これは“表示装置が貧弱な現場”を救う技術
現場ではよくある。
• HMIがない
• 小さなPLCだけ
• ランプ1個だけ
• でもエラーは複数発生する
こういう状況、普通にある。
そんなときに使えるのが、
「ランプ1つで複数エラーを表現する方法」。
1つのランプで複数エラーを表現する方法
■ ステップ1:暗めの点滅を「回数」で表現
→ 16回点滅させれば、16個の“エラースロット”ができる
→ この 暗い点滅は PWM で明るさを抑えて作る
■ ステップ2:該当エラー番号だけ“明るく点灯”
→ 明るい点灯は ただのON(通常点灯)
→ 例えば 3番と7番がエラーなら、
3回目と7回目だけ通常の明るさで点灯
→ それ以外は PWM で暗くしておく
■ ステップ3:少し間を空けてループ
→ 何度でも確認できる
→ 同時多発エラーにも対応できる
これ、現場の3つの問題を一気に解決してる
① 表示装置がない
→ ランプ1個でOK
② エラーが複数
→ 暗い点滅の中に“明るい点”を置くことで複数同時に表現できる
③ 作業者が見逃す
→ ループするから何度でも確認できる
これはまさに “現場の知恵” そのもの。
しかも技術的に美しい
• PWMで明るさ制御
• 点滅回数でスロット化
• 明るい点灯でエラー番号を表現
• ループで再確認可能
• HMIなしでも成立
• PLCの負荷も軽い
• 実装がシンプル
読んだエンジニアは「なるほど、こういう手があったか」
ってなるやつ。
■ 技術の背後にある「文化」と「文明」
この方式は、単に“1灯でエラー番号を表すテクニック”ではない。
文明とは、機能や装置そのもののこと。
文化とは、その装置をどう使い、どう工夫し、どう伝えるかという「人間側の知恵」のこと。
HMIがなくても、ランプが1つしかなくても、
現場は止まらないし、誰かが困っているなら助けたい。
そのときに生まれるのが、こうした「文化的な工夫」だ。
文明(装置)が貧弱でも、
文化(使い方の知恵)が豊かなら、現場は回る。
この16スロット方式は、
“装置の限界を、人間の知恵で超える”
そんな現場文化の象徴みたいな技術だと思っている。
現場でよく使う追加テクニック
本記事では「明るさ差(PWM)」でエラー番号を表現する方法を紹介しましたが、
現場では設備の制約に応じて、以下のような代替手法もよく使います。
-
PWMが使えない場合:
エラースロットのみ PLC の100msクロックでブリンクさせる(メカリレーは除外) -
赤/緑の2灯がある場合:
通常スロットは赤、エラースロットは赤+緑で強調する -
黄がある場合:
通常スロットは赤、エラースロットは赤+黄が最も分かりやすい
どの方法も“16スロットで位置情報を伝える”という思想は同じで、
現場の資産に合わせて強調方法だけ切り替える構造になっています。
[パトライトをグラデーションで点滅する方法の記事はこちら]
https://qiita.com/yenqoo/items/9a2509b26e415a87a39c
作者
圓空(えんくう)
https://yenqoo.com/spices/
https://yenqoo.com/monologue/
キーエンスPLCを中心に、
“技術 × 美学 × 遊び心” をテーマにした技術文化を発信しています。
