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*【ポエム】 Claude トークン消費を制御する — 「長く使う」ためのコツ

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Last updated at Posted at 2026-08-31

トークン消費を制御する — 「長く使う」ためのコツ

本記事は三人称のメモ書き調で構成されている。業務でLLMを長時間回した際の観測と、公開されている料金体系の一般論をもとにまとめたもの。個別の単価は変動するため、実数は必ず公式の料金ページで確認すること。

前提:トークンとは何を数えているのか

まずここで躓く人を何人も見ている。トークンは「文字数」ではない。単語や部分文字列を単位とした分割の結果である。

英語: "tokenization"  -> ["token", "ization"]  = 2 tokens
日本語: "トークン化する" -> ["ト", "ーク", "ン", "化", "する"] = 5 tokens 程度

日本語は英語よりトークン効率が悪い。おおむね同じ意味内容で1.5〜2倍前後を見込むのが安全だと考えている。

余談
コード(特にJSONやYAML)は記号がトークンを食う。インデントの空白も例外ではない。整形済みJSONをそのまま貼るのと、ミニファイして貼るのとで2割近く差が出ることがある。

参考:作業別のトークン消費量(相対値)

実測感覚をもとに、最も重い作業を100とした相対値で並べたもの。絶対値ではなく桁感を掴むための表として見てほしい。

作業内容 相対トークン量 備考
大規模コードベース全体のリファクタ 100 数十ファイル読込+書換。入力が支配的
長文PDF(100p超)の要約・分析 85 入力トークンが巨大。出力は小さい
議事録・文字起こしの構造化 60 入力多め。反復すると膨らむ
長編記事・技術ドキュメント執筆 45 出力単価は入力の4〜5倍なので侮れない
多段の調査+Web検索を伴う質問 40 検索結果が全部入力に乗る
中規模スクリプトの新規作成 25 出力中心
バグ修正(該当箇所のみ提示) 12 範囲を絞ると激減する
翻訳(数百語) 8 入出力ほぼ同量
表・リストの整形 4 ほぼ固定コスト
単発の事実質問 1 基準値

備考
上位を占めるのはいずれも「入力が巨大な作業」であり、出力量ではない。前章で述べた通り出力単価は入力の数倍高いが、実運用で効いてくるのは入力側の物量である。単価の高さと総額の大きさは一致しない。

余談
最下段の「単発の事実質問」を1とすると、リファクタは概ね100倍。ただし同じリファクタでも、スレッドを分けて範囲を絞れば20〜30まで落ちる。作業の種類より運用の仕方で決まる幅の方が大きい。

消費の内訳:入力と出力は別勘定

多くの人が誤解しているのがここだ。課金は「入力トークン」と「出力トークン」で単価が別であり、出力の方が数倍高いのが通例である。

項目 相対単価の目安 メモ
入力トークン 1 大量に積める。ただし積むほど毎ターン再計上される
出力トークン 4〜5 「長く書かせる」が一番効く場所
キャッシュ読込 0.1 前後 同じ前置きを繰り返すなら劇的に効く
キャッシュ書込 1.25 前後 初回だけ割高。使い回して初めて元が取れる

最大の落とし穴:会話履歴は毎回まるごと再送される

これが最も見落とされる。チャット形式のインターフェースでは、20ターン目の1行の質問であっても、それまでの全履歴が入力として再計上される

ターン1 : 入力 500      -> 累計 500
ターン2 : 入力 500+800  -> 累計 1,800
ターン3 : 入力 1,800+700-> 累計 4,300
...
ターン20:                 累計 数十万トークン

つまり会話は二次関数的に高くつく。「一行の質問だから安いはず」という直感を捨てるべきだと考えている。

備考
話題が切り替わったら新しいスレッドを立てる。これだけで消費が桁で変わることがある。「継続した方が文脈が伝わって効率的」というのは、コスト面では逆になりやすい。

