はじめに
最近、IBM Instana Observability Onboarding Guideが発行されました。
当記事では、このガイドを見ながら、Instanaのオンボーディングについて共に理解を深めていき、最初の一歩をご案内したいと思います。
Onboaring Guideを見てみよう
このOnboarding Guideでは、IBMのSaaS系製品を幅広く扱っていますが、ここでは以下のInstanaのガイドを開きます。
https://ibm.github.io/japan-technology/onboarding-docs/instana/
まずは、「オンボーディングの全体像」を見てみるとわかりやすいですね。
https://ibm.github.io/japan-technology/onboarding-docs/instana/overview_of_the_onboarding_process/onboarding_process
ざっくりと、以下の7つのステップで進めていけばよいことがわかります。
- 管理者がInstanaに初回ログイン
- Agentを1サーバーにインストール
- Instanaユーザーを招待
- Agentを3台のサーバーに導入し可視化を確認
- アプリケーションパースペクティブを設定し、アプリケーションを可視化
- アラートを設定し、監視活動を開始
- 各機能の使い方、分析機能の理解
1については、最初に1回必要ですので、ここはOnboarding Guideの設定に従いましょう。
まずはAgentを1台のサーバーにインストールし、それが Instana から見えることを確認するところまでやってみましょう。ローカルでの作業がInstana SaaSの画面に表示されるようになれば、まずは最初の一歩が完了です。
Agent のインストール
今回は、RHEL9.4の環境を使い、ガイドの内容を試してみました。
Onboardingガイドの指示に従い、Instana SaaSにログインし、メニュー (一番左のサイドバー) から「Data source」をクリックし、「Agentのインストール」リンクをクリックします。
今回はワンライナーを使って、インストールを実施してみました。
私の環境ではフォワードProxyを通らずにインターネット接続が出来るため、Instanaの画面からコピーしたコマンドを入力するだけで、問題なく完了しましたが、通常は事前にネットワークの接続確認はしておいたほうが安心です。Proxyなどの状況によっては、ワンライナー以外で設定したほうがよいかもしれませんし、導入後も Proxy 設定が必要になります。
以下は Onboarding ガイドからの引用ですが、実際にはInstanaの画面からコピーするので不要です。
curl -o setup_agent.sh https://setup.instana.io/agent && chmod 700 ./setup_agent.sh && sudo ./setup_agent.sh -a <replace your agent key> -d <replace your download key> -t dynamic -e <replace your saas region api url>:443 -s
これで、Agent の導入が出来ました。プロセスの起動を確認してみましょう。
ps -ef | grep instana
エージェントの導入が完了すると、Instanaの画面から確認が出来るようになります。こちらもOnboardingガイドの記載通り、「データ・ソース」のページや「インフラストラクチャー」での画面で確認することが出来ました。例えば、対象のサーバーの hostname がわかると、検索で見つけやすいと思います。
Agent を設定したら
ここまでくれば、Instanaオンボーディングの第一歩は完了です。
次は、1台だけでなく、Instanaでの可視化対象としたい他のサーバーにもエージェントを導入していきます。特に、アプリケーション単位で一括して進めていくと、よいですね。
ガイドに従って、アプリケーションの登録や、アラートの設定などを進めてみて下さい。
Instanaの利用は実に奥が深く、このように可視化して、アラート設定するだけでも価値はありますが、さらに成熟度を高めることが出来ます。
今回のOnboarding Guideでは、まず最低限のレベルを目指していますが、その先にあるジャーニーなどについても、検討が進んでいます。まずは、こちらのページで、全体を俯瞰しつつ、始めやすいところから手をつけてみて下さい。
おわりに
実は私はInstanaのエージェントを導入して、自分のサーバーを可視化させるのは初めてやりましたが、このガイドに従ったところ、シンプルな環境であることもありますが 30分くらいで実施することが出来ました。
最近は、生成AIなどと対話しながら実行することで、エラーなどが出ても、随分問題解決がやりやすくなり、導入における技術的なハードルは下がってきたかと思います。
Instanaの Onboarding Guide は、今後もバージョンにあわせ、そしてフィードバックにあわせて更新していく予定です。よかったら、是非お使い下さい。導入だけではなく、基本機能の理解やトラブルシューティングなども参考にして頂ければと思います。