背景
みなさん、ポケモンチャンピオンズやってますか?
私はSVはデータサイエンスの勉強中だったので離れていたのですが、チャンピオンズでまたやり始めました。なので、ハバタクカミとかディンルーとか知ったこっちゃありません。
さて、そのポケモンチャンピオンズをやっていて、不思議に思うことがあります。
「あれ、この技命中率90だよな。なんで相手は何度も当ててくるんだ」
「鬼火って命中率85だよな。そんな連続で外すもんなん?」
「え、なんで4回連続でひるむの」
このような、日常の些細な疑問を、統計学で考察したら、より論理的に考察することができ、いかにその事象がおかしいのか、より説得力を持って伝えることができるのではないかと考えました。
そこで、今回はポケモンを例に、統計学を学んでみようという記事を書いてみることにしました。
設定
「でっていう」さんというトレーナーは、ポケモンチャンピオンズをやっています。
そこで、以下のような場面に遭遇し、非常に強い憤りを感じました。
これらを統計学的な観点で考察してみましょう。
※これはフィクションであり、実在する人物や団体とは一切関係がありません。
事象1 「命中率90%の技が、何度も当たる」
あるとき、相手のメガメタグロスが「コメットパンチ(命中率90%)」を何度も当ててきました。
ヤミラミがいくら回復しようと回復しようと、何度もコメパンを当ててきます。
しかも、最初のコメットパンチでは、20%しか起こりえない攻撃力の上昇が発生しました。
コメパンは、合計10回当たったのち、ヤミラミは自己再生のppが切れ、力尽きました。
考察
さて、この問題について考えてみましょう。
まず、最初のコメットパンチがあたり、かつ攻撃力が上がる確率は0.9 × 0.2 = 0.18。なんと18%です!
そのあと、連続でコメットパンチが9回当たる確率は、
0.18 × (0.9) ^ 9 = 0.06973568802
です。わーお計算どおり!
なんと7%の確率の奇跡を相手は成し遂げたということになります。
命中率30%のぜったいれいどを当てるよりも、3倍は難しい試練の道ですね!
ちなみに、「10回コメパンを打って、少なくとも1回は当たる確率」は
1 - (0.1 ^ 10) = 0.9999999999
です(笑)
別の角度から考えてみましょう。
「命中率90%のわざを、最初に外すまで当て続ける確率」は幾何分布に従います。
幾何分布とは、「最初に成功するまで、何回施行を繰り返したか」というもので、「最初に外すまで、何回当て続けたか」という問題に当てはめることもできそうです。
幾何分布の期待値は、「失敗確率q / 成功確率p」で、今回の場合、成功確率は「外す確率」、失敗確率は「技が当たる確率」なので(ややこしい!)、0.9 / 0.1 = 9です。
要するに、コメパンを外すまでに当たる回数の期待値は9回ということですね。
...あれ、意外に当たるな...
これは、「トリプルアクセル」だろうが、「じゃれつく」だろうが、「おにび」だろうが同じような計算式になります。
事象2 「鬼火が連続で外れる」
考察
これも先ほどと同じ理屈で、「おにび(命中率85)」を外さずに当て続ける回数の期待値は
0.85 / 0.15 = 5.6666...
です。5,6回は連続で当てられるだろうということですね。
...あれ、意外に当たらないな...
逆に、最初に当てるまでに外し続ける回数の期待値は
0.15 / 0.85 = 0.1764705882352941
です。
...10回に1,2回はいきなり外すということか???
事象3 「4回連続でひるむ」
あるとき、相手のメガカイリューに対して、でっていうさんは意気揚々とフラージェスを出しました。
なぜなら、今までこのフラージェスはメガカイリューに負けたことがないからです。
「今回も余裕やろ!」と思った矢先、メガカイリューのエアスラッシュが急所にあたりました。
しかも、その直後、フラージェスはひるんでしまいました。
驚異の耐久力を誇るフラージェスさんからしたら、そんなこと蚊に刺されたようなものなのです。
しかしながら、そのあと、なんとエアスラッシュにより3回連続でひるんでしまい、フラージェスさんはついに力尽きました。
でっていうさんは、怒りにわなわなと震えながら、ノートで計算し始めました。
考察
まず、エアスラッシュの命中率は95%、ひるむ確率は30%、急所の確率は1/24(約4.17%)です。
初回に当たり、かつ急所にあたり、ひるむ確率は
0.95 × 0.3 × 0.0417 = 0.0118845
です。この時点で天文学的な確率ですね怒
そして、さらにこのあと3回連続であたり、さらに3回ともひるむ確率は
0.018845 × (0.95 × 0.3) ^ 3 = 0.000436245260625
0.04% !!!!!怒怒怒怒怒怒
どんなカイリュー?!!!前世で何をした?!!!
ちなみに、最初にひるむまでのエアスラを打つ回数の期待値は
(1 - 0.95 × 0.3) / (0.95 × 0.3) = 0.715 / 0.285 = 2.5
要するに、本来はエアスラを2,3回は打たなければ、相手がひるむことを期待できないということですね怒
結論
- コメパン、じゃれつく、トリプルアクセルは意外に当たる
- 鬼火を外すのはしゃーない
- メガカイリューの件だけはいくらなんでもおかしい
- 運に頼らずパーティ構成をしっかり考えよう
補足
今回の内容は、統計検定準1級のワークブック例題の問5.5、過去問の2019年6月 問2、問3[2]などに類題が出てきます。良かったらやってみてね~
間違い等があったらご指摘願います。
参考文献
- ポケモン徹底攻略
- 日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック
- 日本統計学会公式認定 統計検定準1級 公式問題集