はじめに
Oracleはマルチクラウド戦略を推進しており、Oracle Database@Azure、Oracle Database@Google Cloudに続き、ついにOracle Database@AWSが登場しました!
AWS環境でOracleのExadataやAutonomous Databaseを利用できるこのサービスは、多くのエンジニアが注目していると思います。そして、このたびOracle側でOracle Database@AWS Architect Professionalという認定試験がリリースされました。
今回、この試験を受験して合格しましたので、試験の概要、効率的な勉強方法、所要時間の目安などをシェアします。
Oracle Database@AWS Architect Professional とは?
Oracle Database@AWS Architect Professional は、Oracle Database@AWS 環境の設計、展開、管理に関する高度なスキルを認定する資格です。
Oracle公式の説明(日本語訳)では、主要な知識領域として以下が挙げられています:
- マルチクラウドの概念と統合
- Oracle Database@AWS アーキテクチャとオンボーディング
- Oracle Database@AWS ネットワークの構成
- Oracle Database@AWS リソースのプロビジョニングと運用
- オンプレミスの Oracle データベースを Oracle Database@AWS に移行する
- 高可用性(HA)と災害復旧(DR)の実装
- Oracle Database@AWS デプロイメントのセキュリティ保護
Oracle Database と AWS の両方の実践経験があることが推奨されています。
試験概要
試験の範囲
試験の範囲は試験内容チェックリストによると、次のように7つのセクションに分割されています。
| # | 目的 | 試験の割合 |
|---|---|---|
| 1 | マルチクラウド入門 | 5% |
| 2 | Oracle Database@AWS アーキテクチャとオンボーディング | 20% |
| 3 | Oracle Database@AWS ネットワーク構成 | 15% |
| 4 | Oracle Database@AWS リソースのプロビジョニングと運用 | 20% |
| 5 | Oracle Database の Oracle Database@AWS への移行 | 15% |
| 6 | Oracle Database@AWS による HA と DR | 10% |
| 7 | Oracle Database@AWS のセキュリティ | 15% |
各セクションの詳細内容
1. マルチクラウド入門
- マルチクラウドとそのメリット
- 一般的なマルチクラウドのユースケースとOCIでの実装について
2. Oracle Database@AWS アーキテクチャとオンボーディング
- Oracle Database@AWS とそのアーキテクチャについて
- Oracle Database@AWS オンボーディング前提条件の構成
- Oracle Database@AWS の Oracle Database サービスについて
- Oracle Database@AWS の調達
3. Oracle Database@AWS ネットワーク構成
- Oracle Database@AWS ODB ネットワーク設計
- Oracle Database@AWS の DNS 構成
- Oracle Database@AWS でサポートされているネットワークトポロジについて
4. Oracle Database@AWS リソースのプロビジョニングと運用
- ODBネットワークとODBピアリング接続の作成および構成方法
- Autonomous Container Database と Autonomous Database の作成
- Oracle Exadataインフラストラクチャ、ExadataVMクラスタ、Autonomous VMクラスタのプロビジョニング
- Oracle Database@AWS のバックアップと復元のプロセスについて
- Exadata データベースとそのコンポーネントの作成
- Oracle Database@AWS の監視と可観測性の構成
5. Oracle Database の Oracle Database@AWS への移行
- Oracle Zero Downtime Migration (ZDM) の理解
- Oracle DatabaseをOracle Database@AWS上のAutonomous Databaseに移行するためのZDMワークフローについて
- Oracle DatabaseをOracle Database@AWS上のExadataに移行するためのZDMワークフローについて
6. Oracle Database@AWS による HA と DR
- Oracle Database@AWS の高可用性設計(HA)
- Oracle Database@AWS の災害対策設計(DR)
7. Oracle Database@AWS のセキュリティ
- Oracle Database@AWS の ID およびアクセス管理
- Oracle Database@AWS のセキュリティ制御
- Oracle Database@AWS におけるデータ保護
- Oracle Database@AWS の OCI Well-Architected の柱について
出題数と合格ライン
出題数と合格ラインは、2025年12月 現在では次のように設定されています (出典)。
| 出題数 | 合格条件 |
|---|---|
| 50 問 | 68% |
つまり、34問正解で合格です。見直しマークを15個程度に抑えられればOKという計算になります。
受験してみた感想
長文問題は少なめで、選択肢も比較的わかりやすかったです。ただ、Autonomous DBやExadata関連の問題が全体の7割くらいを占めていたので、OCI側のリソースに関する知識がないとキツいかもしれません。
