はじめに
社内でチームのスクラムマスターを担当しています。
Jira Data Centerの自動化機能を使って、週次で行っているスクラムイベントのファシリテータを、複数チームのスクラムマスターから順番にアサインするよう担当者チケットを自動作成しているのでご紹介します。
社内のJiraはそのまま公開できないため、ここではFreeプランのJira Cloudを使って設定していきます。
Jira CloudのFreeプランについてはこちらのサイトを参照してください。
事前準備
エピックを一つ作成しておきます。
今回の自動化では作成したエピック「XHPR-1」の子チケットとして「スプリントレビュー」の「ファシリテーター」の作業チケットを自動作成・クローズしていきます。
※スプリントレビューは各チームの代表者がデモする形で実施しています。
作成するルール
以下の3つのルールを作成します。
ルール | 実行日時 | 概要 |
---|---|---|
チケット作成 | 毎週月曜9:00 | 週の始まりに作業チケットを自動作成します |
担当者割り当て | チケット作成後 | 作業チケットに独自のユーザーリストから担当者をラウンドロビンで自動割り当てします |
チケットクローズ | 毎週金曜17:00 | 週の終わりに作業チケットを自動クローズします |
ルール作成① チケット作成
トリガーを設定する
1.「プロジェクト設定」→「自動化」で、右上の「ルールを作成」を押下します。
2.「すべてのコンポーネント」→「スケジュール時」を選択します。
3.「スケジュール時」を選択します。
4.ベーシックに「毎週月曜9:00」を設定します。
設定 | 設定値 |
---|---|
ルールを次の間隔で実行 | 1週 |
曜日 | 月 |
時刻 | 9:00 AM Asia/Tokyo |
なおCRON式で「毎週月曜9:00」を設定する場合は以下の通りです。
0 0 9 ? * MON
5.スケジュールを入力後に「保存」します。
アクションを設定する
1.新規コンポーネントで「アクションを追加する」を選択します。
2.「課題の作成」を選択します。
3.以下の通り設定を行います。
- 「プロジェクト」に「対象のプロジェクト」を設定
- 「課題タイプ」に「タスク」を設定
- 「設定するフィールドを選択...」で「Epic Link」を選択
- 「要約」に「【スプリントレビュー】ファシリテーター」を入力
- 「Epic-Link」に対象のエピックキー名、ここでは「XHPN-1」を入力
4.「自動化に名前を付ける…」に名前(ここでは「【スプリントレビュー】ファシリテーター」)を入力して、「オンにする」を押下します。
動作を確認する
1.「ルールを実行」を押下します。
2.「リストに戻る」→「【スプリントレビュー】ファシリテーター」から「監査ログ」を選択し、実行結果を確認してください。
対象の課題が作成されていれば成功です。
ルール作成② 担当者割り当て
トリガーを設定する
1.「プロジェクト設定」→「自動化」で、右上の「ルールを作成」を押下します。
「課題の作成時」を選択します。
2.「保存」を押下します。
条件を設定する
1.「IF:条件を追加」を押下します。
2.「JQL条件」を押下します。
3.「parent = XHPR-1」を入力して、「クエリを有効化」を押下し、1件の課題が検出されることを確認して「保存」します。
アクションを設定する
1.「アクションを追加する」を押下します。
2.「課題の割り当て」を押下します。
3.以下の通り設定します。
- 「次に課題を割り当て」に「定義されたリストのユーザー」を入力
- 「担当者の選択方法」に「ラウンドロビン」を選択
- 「ユーザーリスト」に「割り当てたいユーザー」を複数指定
※ここでは「Kaga」と「Aoyama」の2名を順番に割り当てる形とします。
4.「自動化に名前を付ける…」に名前(ここでは「【スクラムマスター定常運用】割り当て」)を入力して、「オンにする」を押下します。
動作を確認する
1.「リストに戻る」→「【スプリントレビュー】ファシリテーター」を選択します。
2.「ルールトリガーを許可」にチェックを入れ、「ルールを実行」を押下します。
3.「監査ログ」を選択し、課題が作成されていることを確認後、作成された課題のリンクを押下します。
4.担当者がユーザーリストの通り割り当てられていれば成功です。
ルール作成③ チケットクローズ
トリガーを設定する
1.「プロジェクト設定」→「自動化」で、右上の「ルールを作成」を押下します。
2.「すべてのコンポーネント」→「スケジュール時」を選択します。
3.「スケジュール時」を選択します。
4.ベーシックに「毎週金曜17:00」を設定して「保存」を押下します。
設定 | 設定値 |
---|---|
ルールを次の間隔で実行 | 1週 |
曜日 | 金 |
時刻 | 5:00 PM Asia/Tokyo |
なおCRON式で「毎週金曜17:00」を設定する場合は以下の通りです。
0 0 17 ? * FRI
5.「JQL検索を実行し、クエリ内の各課題に対してアクションを実行します」にチェックを入れます。
「JQL」に「parent = XHPN-1 and status != Done」を入力して「クエリを有効化」を押下し、対象の課題が検出されることを確認して「保存」します。
アクションを設定する
1.「アクションを追加する」を押下します。
2.「課題のトランジション」を押下します。
3.「ターゲットステータス」を「完了」に設定して、「保存」します。
動作を確認する
1.名前(ここでは「【スクラムマスター定常運用】クローズ)を入力して、「オンにする」を押下します。
3.「監査ログ」を選択し、「アクションの詳細」が「課題のトランジション 課題を次のステータスへトランジション Done」になっていれば成功です。
Confluenceと連携
ConfluenceにJira課題を参照するページを作成して、説明を書いておくと、そのページを見れば今週の担当者が分かります。
最後に
今回作成したルールは以下の3つです。
「割り当て」と「クローズ」の自動化ルールは、今回作成したエピック配下であれば共通的に利用できますので、別の週次担当ルールを追加したい場合は、エピック配下に課題作成するルールを追加するだけです。
Jiraだけで週次担当者を順番に割り当てることができ、Confluenceで今週の担当者が分かりやすく確認できますので、JiraとConfluenceでシンプルに運用したい方はぜひご利用ください!