このシリーズについて
AI と一緒にキャリア資産を育てていく過程を記録しています。この記事は第3回です。
はじめに
前回は、AI との壁打ちで出てきた成果を GitHub のプライベートリポジトリへ移した話を書きました。
その最後に「次回は AI が経歴を書き間違えた話を書きます」と予告したのですが、順番を変えました。前回の記事で Claude Code が一度だけ出てきたのに、それが何なのかを説明していなかったからです。ファイルに出したあと、それをどう使っているのか。先にこちらを書きます。
想定している読者
- ChatGPT と Claude Code を両方使っているが、なんとなくで使い分けている人
- AI をどれか1つに決めたほうがいいのか迷っている人
この記事で扱わないこと
- モデルの性能比較やベンチマーク
- どちらが優れているかという話
当時のやりとりの載せ方
- 引用: そのまま載せたもの
- 要約: 要点だけ書き直したもの
- 編集: 公開にあたり表現を変えたもの
前回、説明しなかったこと
前回の記事で、.gitignore の話をするときにこう書きました。
引用(第2回の記事より)
Claude Code に相談したところ、管理下に置かないものを先に決めるよう勧められました。
ここで初めて Claude Code が出てきたのですが、説明を入れていませんでした。
Claude Code は、ターミナルで動く AI です。先に別の用途で使っていて、個人のリポジトリで使い始めたのはそのあとです。ChatGPT との一番の違いは、リポジトリのファイルを直接読んで、直接書き換えられることです。
違いは「ファイルを持つかどうか」
使い分けは、この一点で決まりました。
| ChatGPT | Claude Code | |
|---|---|---|
| ファイル | 持たない | リポジトリを直接読み書きする |
| 文脈の渡し方 | 毎回渡す必要がある | ファイルを読ませればよい |
| 向くこと | 発散、思いつきの整理、客観視 | 事実の整合、一括修正、体裁の統一 |
| 使う場所 | 移動中、スマホ | 机の前 |
明文化したルールがあるわけではありません。移動中はスマホしかないので ChatGPT、机に向かえばリポジトリがあるので Claude Code、という具合に、置かれている状況で自然に分かれました。
ここで一つ、最初は欠点だと思っていたことがあります。ChatGPT がファイルを持たないことです。
毎回こちらの前提を渡さないといけないのは面倒です。ただ、使っているうちに、前提を知らない相手だからこそ出てくる質問があると気づきました。ファイルを読んでいる相手は、こちらの前提をすでに飲み込んでいます。整合は取ってくれますが、前提そのものを疑う質問は出にくくなります。
向いていないと感じたこと
使い分けが固まったのは、うまくいったからではなく、噛み合わないことに気づいたからでした。
以下は2026年8月までに私が使っていて感じたことです。ツールの比較ではなく、自分の使い方が合っていなかった記録として書いています。モデルもツールも更新されるので、いま同じことが起きるとは限りません。
ChatGPT は、未来の話になると一般論へ寄っていく
やりとりが長くなってくると、質問が一般的な感覚へ誘導しているように感じる場面が増えました。誘導尋問を受けているような感覚です。
面白いのは、過去を振り返っているときには感じなかったことです。昔やったことや当時の判断を掘っているときは、こちらの記憶に沿って質問が来ます。一方で、これからどうしたいかという未来の話になると、「一般的にはこう考える人が多いですが」という方向へ寄っていきます。
材料がないと、そうなるのは当然かもしれません。過去には記録がありますが、未来にはまだ何もありません。持っている材料が世の中の平均だけなら、平均へ寄せた質問が出てきます。
なので、未来の話をするときは、出てきた質問をそのまま受け取らないようにしました。「その質問は自分に向いているか」を一度考えてから答えます。
Claude Code は、文章をゼロから考えるのが苦手
分析や整理、一括修正は速くて正確です。しかし、文章を新しく作らせると違和感のあるものが出てきます。
この連載のタイトル決めがそうでした。候補を出させて、選んで、また出させて、を何度も往復しました。それでも決まらず、最終的には ChatGPT に相談して決めています。この記事のタイトルもそうです。
たぶん、リポジトリの中身を読んでいるぶん、書いてあることの範囲で組み合わせようとするのだと思います。既存の内容と整合したものは出てきますが、そこから跳ねません。
実際の1往復
具体的にどう行き来しているかを1つ書きます。
価値観の棚卸しをしていたときの流れです。移動中に ChatGPT でファイルを渡し、「隙間時間に埋めていくスレッド」として始めました。何往復かして、話がある程度たまったところで、ChatGPT にこう頼みます。
「ここまでの内容を、Claude にそのまま渡せる形にまとめて」
引用(渡す先は Claude Code です)
すると、引き継ぎ用のまとめが出てきます。面白かったのは、そのまとめに受け手向けのルールが付いていたことです。
要約
- 私が使った言葉をできるだけそのまま使う
- きれいな表現へ勝手に置き換えない
- 明言したこと / 読み取れる傾向 / AI が立てた仮説 を分ける
- 仮説を確定事項として扱わない
- 一度に質問は1つ
これを Claude Code に渡すと、ファイルへ保存し、既存の記述との差分を整理して、ChatGPT へ返すフィードバックまで出してきます。それをまた ChatGPT に貼る、という往復になります。
渡す側が、受け手のためのルールを書いて添える。この形にしてから、往復のたびに前提を説明し直す手間がなくなりました。
ファイルを触らせる相手には、ルールが要る
Claude Code はファイルを書き換えられます。つまり、間違えたときの影響がチャットより大きい。消される可能性もあります。
そこで、作業のルールをリポジトリに置いて、毎回読ませています。実際に書いてあるものから抜き出します。
引用
- 文面の変更は、相談して承認を得てから実施する。勝手に決めて書き換えない
- 選択肢が複数あるときは、候補を並べて選んでもらう
- ファイルの削除・移動・リネームは、移行先に同じ内容が存在することを検証してから行う
一つ目が特に効きました。これがないと、頼んでいない範囲まで直されます。読みやすくなっている場合もあるのですが、自分の言葉ではなくなります。
ChatGPT のほうには、こうしたルールを置いていません。書き換えられるものがないので、必要がないためです。同じ AI でも、できることが違えば、必要な約束も変わります。
この記事のまとめ
- AI は1つに絞らなくてよい。考えを広げる相手と、成果を管理する相手を分ける
- 分かれ目は「ファイルを持つかどうか」。持たない相手には毎回文脈を渡す手間があるが、前提を疑う質問が出る
- ファイルを触らせる相手には、作業のルールを渡しておく。書き換えられるということは、消せるということでもある
次回は、その ChatGPT で実際に何を掘っていたのか、価値観の棚卸しについて書きます。過去の自分の発信を材料にすると、思っていたより一貫したものが出てきました。
参考
次回(第4回)
前回(第2回)