Lookerのユーザー会#2に参加してきました。発表内容のメモです。
2019/9/10追記:当日発表された登壇資料が公開された為、**イベント概要のところに資料リンク追加**しています。
イベントURL
会場でもらえたもの
Lookerオリジナルサーモマグ

イベント概要
No | 内容 | 発表者 | 発表タイトル | 資料リンク |
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1 | Looker Session | Tomoya Mizuno (ルッカー) | Looker Updates (Looker Japan の近況紹介, Looker 注目機能アップデート情報, JOIN 最新情報, US での Looker 普及事例など) | |
2 | UserTalk1 | 高橋 孝太郎 (ピクシブ株式会社) | 3ヶ月で50%の社員が利用するツールに - ピクシブでLookerが広まった理由・工夫紹介 | 資料 |
3 | UserTalk2 | Kazunari Komoriya (株式会社JMDC) | 医療データをLookerでクライアントへ提供、BIツールの選定〜展開まで | 資料 |
4 | UserTalk3 | Ryo Hasegawa (株式会社 メルカリ) | メルカリにおけるDashboard Replacementの事例 ~ Looker統治の成功までに伝えたこと、決めたこと、やったこと ~ | 資料 |
Looker Updates
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Looker社概況
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Looker社、前年比で顧客数は7倍、Looker利用DAUは4倍と順調に成長中
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FACEBOOKページの日本コミュニティ人数も昨年立ち上げてから、現在300名程に(https://www.facebook.com/groups/721814241538725/)
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ライブチャットのチケット数も増えてきている。
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2019年4月以降のリリース機能
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Looker Blocks:KARTE社が活用(https://cxclip.karte.io/product/looker-blocks/)
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Table-Next(BETA):subtotal, transpose等の変換簡単に出来る(https://docs.looker.com/ja/exploring-data/visualizing-query-results/table-next-options)
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Boards(BETA):フォルダにダッシュボード格納、リックをボードにピン留め、URLや詳細情報を掲載可能に
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今後のリリース予定機能
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Fit and Finish:新しいカラーパターン、洗練されたコントロールとカスタマイズ
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More Filter Options:データタイプとカーディナリティに適したセレクター
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Cross-filtering:完全インタラクティブですべての人が直感的にデータを理解可能に
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SQL Runner Viz:SQLから直接チャートを作成、ダッシュボードへの追加
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SQL to LookML Conversion:SQLをLookMLに自動変換、モデル構築高速化を実現
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Aggregate Awareness:LookMLでロールアップしたテーブルを作成・実体化
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Looker JOIN2019最新情報
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Looker主催の最大イベント:2019/11/5~7 サンフランシスコ(https://looker.com/events/join-2019
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予定コンテンツ:ブレイクアウトセッション(48) / ハンズオンラボ(36) / スピーカー数(100+)
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2019/11/7に日本顧客限定のブリーフィングセッション実施
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2019/12月にYear-End-PartyのコンテンツとしてJOINのRecapセッションを実施予定
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Customer Story
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Co-Working Space事業を展開する米国企業でのLooker普及事例
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3年で1万人の社員が増加→一つのチャンネルに900人が所属したが、データチームは2名しかいなかった。
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データチームの拡大には限界がある(スキルのある人材の母数が少ない)
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↓ データ文化普及のためのアンバサダープログラムで対処
3ヶ月で50%の社員が利用するツールに - ピクシブでLookerが広まった理由・工夫紹介
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データ駆動推進室(2018/12に発足)
- 社内のデータ民主化を目標に、データ基盤整備やツール導入、目標数値設定の相談などを行っている部署
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ピクシブのLooker導入について
- 2019/4からLookerの社内導入を開始した。まだ4か月ほど
- 8月時点でLookerを約100名が利用するツールになった
- 現在125名、90%のチームで利用
