家に眠ってた古いノートPCにOpenClawをセットアップしてみた話
はじめに
家に眠ってた古いノートPC(メモリ8GB、元Windows 7)があったので、Ubuntuに入れ替えて、最近話題のAIアシスタント「OpenClaw」をセットアップしてみました。
結論から言うと、ローカルLLMは厳しいけど、クラウドのAPIを使えば快適に動くという感じです。セットアップ中にハマったポイントも含めて共有します。
そもそもOpenClawとは
OpenClawは、LLM(大規模言語モデル)を活用したパーソナルAIアシスタントです。Discord、LINE、Telegramなど様々なチャットサービスと連携して、まるで執事のように色々なタスクを手伝ってくれます。
- ファイル操作やシェルコマンド実行
- スケジュール管理
- 情報収集
- など
公式サイト: https://openclaw.ai
環境
- 古いノートPC(メモリ8GB、元Windows 7)
- 古いUSBメモリスティック(32GB、Ubuntuブートイメージ書き込み用)
事前準備
1. Ubuntuブートイメージの作成
Windows 7のPCだったので、Ubuntuをクリーンインストールすることに。Macを使ってブートイメージを作成しました。
使ったもの:
- balenaEtcher - ブートイメージ書き込みツール
- Ubuntu 24.04.4 LTS
- スティック型のUSBメモリ(これも家にあった昔のやつ)
balenaEtcherは直感的に使えて便利でした。USBメモリにISOイメージをサクッと書き込めます。
2. Ubuntu初期セットアップ
ここで少しハマりました。Windows時代のIntel RAIDの設定が残っていて、インストールが上手くいかない…。BIOSでRAID設定を無効化してようやく解決。
Ubuntu設定後、SSHで接続できるようにしておきます:
sudo apt update
sudo apt install openssh-server
sudo systemctl start ssh
sudo systemctl enable ssh
作業用Macから公開鍵をコピー:
ssh-copy-id <ユーザー名>@<ホスト名>.local
これでパスワードなしでSSH接続できるようになりました。
OpenClawのインストール
Node.jsのセットアップ
OpenClawはNode.jsで動くので、まずNode.jsをインストール。
NG: apt だと古いバージョンしか入らなかった
このパターンだと、OpenClaw の推奨のバージョンが入らないのでうまくいきませんでした。
sudo apt install nodejs # これだとv18が入る(OpenClawはv22推奨)
OK: miseで最新版を管理
せっかくなのでmiseを使いました。miseはNode.js、Python、Rubyなど複数の言語・ツールのバージョンを一元管理できるツールです。プロジェクトごとに異なるバージョンを使い分けたい時に便利。
sudo apt install curl
# miseをインストール
curl https://mise.run | sh
# シェル設定を追加
echo 'eval "$(~/.local/bin/mise activate bash)"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
# Node.js 22をインストール
mise use --global node@22
# バージョン確認
node -v # v22.x.x
OpenClaw本体のインストール
公式の手順に従ってインストール:
curl -fsSL https://openclaw.ai/install.sh | bash
インストール後、対話形式のセットアップウィザードが始まります。
セキュリティ警告
最初にセキュリティに関する警告が表示されます。OpenClawはファイル操作やコマンド実行ができるので、悪意のあるプロンプトで危険な操作をさせられる可能性があるという注意です。
Security warning — please read.
OpenClaw is a hobby project and still in beta. Expect sharp edges.
This bot can read files and run actions if tools are enabled.
A bad prompt can trick it into doing unsafe things.
