このシリーズについて
AI と一緒にキャリア資産を育てていく過程を記録しています。この記事は第1回です。
はじめに
Qiita に記事を書くのは2023年10月以来で、およそ3年ぶりになります。間が空いてしまいましたが、続かない期間があること自体、このシリーズで書きたいことの一つでもあります。
このシリーズでは、ChatGPT と Claude Code を使って自分のキャリア資産を整理していく過程を、そのまま記録していきます。うまくいったことも、うまくいかなかったことも書きます。教えるためではなく、記録するために書いています。
第1回は、そもそもの始まりの話です。2026年1月に ChatGPT へ投げた1つの質問と、その日にやった1つの操作について書きます。
想定している読者
- 仕事では ChatGPT や Claude を使っているが、自分のキャリアにはまだ使っていない人
- AI に自分のことを相談してみたいが、最初に何を聞けばいいのか分からない人
この記事で扱わないこと
- モデルの比較、MCP、Agent、RAG といった AI そのものの深掘り
- ChatGPT の基本的な使い方
当時のやりとりの載せ方
- 引用: そのまま載せたもの
- 要約: 要点だけ書き直したもの
- 編集: 公開にあたり表現を変えたもの
ChatGPT で何ができるのか、分かっていなかった
ChatGPT で何ができるのか、正直よく分かっていませんでした。
やりたいことだけは、ぼんやりありました。自己分析をしたい。マインドマップを作ってみたい。スキルの棚卸しをしたい。ただ、それを ChatGPT でどうやるのかは分かりませんでした。
そもそも、自分の情報を AI に覚えさせるようなことができるのかも知りませんでした。できるとしたら、どうやって渡せばいいのか。何をどこまで渡していいのか。分からないことのほうが多い状態でした。
なので、ChatGPT 本人に聞くことにしました。
正直に言うと、このとき「キャリア管理の仕組みを作ろう」などとは全く考えていませんでした。マインドマップが作れたら面白そうだな、くらいの感覚でした。
最初に投げた質問
最初に送ったのが、この一文です。
編集(2026年1月)
ChatGPTを個人利用で自分の情報をどんどん学習してメンターにする方法を教えてください。
用途は自己分析やマインドマップ作成、スキルの棚卸しなど活用したいと考えています。
工夫は何もありません。役割を定義したわけでも、プロンプトを設計したわけでもありません。やりたいことをそのまま書いて送っただけです。
半年後に読み返すと、この質問には一つだけ勘違いが入っています。「自分の情報をどんどん学習して」という部分です。ChatGPT はそういう動きをしません。そして返ってきた回答は、まさにその勘違いを最初に訂正するところから始まっていました。
返ってきた提案
回答は長かったので、要点だけ要約します。
要約(2026年1月)
- ChatGPT は勝手に永続学習しない。だから、どう渡し、どう再利用するかが重要になる
- まず自分のベース情報を作る。プロフィール、価値観、強みと弱み、悩み、やりたいこと
- ChatGPT に「メンターである」と役割を定義する
- 情報はまとめて投げるのではなく、観点を指定して構造で渡す
- できあがった成果物は資産化する
そのうえで、自分説明書のテンプレート、そこに含めない内容の一覧、ファイルを分けるためのフォルダ構成、最初にやることの手順まで、同じ日のうちに出てきました。初日で設計が一通り揃っていたことになります。
なお、この回答には次の注意書きも入っていました。ここが後で効いてきます。
引用(2026年1月)
❌ 1チャットで全部やろうとしない
⭕ テーマ別にチャットを分ける
自己分析用
キャリア用
壁打ち用
その日に、チャットをピン留めした
回答を読んだあと、そのチャットをピン留めしました。同じ日です。
理由は単純でした。チャットはすぐ埋もれてしまうので、ピン留めしておけば継続性を持たせられると知って、試してみたくなっただけです。
このとき、何かを設計したわけではありません。「この1本を自分のキャリア専用チャットにしよう」という強い意志もありませんでした。埋もれないようにしただけです。
ただ結果として、これがこの半年で一番効いた操作になりました。
そして気づいている方もいると思いますが、この選択は ChatGPT の助言と逆です。「1チャットで全部やろうとしない」「テーマ別に分ける」と書かれていたのに、実際には自己分析もスキルの棚卸しも、その1本の中で続けることになりました。
なぜそれで良かったのかは、次の話とつながります。
でも、続かなかった
ここは正直に書きます。毎日 AI と壁打ちしていたわけではありません。
実際の間隔はこうでした。
- 2026年1月26日に始めて、次に触ったのは3月16日。約2ヶ月の空白
- そこから4月23日まで、約1ヶ月の空白
- そこから7月16日まで、約3ヶ月の空白
半年のうち、実際に動いていたのは数えるほどです。「AI をメンターにして毎日壁打ちしています」という話ではまったくありません。
思い出したときに戻る。しばらく放置する。また戻る。その繰り返しでした。
それでも再開できた
ここが、振り返って一番大きかった点です。
3ヶ月ぶりに戻っても、前提の説明が要りませんでした。自分の職種も、経歴も、何を考えているかも、そのチャットの中にすでにあります。前に何を話したかを引用しながら、続きから相談できます。
