Flutterのすごいところ
1つのコードベースで5プラットフォーム
これがFlutterの魅力です。
従来なら、iOS用、Android用、Windows用...と別々に開発が必要でした。
Flutterなら、1回書けば全部動きます。
開発者にとって、これは革命的です。
Webでも5プラットフォームで動作しますが、ネイティブアプリはサーバー等の運用コストを大幅に削減できます。
個人開発者にとっては、嬉しい話です。
AIはどのレベルまで開発できるか?
世の中では「AIはジュニアレベルのエンジニア」という評価をよく聞きます。
一方では、以下のような評価もよく聞きます。
どつらが本当でしょうか?
「世界時計」アプリを開発しながら、AIがどこまでできるか試しています。
初心者では難しい機能
ダークモード対応
ThemeDataとColorSchemeを適切に設定し、ライト/ダーク両方で色のコントラストを調整する必要があります。「とりあえず動く」と「両モードできれいに見える」の差は大きいです。
中級者レベルの機能
右側のカタカナインデックス
iOSの連絡先アプリのような機能です。標準Widgetでは実現できません。自分で実装するか、パッケージを使う必要があります。
リマインダー機能および複数タイムゾーン同時表示
1つの予定に対して、複数のタイムゾーンの時刻を同時に表示します。flutter_local_notificationsとの連携、タイムゾーン計算、データの永続化が必要です。
上級者レベルの機能(開発中)
タイムゾーンマップ
100MB超のGeoJSONデータを処理し、flutter_mapでポリゴンを描画します。ズームレベル別のレンダリング最適化、サマータイム境界での動的な色分け、隣接タイムゾーンとの色の衝突回避が必要です。普通のFlutter開発者でもあまり「やったことがない」領域だと思います。
結論
結果としては、Claudeは上級者レベルになっていると思います。
「ジュニアレベル」という評価は、もう古いと思います。
PM能力があれば、Flutterアプリは作れる
私は、Flutterのコードはほとんど書けません。
でも、PMの役割はできます。
- 何を作るか決める
- 出てきたものを評価する
- 修正を求める
これができれば、Claudeと一緒にアプリが作れます。
開発環境
| 用途 | ツール | コスト |
|---|---|---|
| 設計・判断 | Claude Pro(Opus 4.5) | 月額$20 |
| 実装 | Google Antigravity(Sonnet 4.5) | 無料 |
| フレームワーク | Flutter | 無料 |
Google Antigravityは、2025年11月に公開されたVS CodeベースのIDEです。Claude Sonnet 4.5が無料で使えます。
月額$20で始められます。
開発の流れ
とてもシンプルです。
1. やりたいことをClaudeに伝える
2. Claudeがコードを書く
3. 動かしてみる
4. 違ったら修正を頼む
5. 繰り返し
これだけです。
例:Widgetを作ってもらう
私: 「タイムゾーンのリストを表示するWidgetを作って。
各項目には都市名、現在時刻、UTCオフセットを表示。
タップしたら詳細画面に遷移。」
Claude: 「こういう形でどうですか?」
(コードが出てくる)
私: 「いいね。でも時刻の文字をもう少し大きくして」
Claude: 「修正しました」
(修正されたコードが出てくる)
この繰り返しで、アプリができていきます。
覚えなくていいこと
Flutterには、何百ものWidgetがあります。
StatelessWidget、StatefulWidget、ListView、GridView、Container、Column、Row...
全部覚える必要はありません。
「こういう表示がしたい」とClaudeに伝えれば、適切なWidgetを選んでコードを書いてくれます。
状態管理のフレームワーク(Provider、Riverpod、BLoC)も使っていません。
シンプルなStatefulWidgetで十分です。
5プラットフォーム対応のコツ
Flutterは「1つのコードで5プラットフォーム」ですが、少しだけ気をつけることがあります。
画面サイズの違い
スマホとデスクトップでは画面サイズが全然違います。
レスポンシブ対応が必要ですが、これもClaudeに頼めます。
私: 「このWidgetを、スマホでは縦並び、デスクトップでは横並びにして」
Claude: 「MediaQueryを使ってこうします」
プラットフォーム固有の機能
通知やファイルアクセスなど、プラットフォームごとに違う部分があります。
これも、Claudeが適切なパッケージを提案してくれます。
なぜFlutterはAIと相性がいいのか
Webよりもコードを書きやすい
Webフロントエンド(React、Vue等)は:
- コードと画面定義が分離しがち
- CSSが別ファイル
- 状態管理のパターンが多様
- 「正解」が複数ある
Flutterは:
- Widgetの入れ子構造がそのまま画面構造
- スタイルもコードの中に書く
- 1ファイルで完結しやすい
- AIが「コード」として扱いやすい
Riverpodなどのフレームワークはできるだけ使わない
Riverpod、Provider、BLoC...世の中で使われているから、AIも使おうとします。
でも、これらはAIにとってもコードを複雑にするだけです。
シンプルなStatefulWidgetで十分。
「状態管理フレームワークは使わないで」と指示すれば、AIはシンプルなコードを書いてくれます。
適切な指示が必要
AIは賢いですが、指示がなければ「よくあるやり方」を選びます。
AIは、統計的に多いやり方を選ぶように訓練されています。
運用を考えて、モダーンな構文よりも枯れたものを使いましょう。
- 「Riverpodは使わないで」
- 「シンプルなStatefulWidgetで」
- 「1ファイルで完結させて」
こういう指示を出せるかどうか。
これがPM能力です。
でも、最初からある人はいません。
開発を経験する中で、学習していったらいいと思います。
個人開発でFlutterを選択した理由
Reactは開発時の情報は豊富です。
でも、個人開発で一番の問題は「その後」です。
大量のライブラリに依存するWebアプリは、修正が難しくなります。
Flutterなら、AIを使えば修正も容易だと思います。
個人開発者にとって、これが一番大きな差かもしれません。
AIが活用できる時代になって、評価がかわったと思います。
開発コストについても、以下の図のように思うのですがどうでしょか?
実際に動かしてみませんか?
テスト公開中です。触ってみてください。
📱 iOS(TestFlight)
https://testflight.apple.com/join/t1dWPyGc
🤖 Android(クローズドテスト)
Google Playのクローズドテストでは、正式公開前に14日間で12人以上のテスターが必要です。個人開発者にとって、この「12人の壁」は意外と高いハードルです。
数分触っていただくだけでも構いません。ご協力いただける方は、ぜひテストにご参加ください。
① Googleグループに参加
https://groups.google.com/g/timej
② Play Storeからインストール
https://play.google.com/store/apps/details?id=net.timej.worldtime
🌐 サイト: https://timej.net
まとめ
Flutter + Claude で、5プラットフォーム対応アプリを作ろう
手織りの布や手作りの陶器には、職人の手仕事ならではの温かさがあります。
数式には、宇宙の真理を表す美しさがあります。
では、プログラムコードに温かさや美しさがあるでしょうか?
コードは、動けばいい。誰が書いたかは関係ありません。
だから、AIが書けてしまいます。
必要なのは、コードを書く能力ではありません。
- 何を作るか決める力
- 出てきたものを評価する力
- 修正を求める力
こういう能力はアプリを作りながら経験して覚えていくものです。
あなたも、作りたいアプリがあるなら、ぜひ試してみてください。
FlutterとClaudeが、きっと力になってくれます。

