世に広くAndroidが普及してきました。
スマートフォンのOSとしてだけではなく、テレビ、冷蔵庫、自動車・カーナビ等
さまざまな製品に搭載されています。
それらの製品の多くに搭載されているのがAndroid OSなのですが、
純粋なAndroid OSではありません。
それぞれの製品用にカスタマイズされたAndroid互換OSになります。
Android互換OS
スマートフォン用にカスタマイズされた一部の互換OSでは、
GooglePlayが使えたりして、通常のAndroid OSとほぼ変わらなかったりします。
しかし、
私の家で使用しているプロジェクタではカスタマイズされたOSが使用されているのですが、
動画系のアプリを使用する事に特化し、GooglePlayも使用できませんでした。
更にAndroidのバージョンアップに追従しづらいというデメリットも存在している様です。
Androidのバージョンアップが出来ないと、
バージョンアップによって得られる新機能を使えないですし
セキュリティー対策が取りづらいといったデメリットが存在します。
その代わり、
使いやすいユーザインターフェースや独自の機能を盛り込むことが出来、
他の類似デバイスとの差別化が図れることになります。
商品開発においてしっかりとした差別化が出来ていることは、
重要な要素になりますね。
では、
それらのカスタマイズされたOS達と
純粋なAndroid OSの差は何処にあるのかを見て行きます。
■Androidの構造
Android互換の有無の差を理解するために、まずはAndroidの構造を紹介したいと思います。
Androidの構造は大きく5層構造になっています。
1層:ユーザが直接使用
「アプリケーション層」
2層:アプリケーションをコントロールするサービスやマネージャが存在
「アプリケーションフレームワーク層」
3層:アプリケーションやサービスが共通で使用するライブラリ
「標準ライブラリ層」
「Android Runtime」(アプリケーションのデバッグ環境やRuntime)
4層:Linuxベースのカーネル
「カーネル層」 (各種ドライバ含む)
5層:ユーザとの直接I/F
「ハードウェア層」
図にすると ↓↓↓ な感じです。
こうやってみると
Androidの構造は、ユーザI/Fで挟み込んだ
「ハンバーガー」のような構造ですね。
■Android互換の有無の差
ザックリとですが
Androidの構造を理解いただけましたでしょうか。
その上でのお話しですが
Androidの3層、4層の内容は、
Android OSのVersionが同じであれば基本的に同じです。
(機種に依存する専用ドライバ等は例外です)
では、正式に互換OSを謳っている物と
そうでない物の違いは何でしょうか。
■互換OSと非互換OS
有名どころでAmazonの「Fire OS」とSAMSUNGの「One UI」を挙げてみます。
「Fire OS」はAmazonが開発したOSで、KindleやFire TV Stickなどで利用されています。
ユーザインターフェースや独自のアプリストアなど、様々なオリジナル機能を実装したOSになります。
「One UI」はSAMSUNGが開発したOSで、主にスマホのGalaxyシリーズに利用されています。
独自機能も有していますが、ややAndroidに似たOSとなっています。
前者と後者での大きな違いは
Androidの互換性テスト(Compatibility Test Suit 以降CTS)に
合格できているかどうかです。
※CTSについては別で記事させていただきました。下記URLを参照ください。
参照>https://qiita.com/ydclab_0008/items/7c6780523b96f8b4c9ec
Fire OS:互換性なし
One UI :互換性あり
そういえばFire OSではGooglePlay使えませんね。
■互換性とデバイスの差別化
Googleは各メーカーへ互換性の維持を推進しています。
特に4層(カーネル)は改変しない様に促しているそうです。
つまりAndroid端末はCTSで互換性を有する限り
1、2、5層で差別化を図っているという事になります。
5層の差別化はハード的なスペックの差ですが、
1、2層のアプリケーションやサービスでは、
利便性のあるアプリケーションを加えることで差別化を行ているメーカーが多いようです。
最後に
という訳でAndroidの構造について書いてみましたが、
世に出回っているAndroidには、互換と非互換があることが分かっていただけたと思います。
違いとしても、「CTS」という互換承認テストに通っているか否かという明確な差があることも理解いただけたと思います。
今後何かAndroidっぽいOSを見かけた際には、互換OSか非互換OSかを確認してみてください。
以上になります。