ルーターやスイッチの設定はコピペで何とかなっている。でもなぜその設定が必要なのか聞かれると答えに詰まる。障害が起きたときも、先輩の後ろについて見ているだけで終わってしまう。そのままだと、いつまで経っても「教えてもらう側」から抜け出せない。『改訂3版 ネットワークエンジニアの教科書』は、その断片的な知識を一本の線につなげてくれる本だった。
仕事の全体像から入るから、自分の担当範囲が見える
本書はネットワークエンジニアの仕事内容そのものから始まり、基礎知識、ルーティングプロトコル、スイッチ・ルーターのアーキテクチャ、セキュリティ、無線LAN、データセンター、モバイルネットワーク、コラボレーションと、現場で触れる領域をひと通り並べている。自分が今どの分野を担当していて、まだ触れていない領域がどこかを、目次を眺めるだけで把握できた。
障害対応とツールの章が、現場感覚に近い
後半にある障害対応のガイドとツール、ネットワーク機器のハードウェアと保守、監視と可視化、自動化の章は、資格試験の参考書とは違う実務寄りの内容だった。特にトラブルシューティングの章は、実際に障害が起きたときにどう切り分けて考えるかの順序が整理されていて、先輩の思考をなぞっている感覚があった。
読んでよかったポイント
- ルーティングプロトコルの章を読んでから、設定ファイルをコピペするだけでなく、なぜその経路が選ばれるのかを説明できるようになった
- データセンターとモバイルネットワークの章があり、自社のオンプレとクラウドが混在する環境の全体像を掴みやすくなった
- トラブルシューティングの章の切り分けの考え方を、実際の障害対応のときに思い出しながら手を動かせた
- ネットワークの自動化の章を読んで、手作業で設定していた部分をどこまでスクリプト化できそうか当たりがついた
- セキュリティの章が独立して用意されていて、ネットワークとセキュリティの境界を意識しながら設計を考えられるようになった
さらに広げて読むなら
名前解決まわりの理解を深めたいなら、名前解決を雰囲気で扱っている人へ。DNSの仕組みと運用の勘所を体系で掴める第2版も合わせて読むと、ネットワークの基礎からDNS運用まで視野が広がる。
まとめ
ネットワークの知識は、断片的に覚えているだけだと応用が利かない。この本で一度、自分の担当領域と全体像の距離を測り直してみてほしい。次の障害対応のときに、切り分けの手が今より一歩速くなっているはずだ。