AWS側の知識については、試験ガイドに書いてある範囲をちゃんと押さえておけば大丈夫でした。
効率的な勉強方法
基本方針
Oracle University の Learning Path をしっかり学習すれば合格できます。
正直、ExadataやAutonomous DBを実機で触って検証したいところですが、利用料がかなり高額なので個人では厳しいです。なので、Learning Pathの動画やハンズオン資料でしっかりイメージを膨らませることが大事になります。
学習時間の目安
- Learning Path 本編: 約 9–10 時間(Oracle表示: 9h32m)
- Skill Check + Practice Exam: 2–3 時間
- AWS側の知識補完(ODBネットワーク、VPC等): 3–5 時間
- ZDMの理解: 1–2 時間
-
合計目安:
- OCI/Oracle の基礎知識がある場合: 12–20 時間
- 初学者や AWS 未経験の場合: 20 時間以上
効率的な学習順序(時間が限られる人向け)
時間がない人は、こんな感じで進めるのがおすすめです。
- まず Practice Exam(模擬試験)を受けてみる → どこが弱いか把握
- 弱いところを Learning Path で集中的に勉強 → 該当モジュールを重点的に
- 残りの重要モジュール(特にネットワーク・移行関連)を修了
- もう一度 Practice Exam を解く → 理解度チェック
ちなみに、このコースの Skill Check は普通4–5問なんですが、10問前後とボリュームがあって、Skill CheckとPractice Examだけでもけっこう勉強になります。
私の実体験から(特に注意すべきポイント)
AWS側の知識が意外と重要
普段AWSをあまり触らない人は、ODB ネットワーク周りやVPC関連で苦戦するかもしれません。実際、私もこの辺りで少し時間を取られました。Learning Pathのネットワーク/オンボーディング関連は飛ばさず確認しておくのが吉です。
ZDM(Zero Downtime Migration)は押さえておきたい
ZDMに関する問題も結構出ます。実務で触ったことがあれば有利ですが、なくても学習コンテンツで一通り流れを理解しておけば大丈夫です。
Autonomous DB / Exadata の知識は必須
この辺の知識がないと解けない問題も多いので、事前にしっかり勉強しておきましょう。前述の通り実機で触るのは難しいので、Learning Pathの内容でイメージをしっかり固めることが大切です。
Learning Path で学べる内容
Learning Path では次のような内容を学べます。
- Oracle Database@AWS の基礎: サービス概要、メリット、ユースケース、ExadataとAutonomousの違い
- アーキテクチャ: OCI Child Sites in AWS、Exadata Infrastructure、ODB ネットワーク、ODB Peering、VM クラスタ、接続モデル
- オンボーディング & プロビジョニング: プライベートオファーの申請、OCI アカウントリンク、各種リソースの作成
- ネットワーク & セキュリティ: DNS 設定、ハブ・アンド・スポーク設計、VPC Lattice統合、IAM ポリシー、データ保護
- マイグレーション & 運用: ZDM ワークフロー、バックアップ/リカバリ、Autonomous Recovery、Oracle MAA による DR
- 可用性 & 監視: 冗長性、スケーリング、CloudWatch/CloudTrail連携、EventBridge でのイベント監視
- ベストプラクティス: 運用性、信頼性、パフォーマンス最適化、コスト管理、セキュリティ強化
受験方法・費用について
試験登録
Learning Path の「Oracle Database@AWS Architect Professional(1Z0-1146)」からRegister Nowを押下すると試験登録に進めます。
試験費用
試験費用は変更される可能性があるので、Oracle の公式ページで最新情報を確認してください。
ちなみに、時々「Race to Certification」みたいなキャンペーンで割引やバウチャーがもらえることがあるので、こまめにチェックしておくとお得です。
試験時間
- 試験時間: 90分
- 出題形式: 選択式(単一選択・複数選択)
まとめ
この試験のポイント
- Oracle University の Learning Path をしっかりやれば合格できる
- 時間がない人は模擬試験で弱点を洗い出してから勉強するのが効率的
- AWS側のネットワーク知識とZDMの理解は必須
- 実機で触るのは難しいので、Learning Pathでイメージをしっかり固めることが重要
- Race to Certification等のキャンペーンを活用すると安心して受けられるのでお勧め(私もこちらを利用しました)
資格の価値
現時点では -25 のようなバージョン表記がなく、有効期限も未設定です(通常のOCI試験は2年で更新が必要)。もしかしたら、今後も継続的に有効な認定資格になる可能性もあります。
Oracle Database@AWS はまだ日本でGA(一般提供)されていませんが、順次リリース予定なので、GAされた時にスムーズに使いこなせるよう、今のうちに取っておくのがいいんじゃないでしょうか。
おまけ: マルチクラウド認定も要チェック
Oracleのマルチクラウド戦略では、AWS以外にも以下のサービスが提供されています。
- Oracle Database@Azure
- Oracle Database@Google Cloud
これらを含むマルチクラウド設計に興味がある方は、以下の認定もチェックしてみてください。
マルチクラウド時代のスキルとして、複数のクラウドにまたがるOracle Databaseの運用知識は結構価値があると思います。
それでは、Oracle Database@AWS Architect Professional の取得、頑張ってください!

