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情報教育についてゆるく考える

Last updated at Posted at 2024-08-26

はじめに

Qiitaっぽくない内容ですみません。
特定の組織や団体、個人を批判する意図はありません。

1.教科「情報」では何を教えれば良いのか?

文科省が高等学校における教科「情報」で教えるべき内容やその方法、評価等についてまとめた学習指導要領というものがあります。いわゆる公式ドキュメントというやつですね。

学習指導要領というものに従って授業を組み立てていけばOKです。

学校の先生も、これに従って授業を行っている(はず)です。

「はず」といったのは、私たちも公式ドキュメントをあまりよく見ないでコーディングしたり(というか公式ドキュメントわかりにくいものとかもあると思います)

少しだけその中身を一緒に見てみましょう。

学習指導要領より一部抜粋
(1)情報社会の問題解決
 情報と情報技術を活用した問題の発見・解決の方法に着目し,情報社会の問題を発見・解決する活
動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 情報やメディアの特性を踏まえ,情報と情報技術を活用して問題を発見・解決する方法を身に
付けること。
(イ) 情報に関する法規や制度,情報セキュリティの重要性,情報社会における個人の責任及び情報
モラルについて理解すること。
(ウ)情報技術が人や社会に果たす役割と及ぼす影響について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア) 目的や状況に応じて,情報と情報技術を適切かつ効果的に活用して問題を発見・解決する方法
について考えること。
(イ) 情報に関する法規や制度及びマナーの意義,情報社会において個人の果たす役割や責任,情報
モラルなどについて,それらの背景を科学的に捉え,考察すること。

言っていることはわかると思いますが、マクロなことにも言及しているので、具体的に教材として何を扱えば良いのか悩む部分もあります。

次はプログラミング分野の内容になります。

学習指導要領より一部抜粋
(3)コンピュータとプログラミング
 コンピュータで情報が処理される仕組みに着目し,プログラミングやシミュレーションによって問
題を発見・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア)コンピュータや外部装置の仕組みや特徴,コンピュータでの情報の内部表現と計算に関する限
界について理解すること。
(イ)アルゴリズムを表現する手段,プログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワーク
を活用する方法について理解し技能を身に付けること。
(ウ)社会や自然などにおける事象をモデル化する方法,シミュレーションを通してモデルを評価し
改善する方法について理解すること。
イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア)コンピュータで扱われる情報の特徴とコンピュータの能力との関係について考察すること。
(イ)目的に応じたアルゴリズムを考え適切な方法で表現し,プログラミングによりコンピュータや
情報通信ネットワークを活用するとともに,その過程を評価し改善すること。
(ウ)目的に応じたモデル化やシミュレーションを適切に行うとともに,その結果を踏まえて問題の
適切な解決方法を考えること。

このあたりの部分はこれを読んでいる皆さん得意な部分かと思いますので、この言語だったらこういうことができるな…などと色々アイディアが生まれてくるのではないかと思います。

あと、指導計画を見直す際に、あまりきちんと扱っていなかった領域などが見えてくることもあるかと思います。

そういう意味では、公式ドキュメントの存在はとても重要なのではないかと思います。

2.よく出来ている教科書

教科書会社によっても作りは全然違いますが、さきほどの学習指導要領を踏まえた教科書が、各出版会社から発行されています。教科書自体が、扱うプログラミング言語を指定しているものもあるので、本格的な内容であることが伺えます。

実際に教科書を見ると、何をどう教えれば指導要領の内容を満たすのかが直感的にわかります。これについては現物の教材として、教科書に助けられているということを思い知るばかりですね。

教科書の一部をお試しで閲覧することができます。
恐らくプログラマーの方に見せても、よくできていると思われるのではないかと思います。

機械学習など(やり方にまで)にも触れられており、手書き数字画像のデータセットなどを用いて、学習を行う内容が含まれています。当然ながら、pythonであれば外部ライブラリを用いて行う内容です。

ITパスポート~基本情報技術者試験の内容に近いのではないかと感じました。

ちなみに、高校が普通科出身の方にはわかりにくいと思いますが、商業科の高校だと疑似言語の問題を解く授業が普通にあったり、かなり基本情報技術者試験の内容に近くて感心したのを覚えています(何の資格だったかは忘れてしまいました)。

少し脱線しましたが、教科書の内容をそのまま実践してみるというのも、ベストプラクティスならぬベタープラクティスぐらいはあるんじゃないかと思います。

3.共通テスト(センター試験)はどうなっているか?

以下の問題は共通テストのサンプル問題のようです。

これも基本情報技術者試験に似ている部分があると思います。

要はこれを出来るように教えろってことなんでしょうね。
グラフとかも出てくるんで、コーディングだけ出来ても太刀打ち出来ないという印象を持ちました。

数学もきちんと出来ないときつい。数学が苦手な人にとっては不利になる試験内容ではあると思います。

皆さんは、解けますか?

平成 30 年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目情報サンプル問題

令和7年度大学入学共通テスト試作問題『情報Ⅰ』

この試験の内容をゴールと考えるならば、資格試験のメソッドはそのまま学校の授業に使える部分も多いと思います。もちろん、学校の授業がそれでいいのかという問題もあるでしょうけど…。

とはいえ、ペーパーテスト(定期考査)で評価する際にはこのような試験問題を基準に考えていくと良さそうです。

4.情報教育の課題とIT人材の確保

本題と多少逸れますが、教える側が十分に習熟していないという問題もあります。この教える側というのは、教員だけというよりはその奥にある自治体や国、教育環境や制度も含めてになるかと思います。

情報を教える教員を養成する仕組みの未熟さ、教員の求心力不足、教員の労働環境、国や地方自治体の予算の問題など様々な問題が関わってきます。

個別の事情はさておき、必ずしも教員や学校だけの責任ではない、と私は考えまます。

また教員不足も叫ばれる中、人材育成も重要な課題ですね。

ところで、これを読んでいる皆さんは「教員資格認定試験」をご存知ですか?簡単に言えば、教育実習なしで教育免許を取得できる方法です。

これは、ひと昔の感覚だと小学校の免許を取得するための試験だったのですが、実は情報(高校)の免許もこれで取れます(令和6年度からなので知らないのも無理はありません。)

受験資格は「[1] 今後「令和6年度高等学校教員資格認定試験実施要領」を策定し、その中で「応用情報技術者試験合格者又はそれと同等以上の能力を有すると認められる者」と定める予定」とのことです。

よって、高等学校の教員は「応用情報技術者試験」合格者相当の実力が求められるということがわかります。

実際に一次試験の一部の免除要件となっている自治体もあるようです。

6.おわりに

まとまりの内容になってしまいまして申し訳ありません。

この記事は現段階では書きかけなので、今後さまざまな話題に触れたいと思います。

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