今回の記事は「ブロックチェーン」について解説します。
「DApp」や「NFT」、「DeFi」の記事を書いていたのですが
その中でよく出てくる「ブロックチェーン」については触れていませんでした。
「ブロックチェーン」の概念自体は既に大衆化しているのですが
「DApp」や「NFT」を記事にしているのに「ブロックチェーン」は記事にしない・・・
というわけにもいかないので「ブロックチェーン」について纏めてみました。
なお「DApp」、「NFT」、「DeFi」を纏めた記事について
まだ見ていないという方は、良ければ下記URLより参照ください。
※↑以前「DApp」について纏めた記事です。
※↑以前「NFT」について纏めた記事です。
※↑以前「DeFi」について纏めた記事です。
『ブロックチェーン』とは一言でいうと
「分散型のデジタル台帳」といったところでしょうか。
「ブロックチェーン」は、先述した「DApp」「NFT」「DeFi」の基盤技術です。
Bitcoin等の仮想通貨の取引管理でも使用されています。
■「ブロックチェーン」の特徴
特徴としては、改ざん耐性、透明性、高セキュリティが挙げられます。
①改ざん耐性
ブロックチェーンは高い改ざん耐性を持っています。
それはブロックチェーンで管理されるデータが、
ひとつ前に処理されたデータを監視できるようになっているからです。
【ブロックチェーンの仕組み】
1)データは暗号化される
2)データはブロックという単位で管理されている
3)ブロックの追加には、ネットワーク参加者の合意が必要
4)ブロックは常に後ろに追加される
5)ブロックは前のブロックのハッシュ値1を持っている
6)ブロックチェーンは多数のノードに複製して保存される
7)ブロックチェーンは基本的に公開されていて検証可能
まず1)により改ざんが難しくなっています。
なんとかして改ざんしても、
5)により後ろのブロックが持っているハッシュ値を確認すれば、すぐばれます。
頑張ってそのノードの後ろブロック全てを改ざんしても、
6)により、いくつあるか分からない他のノード全てを改ざん出来るわけもなく
それらの他のノードを確認すればやっぱりばれてしまいます。
しかも、基本的に公開されているので、
何かあっても調べれば、誰でもいつでも検証できて
不正な改ざんを見つけ出すことが出来るわけです。
②透明性
ブロックチェーンは基本的に公開されていて、誰でもデータを閲覧できます。
また、データがチェーン状に繋がって管理されている為、
資産や情報の流れを追跡することが容易になります。
さらに、契約内容やその実行過程が公開されていますので、
自分で見て判断することが出来るため、公平性や正確性を確保できています。
そして、ブロックチェーンのプロジェクトはオープンソースで開発されていますので、
コードの検証も可能となっています。
③高セキュリティ
ブロックチェーンは非常に高いセキュリティを保有しています。
それは、分散型ネットワークや暗号化技術(公開鍵暗号方式)、スマートコントラクトを採用したことによるものです。
もちろん、「①改ざん耐性」や「②透明性」で説明した内容も一役買っています。
分散型ネットワークは、一部のノードで改ざん等の問題が起こっても情報の保全は万全ですし、
全てのトランザクションは、ネットワーク上で何度も検証されるので
不正なトランザクションが発生することを防ぐことができます。
暗号化技術は、一般的に公開鍵暗号方式が使用され、データの認証とアクセスが制限されます。
この仕組みにより、非公開のデータは他人に漏れず、改ざんも難しくなります。
そして、スマートコントラクトにより人を介在させない為、
不正が発生することを防止することが可能になります。
次にどのように使われているのかについて纏めていきたいと思います。
■「ブロックチェーン」の活用
ブロックチェーンは様々な方面で活用されていますが、
よく聞く暗号資産や金融以外の分野での活用について挙げてみます。
①食品業界
食品業界では、食の安全性を確保するために
「トレーサビリティ」の高さが常に求められています。
食品の流通経路である数多くのサプライチェーン間の情報伝達に
ブロックチェーンの技術が使われていて、
IBMが「Food Trust」というソリューションを提供しています。
②建設業界
建設業界では、工事の確認業務の合理化に活用する動きがあるそうです。
検査結果の改ざん耐性や、企業間の情報(工事の履歴管理)の流通性の高さ、
資材流通の効率化に期待が持たれている様です。
③医療業界
医療業界では予防医療に力を入れていますが、
ヘルスケアデータの活用が必要となるそうです。
特に秘匿性の高い情報な為、機密性の高い
ブロックチェーンで情報を管理することで、
個人情報を使用せずヘルスケアデータを
安全に活用できるようになることが期待できるそうです。
■最後に
ブロックチェーンについて纏めてみました。
ブロックチェーン技術の可能性は広がり続けており、
暗号資産以外の分野でも活用されていくことになりそうです。
まだまだ注目すべき技術なんだと感じました。
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※ハッシュ値:元データから特定のアルゴリズムによって生成される不規則な文字列(元データが同じ場合、同じ文字列が生成される) ↩