このブログは弥生 Advent Calendar 2025の9日目の記事です。
本記事では、紹介する書籍の内容については触れません。
技術書も読みたいけど、英語の勉強もしたい。でも時間が足りない。
ソフトウェアエンジニアをやっていると、どうしても「技術書を読みたい欲」と「英語も勉強しなきゃ」という2つの気持ちが出てきます。
私の場合、技術書は月に2〜3冊読むぐらい好きで、業務でのパフォーマンス向上や体系的な知識の学習に欠かせません。
一方で、英語力も鍛えたい。海外の技術ブログや公式ドキュメントは英語中心ですし、シンプルに英語力が高いほうがキャリアの幅も広がります。(あとかっこいい)
ただ、問題は時間です。毎日8時間働きながら自分で家事もして、空いた時間の中で「技術書も読みたいし、英語もやりたい」を両立させるのは結構むずかしい。
そんなジレンマを抱えたまま、ずっとモヤモヤしていました。
“最強?の勉強法”が脳内にひらめいた
そんなある日、C#について情報収集していたらこんなものを発見しました。
よく見ると、それはO’Reillyの原書。
C#についてのO’Reillyの書籍は、「プログラミングC# 第8版」「C# クックブック」しか存在しないと思っていたので、まさに青天の霹靂でした。
そのほかにもいくつか調べてみると、日本語に訳されていない C# の書籍がこれ以外にも存在することが分かりました。よく考えてみれば当然で、まず原書があり、それを日本語版として出版しているだけなのだから、原書に目を向ければ手に取れる技術書の選択肢が一気に広がるわけです。
そしてこの瞬間、脳内で電流が走りました。
“英語 × 技術書 → 一石二鳥 最強の勉強法なのでは…?”
技術に関する理解を深めながら、英語の読解力も鍛えられる。
どちらかを犠牲にする必要がない。これは理想の学習法では?
ということで、思いついたその日にはもうAmazonで購入ボタンを押していました。
選んだ本の紹介と購入プロセス
購入した書籍について
今回私が購入した書籍はこちらです。

Concurrency in C# Cookbook Second Edition
選んだポイントは以下2点です。
- ページ数が251ページと少なめなので、英語でも挫折せずに済みそう
- 並行、非同期処理についての理解を深めたかった
ちなみに、この表紙に描かれている動物はマレージャコウネコ(palm civet)です。ジャコウネコはコーヒーチェリーを好んで食べ、その糞から取り出したコーヒー豆が最高級のコーヒーである「コピ・ルアク」になることで有名ですね。
気持ち悪いけどぜひ飲んでみたいと思っていたのですが、本書の序文ではこれについて以下のように言及されています。
アメリカ・スペシャルティコーヒー協会によれば、「コピ・ルアクはただまずいだけ」とのこと。
らしいです。残念。![]()
注文から手元に届くまで
Amazonでペーパーバッグ版を購入しました。価格はなんと送料込みで 7,470円。正直かなり高いのですが、「最強の勉強法」を試すためだと思って購入しました。(英語の参考書も合体していると考えれば高くないと自分に言い聞かせたり…)
注文時は「到着まで1ヶ月かかる」と案内されていましたが、実際は約2週間で届きました。

日本語版とは違って、ペーパーバックなのでブックカバーがありません。
いかにも洋書って感じがしてワクワクします。
実際に読んでみた
実際に読み始めて、最初に思ったのはこれです。
「英単語が難しい」
洋書を読むのは今回が初めての経験だったのですが、想像していたよりも多くの知らない単語が出てきて圧倒されました。例えば、「defecate」「attics」「horrendous」などなど。ひとつひとつ調べながら読み進めていく必要があったので、これは一筋縄ではいかないなと覚悟を決める必要がありました。
ちなみにchapter1に入るまでに1時間かかりました。(かかりすぎ)
と思っていたら、単語が難しいのは序文だけでした。
本題についての文章ではそれほど難しい単語が出てくることはないので、英語自体は思いのほかサクサク読み進められます。どちらかといえば、シンプルに内容の理解に時間がかかったという印象です。
どのように読み進めていったか
読み始めてすぐ、「これは電子版で読んだほうがよかったかもしれない」と感じました。というのも、前述のようにつまずくポイントの多くは英単語がわからないからではなく、内容自体が難しくてイメージしづらい場面だったからです。もちろん英語特有の表現が引っかかることもありましたが、それ以上に、概念理解が追いつかなかったり、説明の背景がつかみにくかったりするところが頻繁に出てきました。
