今回は「DApp」についてです。
「DApp」とは「Decentralized Application」の略で
日本語にすると「分散型アプリケーション」となります。
既存の中央集権型アプリに対する新しい形のアプリケーションとなり、
下図の様なイメージの違いがあります。
では、
まず初めに「DApp」とはどういう物なのかを纏めていきたいと思います。
■「DApp」の特徴
「DApp」の特徴を3つ挙げるとすると、以下が挙げられるでしょう。
①改竄耐性が高い
ブロックチェーン上で運用されるアプリケーションの為、
データは分散管理され改竄されにくくなります。
②障害に強い(高可用性)
ネットワーク上で分散管理するものなので、ハードウェア関連のトラブルや
環境トラブルに対する耐性が高くなります
③信頼性が高い(高信頼性)
取引履歴が全て公開されていているので信頼性は高いです。
(後追い検証も可能)
次にどの様に使われているのかについて纏めていきたいと思います。
■「DApp」の活用
「DApp」は色々な方面で活用されています。
①仮想通貨
BitcoinやEthereum等の代表的な仮想通貨で「DApp」は活用されていて、
改竄耐性・高可用性・高信頼性を実現しています。
②DeFi(分散型金融)
DeFiは仮想通貨の仕組みを活用し、
「DApp」の概念をベースにして構築された新しい金融サービスです。
③NFT(代替不可能なトークン)
NFTはブロックチェーン上で発行される信頼性の高いデジタル資産で、
「DApp」の概念をベースにして構築された取引サービスです。
④SNS
マストドン等の分散型のSNSはP2Pネットワーク上に構築されていて
データが分散管理されている為、投稿の改竄がされにくくなっています。
⑤クラウドストレージ
ネットワーク上にデータを分散して保存することで
信頼性が担保されています。
次は「DApp」の発展性について纏めていきます。
■「DApp」の発展性
「DApp」は発展性が高いと言われています。
その理由としては以下のようなものになると思われます。
①「DApp」の開発環境
仮想通貨の「Ethereum」や「Polkadot」に使用されている為、
既に開発のナレッジが蓄積されており、ツールも存在している状況ですので
「DApp」の開発を始めるハードルは低いです。
②データ分散化
社会全体として改竄耐性・高可用性・高信頼性が求められています。
分散化を行う事で上記の様な要件をクリアできる事が見込まれています。
③スマートコントラクト
スマートコントラクトは日本語にするとすれば「賢い契約」となります。
事前に指定されたルールに従い自動的に動作するプログラムとなります。
具体的には、人間の介入なしに自動的に設計され、実行される、
より高度で安全なコントラクタです。
スマートコントラクトを使う事で信頼性を高めることができます。
④新しいビジネスモデル
中央集権型に置き換わる新しいビジネスモデルとして期待されています。
・DeFi:分散型ファイナンス
・NFT:デジタルアセット(資産として価値のあるデジタルデータ)
・DAO:分散型自立組織
最後に少しだけ「DApp」についての課題にも触れておきたいと思います。
■「DApp」の課題
「DApp」はまだ発展途上の技術である為、いくつかの課題が存在しています。
①相互運用
異なる「DApp」間では情報の流動性を確保できない事がほとんどです。
例えば、仮想通貨の「Ethereum」や「Polkadot」は「DApp」を使用していますが
相互に情報をやり取りできません。
②脆弱性やバグ
発展途上の技術である為、プログラムコードには脆弱性やバグが残っている可能性があります。
致命的な脆弱性やバグが発見された場合、ユーザを危険に晒す可能性もあります。
・2023年12月にレジャーコネクターを利用する複数のDAppでセキュリティ侵害が発生
・2024年3月にDAppのStaking v3 で「推定報酬」が多めに表示された
③処理速度
ネットワーク上で分散処理をする性質上、処理速度は環境や設定に大きく依存します。
そのため、ユーザ数が多くなり、取引が集中するとトラブルが発生する事があります。
(ブロックチェーンのスケーラビリティの問題からくるトランザクション遅延や
取引に対するマイナーの不足などが原因となる事があります)
■最後に
「DApp」をテーマにしてみましたが、
纏めていて改めて将来有望な技術だと再認識させられました。
「DApp」を直接目にすることはないと思いますが
有用な特徴を持つ
多岐に渡る活用方法がある
発展性が高い
という事がご理解いただけたと思います。
そんな縁の下の力持ちな「DApp」を知っていただき
今後の参考にしていただければ幸いです。