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新規ツール導入の失敗例
- 導入コスト、利用が難しい、仕事上での利用イメージわかない、積極的に導入協力するメンバーがいない
→ 結果、導入されても使われないツールに。
- 導入コスト、利用が難しい、仕事上での利用イメージわかない、積極的に導入協力するメンバーがいない
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対策
- 社内で主に使うデータを予めつないでおく:簡単に他サービスとデータ連携して取得可能にしておいた
- 開発側のドキュメント整備:プロジェクト作成、Lookerへのデータつなぎこみ方、モデル構築リファレンスを事前に整備
- 利用者側のドキュメント整備:Explore画面、Dimension/Measure、PIVOT/FILTERなどの基本操作のチュートリアルの用意
- 利用者側のドキュメント整備(2):問題集を作成。グラフの作り方、仮設を立てて検証する一連の流れを体験可能に
- LookerBot導入:朝会のタイミングでチームのダッシュボードをslackに投げる設定をサポート
- 新卒向けlooker勉強会:勉強会の目標は自分たちの力で自チームのダッシュボードを作れるようになる。というもので、上記ドキュメントを利用してlooker操作を覚えてもらった為、新卒メンバー同士がハブとなり部署横断的にlooker導入が進み、勉強会なども独自に実施されるようになった
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まとめ
- Looker利用のハードルを徹底的に下げた
- 新卒メンバーに普及し、部署横断で広げるハブとして動いてもらった
医療データをLookerでクライアントへ提供、BIツールの選定〜展開まで
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医療業界のデータとは
- JMDCでは主にレセプトデータを取り扱っている
- 毎年数千億単位で医療費が増えており、データも増加。
- 個人情報は完全匿名化されており、分析担当でも誰が誰なのか?が一切わからない状態にデータがマスクされている
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抱えていた問題
- 医療システムは国が定めたガイドラインに従う形でのみ構築可能
- データ納品はCSVをHDDへ書き出し、納品する方式→クライアントのインフラ整備等の負担が大きかった
- 最近やっと国のガイドラインがクラウド利用可能になってきた
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BIツールの選定基準
- ターゲットユーザー、ライセンス、機能性等を考慮して検討
- とある日に上長からLooker提案→小澤さん、ナロンさん来社→あっという間にLooker導入決定!
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Lookerって何?をクライアントへ伝える
- 既存クライアントへトライアル版として提供
- 生保業界の方向けにイベント開催(小澤さん登壇、デモ用PCでLooker触れてもらう)
- トライアル向けダッシュボードとチュートリアルを提供しExploreへ展開する概念伝える
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UIについて
- 傷病×薬剤×診療行為×もろもろのFilterが辛い。演算子も
- Filterやナビゲーション系を第三者提供に向けて改善必要
- Private Embedを選択した場合の認証について
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Tips1:Fileが増えてきて管理しづらくなってきた
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Tips2:同じDashboardでConnectionを切り替えたい
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Tips3:自社ロゴ置きたい!
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まとめ
- 医療業界の人にLookerを見せると割と反応がよい(Googleの買収も影響)
- LookMLのベストプラクティスは探り探り
- クライアントへの展開を進めながら、社内へも普及中
- Embeded Dashboardを検討
- データ好きな人絶賛募集中!
メルカリにおけるDashboard Replacementの事例 ~ Looker統治の成功までに伝えたこと、決めたこと、やったこと ~
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メルカリについて
- 月間利用数、四半期流通額ともに急成長継続:MAU 1,236万人 / GMV 1,388億円
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Looker移行の始まり
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Lookerは作り手にとって優しいツールだが・・・?
- データを見ている側はBIが移行される事で、今まで見ていたものが見れなくなることは大事件
- データの価値は意思決定なので、それを阻害しない為に、元のBIにあるものはすべてLookerにも移行する
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Lookerへの移行計画のポイント
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細かい要望は移行完了後に
- 実際に動いているものを見ると触りたくなる
- 何でも質問できるSlackチャンネル作成
- Slack BotでExplore権限取得できるように
- wikiにベストプラクティスを集約
- トレーニング実施
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Lookerを使う領域が増えた
- プロダクト分析
- 会計分析
- テストパフォーマンス可視化
- 運用モニタリング
- 開発効率分析
- HR分析
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活用が広がった分、生まれた課題もある
- Looker利用状況のモニタリング
- 適切なユーザーグループと権限管理
- LookML開発スキルの底上げ
全体を通しての所感
・データ・ドリブンな企業を目指す場合、マニュアル制作管理や導入研修などを行う推進室的な試みかなり良さそう。(ピクシブさん)
・医療業界はフィルタ項目が多様である為か、SQL強い人がそもそも多そうな印象。LookMLなどにも順応してる感ある(JMDCさん)
・BIツールの役割がプロダクトや運営だけでなく、HRや会計などバックオフィス業務にも浸透してきそう(メルカリさん)
・上記の通り、Lookerの利用企業数日本国内でも徐々に増えてきている。可視化機能面はTableauの方がまだ数段優れていると思いますが、その辺は年月経てば徐々に追いついていくと思われる為、それ以外の面**(LookMLのGit管理、各種ツールとのカスタム性)**のメリットが管理面で有利な為、徐々にデータを利用する企業が伸びていくと考えると、Lookerのシェアは伸びていきそう。と個人的に感じられました。
おまけ:懇親会の料理
結構おしゃれな感じの料理をいただきました。コロッケと抹茶のケーキが美味しかったです。