もし用途ごとにチャットを分けていたら、こうはなっていなかったと思います。3ヶ月空いたあとに新しいチャットを立てて、また自分の説明から始める。おそらく、そこで面倒になってやめていました。
これは今だから言えることで、当時そこまで考えていたわけではありません。埋もれないようにピン留めしただけです。ただ、続かない期間があることを前提にすると、1本に残しておく意味はかなり大きいと感じています。
そして、特別なプロンプト技術は使っていません。返ってきた提案に対して会話を続けるだけで、メンターとしては十分に機能していました。
自分の情報を渡す前に確認したこと
初日のやりとりでは、使い方だけでなく、情報の扱いについても聞いていました。自己分析やキャリアの棚卸しをするなら、それなりに個人的な情報を渡すことになるからです。
聞いたのは3つです。
- メモリ機能では何が保存されるのか
- 無料プランと有料プランで何が変わるのか
- 会社が契約しているアカウントと、個人で契約するアカウントでは扱いがどう違うのか
要約すると、返ってきたのはこういう内容でした。
- ChatGPT が勝手に永続学習するわけではない。残るのは、メモリ機能に入れた内容と会話履歴
- ID、パスワード、機密情報はメモリに入れないほうが安全
- 会社契約のアカウントでは、管理者が会話の中身を読む機能はない。ただし利用状況(誰がどれくらい使っているか)は見える。そもそも業務利用を前提とした契約なので、個人の内省やキャリアの相談は個人のアカウントに寄せるほうが筋が通る
これから自分のことを AI に渡そうという人は、最初にこのあたりを確認しておくとよいと思います。特に次の3つです。
- 業務で使うアカウントと、自分のことに使うアカウントを分ける
- 入力内容を学習に使わせない設定になっているかを確認する
- 無料で試すなら、学習されても困らない内容から始める
先に確認しておくと、あとで「これは渡してよい情報か」で迷わなくなります。逆に決めずに始めると、渡す範囲がなし崩しになります。
ここに書いたのは、2026年1月に ChatGPT が答えた内容です。プランや設定の仕様は変わりますし、会社が契約しているアカウントの扱いは契約形態や社内規程によっても異なります。実際に判断するときは、公式のドキュメントと自社の規程を必ず確認してください。
半年後に気づいたこと
2026年7月末、ここまでに作ったファイルを整理していて気づいたことがあります。
初日の回答に書かれていたフォルダ構成が、これです。
引用(2026年1月)
/chatgpt-mentor/
├─ 00_self_profile.md
├─ 10_values_and_thinking.md
├─ 20_career_history.md
├─ 30_strengths_skills.md
├─ 40_current_topics.md
├─ 90_logs.md
半年後の自分のリポジトリは、ほぼこの並びのままでした。番号も、ファイルの役割も、「半年後も有効なものは 00 に入れる。1ヶ月で変わるものは別ファイルにする」という判断基準も、そのまま残っています。
その後に増えたものも、多くは同じチャットから出てきました。キャリアの方向性、行動計画、人と話して気づいたことの記録。どれも、必要になったタイミングで提案されたものです。
初日は何も分かっていませんでした。分かっていなかったので、言われたとおりに始めました。それを半年かけて実際に埋めていっただけ、とも言えます。
ただし、全部が AI の提案だったわけではありません。ここは正確に書いておきます。
引用(2026年7月)
原本をマークダウンにしてPDF出力する方がよくない?
Markdown を原本にして、そこから PDF を作るという運用は、自分から言い出したものです。ChatGPT は賛成した側でした。
決めているのは自分で、AI は選択肢を出す側です。逆に見えることもありますが、半年分のログを読み返すと、この関係はずっと変わっていませんでした。
どこまで進んだのか、分からなくなった
順調な話ばかりではありません。
1ヶ月空けたあと、こう書いています。
引用(2026年4月)
今どのステップまで進んだのか時間経過で忘れてしまった。改めてステップと現在位置を確認したい。
チャットは残っています。過去のやりとりも全部あります。それでも、自分がどこまでやったのかは分からなくなっていました。
チャットは会話の記録であって、進捗の一覧ではありません。何をやったかは残っていても、何が終わっていて何が残っているかは、スクロールしないと分かりません。そして、そのスクロールが面倒になる程度には長くなっていました。
この相談の流れで勧められたのが、GitHub で Markdown を管理することでした。そして同じ日に、プライベートリポジトリを作りました。
次回は、そのリポジトリの話を書きます。
この記事のまとめ
- AI をメンターにするのに、特別なプロンプトは要りませんでした。何ができるのかを AI 本人に聞くところから始めて問題ありませんでした
- チャットを1本決めて残しておくと、間が空いても再開できます。毎日続けられなくても構いません
- 決めるのは自分です。AI は選択肢を出す側だと分けて考えると、あとで振り返ったときに何が自分の判断だったかが分かります
次回は、チャットだけでは足りなくなって GitHub へ移った話を書きます。
次回(第2回)