画面の見方
まずは、RStudioの基本的な画面の見方を説明します。
RStudioのアイコンをクリックして画面を立ち上げると、以下のように3つのパネルに分割されたウィンドウが立ち上がると思います。
さらに、一番左上のボタン(New File)をクリックして、さらにR Scriptをクリックしてみてください。
すると、今度は以下のようにウィンドウが4分割されると思います。
RStudioでは、このようにウィンドウを分割して機能ごとに表示させて操作する方法が一般的となっていて、分割されたそれぞれを「パネル」と呼んでいます。例えば、デフォルトの配置を示した上の画像では、左上のパネルにコードを記入する「スクリプト」を表示し、その実行結果「コンソール」を左下のパネルに表示しています。また、右上のパネルには変数の情報や実行コードの履歴が表示され、右下のパネルにはファイルやパッケージ、プロットしたグラフなどが表示されるようになっています。
また、一つのパネルに複数の「タブ」がある場合は、表示させたいタブをクリックすることで変更することができます。
↑右下のパネルでPackageのタブをクリックした場合、インストールしたパッケージ一覧が表示されます。
基本設定
この状態で十分にコードを記入して実行することができますが、その前に基本的な設定の方法を説明します。基本設定を変更するには、まずデスクトップの上部に表示されているメニューバーの中から「Tools」をクリックします。プルダウンメニューが表示されるので、一番下の「Global Options...」をクリックします。
すると、以下のような設定用のウィンドウが表示されます。このウィンドウで色々と設定を変更することができます。今回はパネルの配置を変更する方法と画面の背景色を変更する方法を紹介します。
1. パネル配置をカスタマイズする
デフォルトのパネル配置でも全く問題はありませんが、使いやすいようにカスタマイズをすることができます。
Optionsウィンドウの左側の一覧から「Pane layout」をクリックします。すると、以下のような画面に切り替わります。
今4つのブロックに分かれていると思いますが、これらが各パネルに対応しています。例えば、実行結果を右上に表示させたい時は、以下のように右上のブロックのプルダウンメニューをクリックして「Console」を選びます。
すると以下のように左下と右上のタブが入れ替わっているかと思います。
今度は、左下と右下のパネルに表示されるタブを変更していきます。以下のようにチェックボックスを適当にクリックして、例えば左下にパッケージとヘルプを表示させ、右下にプロットした図が表示できるようにしてみます。
それぞれ操作が終わったら忘れず「Apply」(適用する)のボタンをクリックします。これをクリックしないとカスタマイズした設定が実際のウィンドウに反映されないので注意してください。そうしたら「OK」を押してみましょう。以下のようにパネルが入れ替わっていることが確認できると思います。
2. 背景や文字の色を変える
自分の画面と背景の色が違うなとこれまで疑問に思った人がいるかもしれません。RStudioでは背景や文字の色を見やすいように変えることができます。
やり方としては先程のGlobal Optionsから「Appearance」をクリックしてみてください。すると以下のような設定画面が表示されます。
この画面では、RStusioのテーマや拡大率、フォントの種類やサイズ、エディタ画面のテーマなどを変更することができます。例えば、「Editor theme」の一覧の中から任意のテーマをクリックして選択すると、設定ウィンドウの右側に見本が表示されます。色々選んでみて気に入ったものを選択してみてください。同じく「Apply」をクリックするのを忘れないようにしてください。
理由は正確なところよくわかりませんが、エディタの背景を黒に設定するエンジニアが多いように思います。自分も「なんとなくかっこいいから」という理由で黒の背景にしています。中でも関数が赤文字で強調されて表示される「Monakai」を使っています。
プロジェクトの立ち上げ
基本設定を色々と触り終えたところで、今度はプロジェクトについて説明します。
この「プロジェクト」という機能は、あるプロジェクトに関するあらゆるファイルを管理するためのシステムとなっています。例えば、卒論研究で一つのプロジェクトを作っておくことで、そこで使ったスクリプトやデータをそのプロジェクトに紐づけて管理しておくことができます。これは、フォルダを作ってその中にファイルを入れて管理するような形と似たようなイメージです。