理解した上で進めます。
初期設定項目
ウィザードではいくつか設定項目が出てきますが、後から変更できるので、よく分からなければ一旦スキップで大丈夫です。
- LLM: OpenClawが使うAIモデルの設定。Gemini、Claude、GPTなどから選べる
- Channel: OpenClawとやりとりするチャットサービス(Discord、LINE、Telegramなど)
- Skill: OpenClawが使える機能の拡張プラグイン(X連携、Obsidian連携など)
- Hooks: 特定のイベント時に自動実行する処理
私は以下のように設定しました:
- LLM: 一旦スキップ(後で設定)
- Channel: 一旦スキップ(後でDiscordを設定)
- Skill: XとObsidianだけON
- Hooks: スキップ
LLMの設定 - ローカルLLMへの挑戦と挫折
ollamaを試してみた
最初は「クラウドAPIは怖いし、ローカルで動かそう」と思ってollamaを試しました。
curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | bash
試したモデルと結果:
| モデル | 結果 | 理由 |
|---|---|---|
| llama3.2:3b | × | コンテキストウィンドウが小さすぎてOpenClawの要件を満たせない |
| qwen2.5-coder:7b | × | メモリ8GBだと重すぎて動かない |
| phi3:mini | × | ollamaのツール呼び出し非対応(いわゆるFunction Callingができない。対応モデル一覧参照) |
# 試行錯誤の記録
ollama pull llama3.2:3b
ollama run llama3.2:3b
# → OpenClawのコンテキストウィンドウ最小設定を満たせずNG
ollama pull qwen2.5-coder:7b
# → 重すぎて実用的じゃない
ollama pull phi3:mini
# → "registry.ollama.ai/library/phi3:mini does not support tools"
結論:メモリ8GBのPCでローカルLLMは厳しい
OpenClawはツール呼び出し機能を使うため、対応モデルかつ十分なコンテキストウィンドウが必要。8GBメモリだとその条件を満たすモデルが見つかりませんでした。
Geminiを使う
ローカルLLMは諦めて、クラウドAPIを使うことに。まずはGoogleのGeminiを試しました。
Geminiの良いところ:
- 無料枠がある(15リクエスト/分、1500リクエスト/日)
- 枠を超えても課金されない(エラーになるだけ)
- 設定が比較的簡単
gemini-3-flash-previewが無料で使えるので、これを設定しました。
AWS Bedrockを使う
より高性能なモデル(Claude)を使いたかったので、AWS Bedrockも設定しました。
ここが一番ハマったところです。
ハマりポイント:ダミーのapiKeyが必要
公式ドキュメントを見ると、apiKeyは書かなくていいと書いてあります。でも実際には、ダミーのapiKeyを書かないと認証エラーになりました。
{
"amazon-bedrock": {
"baseUrl": "https://bedrock-runtime.us-east-1.amazonaws.com",
"apiKey": "bedrock"
}
}
この"apiKey": "bedrock"がないと、openclaw modelsコマンドで認証エラーが出ます。
Note: AWS認証自体は環境変数(
AWS_ACCESS_KEY_ID、AWS_SECRET_ACCESS_KEY、AWS_SESSION_TOKEN)で行います。apiKey: "bedrock"はダミーですが必要です。公式ドキュメントと実際の挙動が違うので注意!
チャットチャンネルの選定
OpenClawはLINEやDiscordなど、いろんなチャットサービスと連携できます。いくつか検討しました。
| サービス | 結果 | 理由 |
|---|---|---|
| LINE | 断念 | Messaging APIの設定が複雑でよくわからなかった |
| Google Chat | 断念 | Google Cloudの登録にクレジットカード必須だった |
| Discord | 採用 | 無料で簡単! |
Discordを選んだ理由
- Bot作成が無料で簡単
- 公式ドキュメントも充実
- 個人サーバーを立てれば自分専用の環境がすぐ作れる
Bot作成からOpenClawとの連携まで、特につまずくことなく設定できました。
まとめ
- メモリ8GBのPCでもOpenClawは動く(ただしクラウドAPI推奨)
- ローカルLLM(ollama)はメモリ8GBだと厳しい - コンテキストウィンドウとツール対応の壁
- Geminiは無料枠があって安心 - 超過しても課金されない
-
Bedrock設定時は
apiKeyにダミー値を入れる(公式ドキュメントと違うので注意) - チャンネルはDiscordが簡単でおすすめ - 無料でサクッと始められる
最近はMac miniを買ってOpenClawを入れるのが流行っているみたいですが、まずはちょっと触ってみたいという方は、今回のように家に眠っている低スペックマシンで安価に試してみるのもいいかもしれません。
古いPCでもAIアシスタントが使えるのは嬉しいですね。参考になれば幸いです!