GETとPOSTの使い分けはなんとなく分かる。でもなぜそう設計されているのか、URIはどう設計すべきなのかと聞かれると、答えに詰まる。API設計のたびに感覚で決めてしまっていると、後から一貫性のなさが技術的負債として積み上がっていく。『Webを支える技術』は、その「なんとなく」の裏側にある設計思想まで遡って教えてくれる一冊だった。
歴史と設計思想からHTTP・URIを理解する
本書はHTTP、URI、HTMLといった技術の仕様を、その歴史や設計思想を織り交ぜながら説明していく。単なる仕様の暗記ではなく、なぜそう設計されたのかという背景から理解できるので、新しい技術に出会ったときにも同じ思考の枠組みで考えられるようになる。
RESTという設計原則を軸に据えた構成
本書はWeb概要、URI、HTTP、ハイパーメディアフォーマット、Webサービス設計という部構成で進む。REST原則を軸に、望ましいURIの設計、HTTPメソッドの適切な使い方、クライアントとサーバーの役割分担といった、今のAPI設計にもそのまま生きる論点を体系的に扱っている。
読んでよかったポイント
- HTTPメソッドの使い分けの章を読んでから、PUTとPATCHの選択に自信を持てるようになった
- URI設計の章が、社内APIの命名ルールを見直す具体的な判断基準になった
- ステータスコードの章で、雑に200やエラーを返していたAPIの設計を見直すきっかけになった
- RESTという設計原則の成り立ちを知ってから、なぜスケールするWebが作れているのかという理屈が腹落ちした
- クライアントとサーバーの役割分担の考え方が、フロントとバックエンドの責務分けの議論で説得力のある根拠になった
さらに広げて読むなら
API設計の原則をさらに実践的な場面に落とし込みたいなら、Web APIの設計が場当たりになりがちな人へ。長く使える設計原則を整理できる一冊も合わせて読むと、基礎から応用まで理解がつながる。
まとめ
Webの技術基盤は普段意識しなくても動いてしまうぶん、原理を知らないまま何年も過ごしてしまいがちだ。次にAPIを設計するときは、URIの一つでもこの本の考え方に沿って見直してみてほしい。