実家にあったIO DATAのLCDディスプレイのLCD-A173Vが壊れたのでいじってみました。
チップのマーキングから2004年くらいの製品のようです。
このディスプレイは以前にもコンデンサーが膨らんでいて取り替えて修理して使えていたのですが、その後また壊れてしまいました。
電源が入った時や信号が出た瞬間は表示されるのですが1秒もせずにブラックアウトします。
ブラックアウトしても信号は認識していて、入力がある時はLEDが緑に点灯しています。信号がなくなるとオレンジです。
この機種の故障はネットで調べると沢山ページがあります。おおよそ以下のようなパターンのようです。
- 電解コンデンサーの劣化
- 半田のクラック
- 2SC5706の故障
- レギューレータのONOFF回路のスイッチのTRの故障
手元の基板は表面実装部品がちょっと斜めになっていたり、結構作りは荒いです。
コンデンサーは怪しいのは取り替えて、半田も一通りリワークしてみたのですが、直りません。
2SC5706が壊れて短絡するケースもあるようなので、外して抵抗値を確認してみましたが全て問題なかったで、元に戻しました。
ネットで検索して見ていると2SC5706が一つ壊れて、同じような症状のページがありました。
この機種はバックライト用のインバーターが2系統あり、1系統に2つ2SC5706が使われています。
2SC5706や代替えになる2SC5707は入手が困難なようですが、マルツの提携先在庫にはあるようです。
いろいろ調べていたら同じ製品のサービスマニュアルが出てきました。
Q203,Q204(8ピンSOP FET)の左側がレギュレーター部分で、右側がインバーター部分のようです。インバーターはDCから高電圧のACを作っているようです。
一つ壊れたのであれば、半分暗いとかで表示しそうなものと思ってました。
一通りサービスマニュアルの確認手順を見てみましたが、問題が見つかりません。
レギュレータ回路はROHMのBA9741F(上の回路図では同等品のTL1451)を使っています。このチップは2系統あるので、それぞれにまったく同じ回路がぶら下がっています。
BA9741Fのデーターシートを眺めていると、保護回路(SCP)があり、どちらかで異常がある場合には両方とも出力を停止するようです。保護回路の時定数は15番ピンのコンデンサー(C207)で設定されます。これが一瞬だけ表示される理由です。
私のところの故障は2SC5706ではなく片方のバックライト自体が壊れて、通電しなくなったために異常検知されていたようです。
いろいろ調べましたが、バックライトのケーブルを一つ外して交互に確認すると、片方がつかないのが確認できました。また完全にバラしてつかない方のソケットにつく方のコネクタを接続すればインバーターかバックライトの切り分けができます。
古い製品なので、レギュレータ部分で少し発振が聞こえ、当初レギュレータを疑ったので、ちょっと手こずりました。
とりあえずバックライト一つでも気になるほど暗くはなくムラもないので、一つだけで使うことにしました。
お勧めできないので、細かいことは省きます。
こちらの方はバックライトを交換されてようです。
ヤフオクで中古動作品が2000-3000円くらいなので、壊れたものを危険をおかして修理してまで使う必要があるかは、かなり微妙です。ただ製造後10年以上経ち故障例も多いので動作品でもすぐに壊れてしまうかもしれないので、どちらにしてもお勧めしません。