コードは書ける、技術力にも自信がある。なのに評価が上がらない、転職市場で思ったより値がつかない。技術以外の部分を放っておくと、この差はキャリアが進むほど開いていく。『SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル 第2版』は、その「技術の外側」を扱った珍しい本だった。
なぜソフトスキルの話になるのか
著者のジョン・ソンメズは33歳でソフトウェア開発者を引退した人物で、本書はプログラマ向けキャリアメディアを運営してきた経験がベースになっている。技術書としては珍しく、キャリア戦略、自己マーケティング、学習法、副業、フリーランス、資産形成、体と心の健康まで、開発者の人生そのものを扱う範囲の広さが特徴だ。
760ページを貫く一つの問い
分厚い本だが、通底しているのは「技術力だけでキャリアが決まるわけではない」という一点だ。第2版では最新のAI・リモートワーク時代の話題も加わっていて、日本語版にはまつもとゆきひろ氏の解説も収録されている。技術書の深さは期待できないが、そのぶん抜け漏れなく全体を見渡せる構成になっている。
読んでよかったポイント
- ブログやGitHubプロフィールを「自分の実績を外に見せる装置」として使う発想が、今まで持っていなかった
- 新しい技術を習得するときの学習プロセスを時間管理とセットで設計する章が、日々の勉強のやり方を見直すきっかけになった
- 副業やフリーランスへの踏み出し方が、心構えと手順の両方で具体的に書かれていて現実味があった
- エンジニアの収入を資産に変えていく考え方の基本が、身近な例で説明されていて読みやすい
- 長時間労働より睡眠や運動が生産性を左右するという話は、頭では分かっていたつもりでも改めて突きつけられた
さらに広げて読むなら
技術力を軸にキャリアの天井を突破する道を具体的に知りたいなら、スタッフエンジニア マネジメントを超えるリーダーシップも合わせて読むと、ソフトスキルと技術力の両輪で進むキャリア像がより立体的に見えてくる。
まとめ
技術書を読む時間はあっても、キャリアや働き方を体系的に見直す時間はなかなか取れない。だからこそ、この一冊で自分の弱いところを棚卸ししてみる価値がある。まずは目次を眺めて、今の自分が一番手をつけていない章から読み始めてみてほしい。