参照しなくてはなりません。
以前、「gitlab の private repository を go get する」という記事を書きましたが、やらなければいけないことはほとんど同じでした。

roles collection リポジトリ設定

まず、既存のモノリポから roles を引き離し、分類して、それぞれ collection として公式のドキュメントに従って、構成し直しました。

hoge.git/
├── docs/
├── galaxy.yml
├── README.md
├── roles/
│   ├── role1/
│   ├── role2/
│   └── .../
└── tests/

この時、 galaxy.yml にはここにあるパラメータを含めることができます。
例えば、下記のような collection だと、 インストール後に ansible-galaxy collection list を実行した際に、 hello.world 1.0.0 という表示になります。

namespace: "hello"
name: "world"
version: "1.0.0"
readme: "README.md"
<略>

collection 側の設定はこれで全てです。

playbook リポジトリ設定

この collection をローカル環境にインストールすることで、playbook 側で参照できるようになります。
プライベートリポジトリにある collection をローカルにインストールするには、認証を行う必要があるのですが、それは ~/.netrc ファイルを作成することで可能になります。GitLab リポジトリの場合、gitlab Personal Access Tokenを使用して、下記のようなファイルを作成します。

.netrc
machine gitlab.com
  login yourname@gitlab.com
  password yourpersonalaccesstoken

実際にインストールできるか確かめてみましょう。
例えば下記のコマンドの場合、git+ で明示的に git リポジトリからのインストールであることを指し、, 以降はブランチ名やタグ名が指定できます。他にもさまざまな形式がサポートされています。
この例の場合、https://gitlab.com/hogehoge/hoge.git という git リポジトリの dev ブランチをインストールしています。

ansible-galaxy collection install git+https://gitlab.com/hogehoge/hoge.git,dev

hello.world:1.0.0 was installed successfully というように出力されれば OK です。インストールした collection は ~/.ansible/collections/ansible_collections に配置されていました。

複数の roles collection をインストールする場合、コマンドを羅列する必要はありません。
playbook 側のリポジトリに、requirements.yml という yaml ファイルを作成し、下記のコマンドを実行することで、一括インストールすることができます。

ansible-galaxy collection install -r ./requirements.yml

このとき、 requirements.yml には下記のような内容を記述します。先ほどコマンドで指定した内容が記載されます。

requirements.yml
---
collections:
- name: https://gitlab.com/hogehoge/hoge.git
  type: git
  version: 1.0.0 # あるいは branch 名などでもOK

こちらも先ほどと同様に hello.world:1.0.0 was installed successfully というように出力されれば OK です。

最後に、playbook の中で、インストールした roles を使う宣言を書きます。
たとえば下記のように collections に先ほどインストールした collection 名を指定し、roles では、collection 側リポジトリの rols/ ディレクトリ配下のパスを記述します。

playbook.yaml
---
- hosts:
    - some_host
  become: true
  collections:
    - hello.world
  roles:
    - japanese/konnichiwa_sekai

これで、晴れて collections リポジトリの roles を参照して、playbook が実行できるようになりました :tada:

おまけ - CICD パイプラインでの collection インストール

GitLab CICDする際に、動的に collection をインストールするには、下記のように、.gitlab-ci.yml 内で、.netrc ファイルを作成します。
このときの認証情報には、${CI_JOB_TOKEN} という runner によって事前に定義された環境変数が使用できます。

.gitlab-ci.yml
ansible-play:
  stage: deploy
  image: your.registry/ansible:4.9.0
  script:
    - |
      cat <<EOL >> $HOME/.netrc
      machine gitlab.com
        login gitlab-ci-token
        password ${CI_JOB_TOKEN}
      EOL
    - ansible-galaxy collection install -r ./requirements.yml
    - ansible-playbook playbook.yml -i inventories/inventory.yml -u user -D

まとめ

これまで、いわゆる Go や Python などのアプリケーションでは、ライブラリの配布方法や、その形態などを考えることが多かったのですが、ansible でもいい感じに再利用可能な package 配布の仕組みを構築することができました :sparkles:
学び :relaxed:

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