節約のコツ:効果の大きい順

1. スレッドを切る

前述のとおり効果が最大。関連しない話題を1本のスレッドに積むのは最も高い使い方である。

2. 貼るファイルを絞る

# 悪い例:リポジトリ全体を投げる
cat src/**/*.ts

# 良い例:該当箇所だけ
sed -n '120,180p' src/services/auth.ts

「全部見せた方が正確な答えが返る」は半分正しいが、範囲が絞れているときは絞った方が答えも正確になる。ノイズが減るからだ。

3. 出力長を明示的に制限する

NG: 「この関数を改善して」
OK: 「この関数の問題点を3行で。コードは差分のみ」

出力単価は入力の4〜5倍。ここを削るのが単価効率としては一番おいしい。

4. モデルを使い分ける

用途 推奨クラス メモ
定型整形・分類・抽出 軽量モデル ここに高性能モデルを使うのは浪費
一般的なコーディング 中位モデル 大半のタスクはここで足りる
複雑な設計判断・長い推論 上位モデル 使いどころを絞る

「最新モデル=常に最高コスト」ではない。同一クラスの世代更新では、性能が上がりつつ単価が据え置き、あるいは下がる例もある。世代ではなくクラス(軽量/中位/上位)で見るのが正しい。

5. プロンプトキャッシュを使う(API利用時)

messages = [
    {
        "role": "user",
        "content": [
            {
                "type": "text",
                "text": long_system_context,   # 毎回同じ巨大な前置き
                "cache_control": {"type": "ephemeral"}
            },
            {"type": "text", "text": user_question}
        ]
    }
]

同じ前置きを何度も送る用途(社内ドキュメントQAなど)では効果が非常に大きい。ただし初回は割高なので、2回以上使い回す前提がなければ意味がない

6. バッチ処理を使う

即時応答が不要なら、バッチAPIで大幅に安くなる提供形態が一般的である。夜間の一括分類などはこちらに寄せるべきだと考えている。

逆に、削ってはいけないところ

注意
節約を突き詰めて指示を削りすぎると、意図しない出力が返り、やり直しが発生する。やり直し1回分のコストは、丁寧な指示の追加分より大きいことが多い。ケチる場所を間違えると総額は増える。

削るべきは「冗長な文脈」であって「要求の明確さ」ではない。

削ってよい: 過去の無関係なやり取り、使わないファイル、装飾的な前置き
削ってはいけない: 制約条件、期待する出力形式、判断基準

運用フローとしてのまとめ図

まとめ

施策 効果 手間 優先度
話題ごとにスレッドを切る 極小 最優先
出力長・形式を明示する 最優先
貼付範囲を絞る 中〜大
モデルをクラスで使い分ける 中〜大
プロンプトキャッシュ 大(条件付き) API利用なら高
バッチ処理 大(条件付き) 非同期用途なら高
日本語→英語でプロンプト 小〜中 低(可読性を損なう)
指示を削る 逆効果 やらない

結論として、「モデルを安くする」より「文脈を短く保つ」方が効くとされる。単価の差は数倍だが、履歴の積み上がりは数十倍になりうる。

情報ソース・参考リンク

本記事の相対値テーブルは実測感覚に基づく概算であり、公式に公表された数値ではない。単価・仕様は改定される

種別 内容 URL
公式 料金体系(モデル別の入出力単価) https://www.anthropic.com/pricing
公式 API ドキュメント(全般) https://docs.claude.com
公式 プロンプトキャッシュ https://docs.claude.com/en/docs/build-with-claude/prompt-caching
公式 Message Batches API https://docs.claude.com/en/docs/build-with-claude/batch-processing
公式 トークンカウント API https://docs.claude.com/en/docs/build-with-claude/token-counting
公式 プロンプトエンジニアリング概要 https://docs.claude.com/en/docs/build-with-claude/prompt-engineering/overview
公式 サポート・利用制限に関するFAQ https://support.claude.com

用語補足

  • 一次情報 — ベンダー自身が公開している資料。ブログ記事やまとめサイトは改定に追随していないことが多い。
  • トークンカウントAPI — 実際に課金される前に入力トークン数を計測できるエンドポイント。見積もりを推測でやる必要はない。
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