このプロジェクトを作っておくことで、例えば、ワーキングディレクトリーを一々設定する手間が省けたり、必要なファイルを整理して見ることができたり、履歴をプロジェクトごとに分けて見ることができたりと、メリットのある機能になっています。
このプロジェクトを開かずに作業を行うことも可能ですし、最初よくメリットがわからないかもしれませんが、便利なので基本的にプロジェクト機能を活用することをお勧めします。
では、早速プロジェクトの立ち上げを行います。
新規でプロジェクトを作るには、まずメニューバーの「File」をクリックして、プルダウンメニューの中から「New Project...」をクリックします。
同じことは、ウィンドウ右上のプロジェクトのアイコンをクリックして「New Project...」をクリックしても行えます。
すると、以下のようなポップアップウィンドウが表示されます。まだフォルダも作っていなくて、まっさらな状態からプロジェクトを立ち上げる場合は「New Directory」をクリックします。
すると今度は以下の画面になるので「New Project」をクリックします。
次の画面でプロジェクトの名前と格納場所を指定します。Directory nameの欄にはプロジェクトの適当な名前を記入し、その下の欄ではプロジェクトの場所を指定します。以下の例ではデスクトップフォルダ上にプロジェクトを作っています。完了したらそのまま「Create Project」をクリックします。するとプロジェクトが立ち上げられた状態になります。
もし既にデータとかを格納したフォルダが作ってあって、そこにプロジェクトを立ち上げたい場合は最初の画面で「Existing Diectory」を選択します。
そして次の画面でプロジェクトを立ち上げたい既存のフォルダを指定してあげます。それで「Create Project」をクリックします。
以上のような形でプロジェクトを立ち上げると、指定した場所にフォルダが作られます。Finderで確認をすると、以下のようなRproj形式のファイルというのがフォルダ内に格納されていると思います。
また、プロジェクトを開いているときはRStudioのウィンドウの右上にプロジェクト名が確認できると思います。
プロジェクトを開いていない場合は「Project:(None)」と表示されているので、クリックして作ったプロジェクトを選択してあげます。
新規ファイルの作成
プロジェクトを作ってそれを開いた状態になったら、ようやくスクリプトファイルを作っていきます。
スクリプトファイルはコードを記録し保存する紙みたいなものです。通常のRスクリプトファイルを作成するには、メニューバーの「File」→「New File」→「R Script」を選択します。
同じことは、左上のアイコンをクリックして「R Script」でもできます。
さらに、キーボードの「⇧」+「⌘」+「N」の3つを同時にクリックすることでも行えます。これは、ショートカットキーと呼ばれる方法で、色々と基本的な操作に割り当てられているので、覚えておくとサクサク作業が進みやすくなります。
いずれの方法でも、以下のように「Untitled_」というようなファイルがスクリプトパネルに表示されると思います。今回はR Scriptという形式のファイルを作成しましたが、R Markdownという形式のファイルなど他にもいくつかのファイル形式が用意されています。
ファイルの保存
ファイルを作成しただけではまだ保存されていない状態です。
保存をするには、メニューバーの「File」→「Save」をクリックするか、
ウィンドウ上部の「Save Current Document」のアイコンをクリックするか、
あるいはショートカットキーの「⌘」+「S」を同時にクリックします。このショートカットキーは特によく使うので覚えておくと良いと思います。
いずれの場合でもポップアップウィンドウが表示されるので、ファイル名を記入して「Save」をクリックします。
これでファイルが保存されます。Fileタブを確認すると、今保存したexample1.Rというファイルが表示されていると思います。ちなみに、勝手に付け足されている「.R」という文字列は、ファイルの形式を指定する拡張子と呼ばれるもので、Rスクリプトファイルには全てこの「.R」が付けられます。
以上がRStudioの基本的な画面の見方とファイルの作成・保存方法になります。