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NotebookLM を利用したスライド作成で気になったことについて調べてみた

Last updated at Posted at 2025-12-24

はじめに

本掲載は 株式会社TRAILBLAZER Advent Calendar 2025 24日目(クリスマスイブ) の記事です。

TRAILBLAZERでデータサイエンティストをしている今村です。
データコンサルティング事業部に所属して分析業務とかやってる人みたいです。

分析業務に取り組むにあたり、社内では様々な業務効率化ツールを試していますが、
Google 社が提供するアシストツール NotebookLM すごいですよね。
特に私は スライド作成 を多用しております。

より効率的な運用を実現するため、
ツールを利用をしている先駆者様の知見をかき集めておりますが、
その中で気になったことがあり、本記事で紹介してみようと思います。

何が気になったのか

NotebookLM を活用して目的のスライドを生成することは皆の願いであり、
素晴らしき先人により様々なプロンプトが公開されていると思います。ありがたや。

スタイルや編集の容易にする創意工夫されたプロンプトが見つかる中、
フォントの指定が含まれているプロンプトがいくつかあることに気づきました。

「何でフォントの指定が気になったの?」ということですが、
現行モデルにおける画像出力の性能は、テキスト表現が依然として弱い印象を持っており、
「この指定って効果あるのか?」と思ったからですね。

普段使いでスライドを作成している際も、画数の多い漢字(随とか遺とか)が含まれると
高確率で判別不能な文字として描画されることがあったので余計に。

入力に対する内部的な動作は、

  • エディタのようにフォントを出力するプログラムの結果
  • イラストやアイコンなどの画像出力

の結果が統合されて生成されている...わけではなく、
一枚絵として出力しているのかなと理解していました。

そのため、効果の期待できないプロンプトが出力結果に与える影響の度合いは、
画像系の専門ではないので詳しい人にご教示頂きたいと思いますが、
「少なくともノイズを条件・制約として与えてもそこには向かわないんじゃないの?」
くらいに、思っていました。

ということで、この記事では
「フォントの指定はたぶん意味ないんじゃないの?」
という疑いを軽く調べて紹介してみます。

どうやって調べるの?

注意
フットワーク軽やかに調べた内容なので、
「おい、その検証方法はサイエンティスト名乗ってるのにどうなんだ!」などは
平にご容赦ください。。。もちろん実務はしっかりやるよ!!

研究とかではないので、さっくりいきます。
調べたいことは
「 NotebookLM がカスタムプロンプトによるフォント指定をどの程度忠実に反映するか」
ということなので、以下の4ステップで確認します。

1. インプット情報

NotebookLM に入力する情報源には、
ウェブサイト を指定し弊社のホームページを追加しました。

2. 検証用プロンプト

比較のため、以下の4つのパターンを用意しました。
生成されるスライドの「表紙」を対象に指示しています。

選定は有名どころと特徴的なものを抜粋しました。

No 区分 カスタムプロンプトの内容 狙い
1 デフォルト (指定なし) 標準フォントの確認
2 Google系 表紙のフォントは「Noto Sans JP」にしてください Google製ツールとの親和性が高いフォント
3 OS標準 表紙のフォントは「メイリオ」にしてください 一般的なシステムフォントの認識確認
4 特徴的書体 表紙のフォントは「HGS行書体」にしてください デザイン性が高く、変化が判別しやすい書体

3. フォント検出素材

各プロンプトによって生成されたスライドプレビューの表紙から
フォントが確認できる文字部分を切り出します。
比較できるように原則として同じ文字を抽出します。

「何でカスタムプロンプトで指示しなかったの?」かについては、
しっ...シンプルにしたかったので、、、

4. フォントの判定

主観による判定を排除するため...というのもありますが、
デザインは超絶門外漢すぎるので「見た目」による判定は勘弁してください。

そんな中、今回の判定にとても都合が良い Web サービスを見つけました。
なので、OCR もできる Gemini くんを含め、3つの手段によってフォント判定を行います。

なお、判定ツールにおいて複数のフォントが判定された場合、
最も可能性が高いとされたフォントを採用します。

(判定ツール1) Font Journey (モリサワ)

(判定ツール2) フォトから、もじシティ

(判定ツール3) Gemini
生成された画像をGeminiに読み込ませ、
「この画像に使用されているフォントは何か?」と推論させました。

結果

各プロンプトで生成されたスライドの表紙を比較した結果、以下のようになりました。

No 指定フォント 生成されたフォント (判定ツール1) (判定ツール2) (判定ツール3)
1 なし なし.jpeg A P-OTF じゅん ProN I-OTF-GゴシックPro B Shorai Sans(松籟サンス)
2 Noto Sans JP NotoSansJP.jpeg Ro平成角ゴシック体Std I-OTF-GゴシックPro B Noto Sans JP
3 メイリオ メイリオ.jpeg ヒラギノUD角ゴ StdN FOT-レイルウェイ Std B ヒラギノ角ゴ
4 HGS行書体 HGS行書体.jpeg A P-OTF 黎ミン Pr6N I-OTF明朝オールドPr6 E A-OTF リュウミン (モリサワ)

結論

もちろんのことですが、この結果だけで結論を導くのは

  • 選択したフォントのバイアス
  • 検証したサンプルの少なさ

と、課題ありありです。

しかしながら、「できるか、できないか」と、聞かれると、これはでき...ない、
という結論になるんじゃないでしょうか。
少なくとも単純なプロンプトでは難しいというのが体感です。

ただ、完全に無意味かと聞かれると、そんなこともなく、
No. 4 の HGS行書体 については、資料全体が和のテイストになっており、
同じ文字を抽出した No. 2 や No. 3 と、素人目でも異なることがわかるので、
指定したフォントの雰囲気は出力に影響を与えているように思えます。

なのでフォントを指定する際は、うまくいけば何らかの形でくみ取ってもらえる
お気持ち表明程度ということで理解します。

さいごに

どうでしたでしょうか。
何か気になることについて、自分なりに簡単でもいいので調べて書くのって楽しいですね。
私はとりあえず走ったので、皆さんの今後の走破に期待します。

NotebookLM が高機能化する速度は尋常じゃないので、
この記事の内容も数日後には過去の出来事になってるかもしれません。
(執筆時点で作成したスライドの編集機能が実装されるみたいな話もあるので...)

(強引ですが)TRAILBLAZER ではそんな環境変化の激しい中、
小さなことでも気になって調べて、一緒に悩んで改善してくれる仲間を募集しています。
興味のある方は、ぜひ応募してください!!

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