紙の本だと、こうした “理解があいまいなまとまり” を生成AIに質問するために、必要な部分をいちいち手入力しなければならず、かなり手間がかかります。それに、生成AIにはできるだけ段落単位のような大きめの文章を渡したほうが文脈をしっかり把握した上で解説してくれるため、細切れの文章だけを入力しても誤解が起きやすいと感じていました。
そこで、一度本をスキャンして iPad に取り込み、電子版のように扱うことにしました。これなら段落ごとに文章をコピーして、手軽に必要な箇所を丸ごと生成AIに渡せるので、回答の精度も自然と上がります。
読み進め方はシンプルで、理解が怪しい部分にマーカーを付けて段落ごとコピーし、そのまま生成AIに投げる。そして、返ってきた説明を踏まえてノートに学びをまとめ、理解できたら次へ進む。このサイクルをひたすら繰り返しました。
特に効果を感じたのは、英文自体は読めるのに内容がつかめない部分への対応でした。段落をそのまま渡すことで、生成AIが前後の文脈を踏まえて背景や概念の補足をしてくれ、時には本に書かれている以上の知識まで引き出せることもありました。
解説を読んでいて分からないことや、より深く理解を深めたいことが出てきたら、それについての質問を対話的に投げ続けることが可能なので、よく分からないけどとりあえず進めるということがほとんどなくなりました。
もちろん、事実確認に気をつける必要があることや、質問しながら進む分だけ大幅に時間がかかるといった注意点もあります。
私は実際にはやっていませんが、ChatGPT を利用する場合は、それ専用のプロジェクトを作成しておき、その「指示(Instructions)」に解説のフォーマットなどを指定しておくのも良いかもしれません。
終わりに:原書学習は本当に“最強”なのか
結論から言うと、本記事で紹介した「技術書を英語で読む」という学習法は、必ずしも“最強の勉強法”というわけではありません。
実践してみて気づいたのは、思っていたほど劇的な効率アップは起きないということです。
当初は、英語と技術の学習を同時に進めることで、同じ時間の中でも学習量が単純に倍近くに増えるだろうと楽観していました。いわば“並列処理”のように効率よく進められるはずだと。
しかし実際に取り組んでみると、現実はもう少し地味で、常に英語と技術を同時に処理できているわけではありませんでした。実際にはどちらかに集中し、次にもう一方へ切り替え、また戻って…というように、結局は“並行処理”のような動き方になっていたのです。
当たり前ですね。![]()
とはいえ、メリットも間違いなくあります。
- 英文を読む習慣がつく
- 英語に対する心理的ハードルが大きく下がる
- 技術文書でよく使われる表現が自然と身につく
- 海外の技術記事や公式ドキュメントが読みやすくなる
- 英語と技術に対してバランスよく時間を割けるようにはなり、学習の偏りが減る
- 文章を時間をかけてじっくり読むようになることで、結果的により深く探究する習慣が身につく
何より、“英語で技術書を読む” という学び方は単純に楽しい。日本語の文献ばかりを探していては出会えなかったものに出会える可能性もあります。
その「楽しめる」という感覚が、継続の最大の原動力になります。
最強の勉強法とまでは言い切れませんが、有用性は高いし、体験としても価値がある学習方法だと感じているので、今後も定期的に実施しようと思います。
もしこの記事を読んで興味を持ったなら、ぜひ一度試してみてください。
普通に日本語で技術書を読むより負荷はありますが、想像するほど高いハードルではないかもしれません。それこそChatGPTなどの生成AIを利用すれば、英語があまり得意でなくてもほとんど問題なく読むことができると思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。![]()
「こんな方法も効果的だよ」みたいなのがあれば教えていただけると嬉しいです。
追記
買ってから気づいたのですが、O’Reillyのサブスクに入れば日本語版が読めるようになっていました。
英語で読むということにこだわらないのであれば、こちらを利用するのも良いかもしれません。ただ料金がそれなりにするのと、文章はAIで翻訳したものらしいので結構微妙かも。
Concurrency in C# Cookbook 第2版




