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AI駆動開発のPdM振り返り:できるようになったこと・まだ難しいこと

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Last updated at Posted at 2026-10-04

はじめに

2026年上期を振り返ると、AIを使用してできるようになったことは増えました。

ただ、できるようになった先に、それぞれ別の難しさが現れています。本記事では、5つの場面について「できるようになったこと」と「まだ難しいこと」を対にして整理します。

場面 できるようになったこと まだ難しいこと
Agent Skill 単独で動作するSkillを作る リポジトリに適合するAgentに整備する
イシュー起票 AIでGitLabにイシューを切る 良いサイズと区切りで分解する
優先度とMVP 価値を高めるイシューを切り、優先度を定める 開発体力を見ながら適切なMVPに切り出す
開発フロー イシュー駆動のフローを整備する 従来フローからの移行を終える
ハンドオフ 指示書を精度高く作る 担当者に依頼し、任せ切る

1. Agent Skill:書く力と読む力

単独で動作するSkillは作れるようになりました。しかし、それを特定のリポジトリに適合するAgentとして整備するのは難しいと感じています。

Skillを作るときに必要なのは書く力ですが、リポジトリに合わせるときに必要なのは読む力です。

そのリポジトリがなぜ今の構成や規約になっているのか、積み重なった判断を理解しなければ、Skillは動いても馴染みません。

2. イシュー分解:単位は単独のイシューでは決まらない

AIを使ってGitLabにイシューを切ることはできるようになりました。しかし、良いサイズと区切りで分解するのは難しいままです。

難しい理由は、分解の単位や制約条件が、単独のイシューの中では決まらないことだと捉えています。次のような複数の変数によって、適切な切り方が変わります。

  • チームの開発力
  • アサインできる状態にあるか
  • 他のイシューとのコンフリクト
  • 同時に進めると効率の良いものがあるか

つまり、同じ要求でも、チームと周辺の状況が変われば正しい分解は変わります。イシュー分解は、対象を切り分ける作業というより、その時点のチームの状態に合わせて解を求め直す作業です。

3. 優先度とMVP:MVPはユーザー目線だけでは決まらない

プロダクトの価値を高めるイシューを切り、優先度を定めることはできるようになりました。しかし、開発体力を見ながら適切なMVPに切り出すことは難しいです。

難しい理由は、イシュー分解と同じです。ユーザー目線でのMVPを定義できたとしても、次の変数によってMVPの単位が変わります。

  • チームの開発力
  • アサインできる状態にあるか

たとえば、開発リソースを他に回したい場合は、機能開発を行わず、FAQの整備のみをMVPと判断することもあります。

つまり、MVPはユーザーにとっての最小価値だけで決まるものではなく、その時点でチームが割けるリソースとの掛け合わせで決まります。

4. 開発フロー:作ることと手放してもらうこと

イシュー駆動の開発フローは整備できました。しかし、従来フローからの移行を終えることが難しいです。

新しいフローを作ることと、人が古いフローを手放すことは別の問題です。

従来フローが担当者に与えている安心や慣れを理解しないままでは、移行は終わりません。

5. ハンドオフ:伝えることと手放すこと

Agent Skillの指示書は精度高く作れるようになりました。しかし、それで担当者に依頼し、ハンドオフし切るのは難しいです。

指示書の精度は私自身の理解の深さであり、相手の理解ではありません。

任せ切るとは、相手が私とは違うやり方で進めることを許容することです。難しいのは伝えることよりも、手放すことでした。

5つに共通すること

こうして並べると、5つには共通点があります。

できるようになったことは、どれも自分の理解を外に出す能力です。難しいと感じていることは、どれも自分以外の文脈を理解する能力です。

具体的には、次のものがいずれも私の外側にあります。

  • リポジトリの経緯
  • チームの開発力とアサイン状況
  • 他のイシューとの関係
  • チームの実際の速度
  • 従来フローに留まる人の事情
  • 担当者の理解度

AIは前者を大きく伸ばしてくれましたが、後者はまだ伸ばせていません。今のところ後者は、予測して外すという経験から身につけるしかないと感じています。

後者を伸ばすAIの使い方があれば、ぜひ皆さんから教えを乞いたいです。

これから

イシューを切るとき、任せるときに、どこで詰まるかを先に予測し、結果と照らし合わせることを続けていきます。

作る力の次に磨くべきは、相手の文脈を見積もる力だと考えています。

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