Jetson Nanoで遊ぶためのコスト

はじめに

Jetson Nanoを購入したため金銭的および時間的なコストを紹介する。

金銭的なコスト

経験上、あまりコスト削減すべきでないのは「電源」と「SDカード」である。

電源をケチると電力が足らずに不安定になり万病の元である。公式ページに推奨は5V,2Aの電源と書かれていたが、モジュールを追加することを考えると最低3Aはあったほうが良い。実際にワットチェッカーでサンプル動作時に計測すると10Wを超えることがある(無線LAN+カメラ付き)。

SDカードは容量と速度に注目。スワップ領域の作成や各種データを置くことを考えると最低32GBは必要となる。速度が遅いとすべての作業がそのまま遅くなるためV90対応のもの(転送速度90MB/s)を探したが数万円することから断念した。消耗品であることも考慮して5000円未満のものを探し最終的にV30対応の128GBとした。

電源タップは新たに購入した。差し込み口の余裕は心の余裕である。電源を指す場所がないと都度探すことになり作業が中断してしまう。最近では三端子の電源口に加えてUSBによる給電も増えているので、Jetson Nano専用にタワー型電源タップを用意した。

ワットチェッカーは電力確認用として持っておくのは便利。万が一15Aを超えるようなことがあれば別の電源を購入する予定である。

品名	価格	備考
Jetson Nano	14,472円
Jetson Nano用金属ケース	3,799円	2019年6月10日
Raspberry PI用電源セット (5V 3.0A)	1,580円
ACアダプター(5V 4.0A)	1,580円	2019年6月10日
microSDXC 128GB UHS-1 U3 V30	3,980円
7インチ Raspberry Pi用タッチモニター	8,960円
電源タップ タワー式 ACx8個 USBx4個	3,760円
キーボード (トラックポイント付き)	0円(流用)
無線LAN (バッファロー WLI-UC-G301N)	0円(発掘)
無線LAN	3,024円	安定しないので取り外し
FAN (Noctua NF-A4x20 PWM)	2,660円	購入ミス
FAN (Noctua NF-A4x20 5V PWM)	2,792円	2019年6月16日
ネジ M3x15mm (FAN取り付け用)	496円	2019年6月16日
ワットチェッカー	0円(発掘)
カメラ(Logicool C920)	0円(流用)
合計	32,752円	2019年5月19日現在
合計	38,932円	2019年6月4日現在
合計	44,311円	2019年6月8日現在
合計	47,103円	2019年6月16日現在

またこの後買ったほうが良いと思っているのは無線LANとFAN。古い無線LANは通信速度が遅い&電力増加の主原因であり、またFANに関しては一度熱くなりすぎてシャットダウンしたため夏を越すために必要と考えている。 2019年6月4日にFANと無線LAN(ドングル)が届いた。FANはネジを購入するのを忘れてお預け状態。無線LAN(ドングル)は不安定なので取り外し(6/5)。そろそろノートPCが買える金額に近づいた(6/8)。FANを間違えて12V PWMを購入したため再度5V PWMを購入(6/16)。

なおランニングコストはワットチェッカーを信じるならば今のところ1日あたり数円程度。1ヶ月経過して52.50円(6/23)。

時間的なコスト

無線LANに使ったモジュールが古いためか、あるいはクロックを上げていないせいか現時点では切り分けできていないが、とにかくネットワークの通信速度が遅い(100〜200kB/s)。そのため導入直後のパッケージのアップデート(sudo apt update後に sudo apt upgrade)に時間を要した。最終的にセットアップに要した時間は下記の通り。

項目	時間	備考
配線	10分
イメージダウンロード	約30分	JetPack 4.2
イメージ書き込み	約35分	balenaEtcherを使用
起動	3分
起動後設定	10分
パッケージ更新	数時間	apt upgrade
その他インストール	数時間	Tensorflow, PyTorch etc.

実際には上記の作業を数回繰り返している。これは自分のこだわりのせいだが、以下のような信念を持つ人はたぶん同じことになるので注意。

• apt-getとpip3を混同させたくない人
• 非公式レポジトリでパッケージ管理を不安定にさせたくない人
• pip3 installにsudoを使いたくない人