#承認プロセスで複数承認者を設定
　Salesforceの承認プロセスについてです。
　承認者には、特定のユーザ、キュー、特定の項目に設定されている値のユーザなどが設定可能ですが、
　誰が承認したらステップを進めるか？という点について下記の２つの設定方法が挙げられます。

　①承認者に設定されたいずれか１名のユーザが承認をした場合
　②承認者に設定された全てのユーザが承認をした場合

　今回は②のパターンについて筆者が遭遇した問題について記載します。

#複数の承認者が全員承認する必要がある場合の問題点
　複数承認者を指定している承認プロセスでは、承認申請が行われたタイミングで、
　承認履歴の関連リストに下記のような表示のされ方をします。
　①
　ステップ名　｜　日付　　　　　　　　　｜　状況　｜　割り当て先　　｜　承認者　｜　コメント
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜未承認｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ａさん　｜
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜未承認｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ｂさん　｜

　この状態からAさんのみ承認を行った場合、下記のようになります。
　②
　ステップ名　｜　日付　　　　　　　　　｜　状況　｜　割り当て先　　｜　承認者　｜　コメント
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜承認済｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ａさん　｜　承認します。
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜未承認｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ｂさん　｜

　Bさんまで承認が完了すれば、下記のような形で、次のステップに進む仕様です。
　③
　ステップ名　｜　日付　　　　　　　　　｜　状況　｜　割り当て先　　｜　承認者　｜　コメント
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜未承認｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ⅽさん　｜
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜承認済｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ａさん　｜　承認します。
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜承認済｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ｂさん　｜承認します。

　今回直面した問題はこの後にあります。
　この状態でCさんが却下した場合には、下記の通り、Aさん、Bさん２名の承認待ちになるところまでは想定通りの動作です。
　④
　ステップ名　｜　日付　　　　　　　　　｜　状況　｜　割り当て先　　｜　承認者　｜　コメント
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜未承認｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ａさん　｜
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜未承認｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ｂさん　｜

　この状態からAさん、Bさんいずれか１名の承認を行った段階で下記のとおり次のステップが進んでしまう現象が発生しました。
　本来は却下後も２名の承認が完了するまでは次の承認ステップに進まないのがあるべき姿です。
　⑤
　ステップ名　｜　日付　　　　　　　　　｜　状況　｜　割り当て先　　｜　承認者　｜　コメント
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜未承認｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ⅽさん　｜
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜承認済｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ａさん　｜　承認します。
　〇〇申請　　｜　２０２０／１１／２０｜無回答｜　XXXXXXXXXXX　｜　Ｂさん　｜　

#検証
　この状態になってから下記のことを試しました。
　Salesforceへの問合せを行い、下記の方法を試した結果です。

　・別のレコードで再実施してみる。
　　⇒　再現

　・承認者に別のキューを割り当ててみる
　　⇒　再現

　・別環境を用意して、同じ承認プロセスを再度作成
　　⇒　再現せず

　・承認プロセス自体をコピーして作り直す
　　⇒　再現せず

#結論
　Salesforce側でも当現象の根本的な原因はつかめず、プロセスの作り直しによる解決をとることしかできませんでした。
　ただ同じような事例は過去にもあったようで、環境をSFサポートに開放して調べて頂いた調査結果として
　「現状対象の承認プロセス特有の事象であるかとお見受けしております。」との回答を頂きました。
　私個人の意見ではありますが、特定条件下でのみ発生するバグの一種ではを推測しています。

　もし同じような事象を目にすることがあれば、作り直しによる解決も可能ではありますが、
　是非SFサポートとの連携で根本的な原因を確認して頂ければと思います。
　　　　