GartnerのHype Cycle for Emerging Technologiesに出てくる技術が、年を経過するとどのように線上を辿るのかを追ってみました。2002年から2018年のHype Cycleを見てます。
パターン
綺麗に推移するパターン
黎明期から幻滅期へ綺麗に推移するパターンです。以下の3つとBig Dataぐらいで、ほとんど例はありませんでした。
Hype Cycleには2008年に初めて現れました。Amazon EC2のベータ版が初めて公開されたのが2006年8月、Google App Engineのベータ版は2008年4月に公開されてます。
ピークから現れるパターン
急に注目を集めたことで、黎明期を飛ばして、過度な期待のピーク期からHype Cycleに出てくるパターンです。
Deep Learningが大きな注目を集めたILSVRCは2012年です。
ビットコインの利用開始が2009年、イーサリアムのベータ版リリースが2015年、R3の設立も同じく2015年です。
黎明期から上がれないパターン
黎明期のままピーク期へ移行できないパターンです。以下の3つは特に黎明期が長い例です。
まとめ
長期間、Emerging TechnologiesのHype Cycleに現れる技術自体が少ないです。2〜3年で消える(注目されなくなる、または主流になる)技術が多い。そのため、Emerging Technologiesに関しては、過去のHype Cycleと比べるのではなく、その年のHype Cycleだけ見ればよいです。
黎明期の下の方から流行期の上まで上がった例は、ほとんど見られませんでした。今後流行る技術を先取りするのにEmerging TechnologiesのHype Cycleを使うのは向かないでしょう。
黎明期が長い技術はあるが、ピークに長く居続ける技術はありませんでした。長くても3年程度で幻滅期に入るようです。現在がピークかどうかを見るためにHype Cycleを使うと良いと思います。
主流への採用までの年数が線上のマークとして示されており、△が10年以上、濃い青の◯は5〜10年、薄い青の◯は2〜5年となっています。主流というのがあいまいというのもあり、過去の経過を見ても、その時点の評価においても、役にたっているようには見えません。技術の成熟度を見るのには、Hype Cycleは使えないでしょう。