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CTOの存在意義と価値証明

Last updated at Posted at 2021-12-24

はじめに

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Merry Christmas ! トラストバンクCTO 山崎/やまけん( @yamaken66 )です。

AdventCalendarも最終日です。 同じタイミングでたくさんの最終記事が各社/各分野から上がっているかと思います。

最初に、Advent Calendarに参加されたみなさん。おつかれさまでした!!!!
どんな記事を書いた人も、等しく発信することに価値があると思っていますので、ぜひぜひ今後も発信を続けていき日本としてのエンジニアコミュニティにおいて情報のオープン化を私達で進めていきましょう!

CTOとしての1年

CTOとしてトラストバンクに入社したのが2020年5月。
そこから1年半の自己評価の通信簿をつけていきます。

やったこと- 1 - 採用強化

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まず開発組織について、最大の資産は「人」ということで、人材要件の整理と採用について動き出しました。

外部から採用に協力してくれる専門家を招聘し、人事と協力しつつあまり活用できていなかったWantedlyなどのメディアを再活用し、CTOが直接ヘッドハンティングする活動をスキーム化し、カジュアル面談では必ず最初からCTOが同席するというスキームを動かしています。

その結果、エンジニア採用の活動が活性化し、次の仲間を作っていくのがエンジニア自体の仕事であるという文化も醸成されました。

チャレンジ度: ★★★ 達成度: ★★ 組織化/スキーム化は出来ていますが、野心的な採用人数には達せず達成度は低い・・・


やったこと- 2 - データ基盤構築

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事業として何をやっていくとしても、その仮設を導き出す因子だったり、仮設の検証するための手段が必要となります。
社内に「常に正しいデータ」を「誰も触れる状態である」 が重要であると考えています。

そのような最適な基盤が社内に無かったため、過去に繋がりのあった方々に協力してもらい、半年でデータ基盤の立ち上げまで完遂しました。
現在GCPのBiqQueryで構築されており、社内のデータ・リソースはほぼ全てBigQueryに接続され、データサイエンス含む多くの施策がここをベースとして生まれています。

チャレンジ度: ★★★★★ 達成度: ★★★★ 目的はほぼ達成。もっとカジュアルに社内の非エンジニアがデータ分析できるようにしていきたい


やったこと- 3 - Innovation/進化を常に動かす

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目の前の案件を開発することも非常に重要ですが、それだけでは何も進化がありません。
進化なき組織は死に至ります。

以下のプロジェクトを発足しました

  • インフラ先進化、AWS移行プロジェクト

こちらは、結構Buzzった以下の記事に詳細が記載されています
ふるさとチョイスのSREとしてこの1年やってきたこと

  • フレームワーク刷新

fuelphpで作成されている部分を含め、既存を新しく、新しく作るものはそもそも新しく。という考え方で、マイクロサービスアーキテクチャを導入し、PHP最新バージョンとLaravel最新バージョン、AWSもECSを利用して完全仮想化して刷新を進行しています。

  • フロントエンドの先進化

現状、PHPがテンプレートエンジン経由で書き出すHTMLで構成されているページを、より動的にシームレスなユーザー体験を実現するために、SPA/SSR/BFF化などを推進しています。

チャレンジ度: ★★★★ 達成度: ★★★ なんだかんだ既存業務が多くInnovationを止めて既存業務をする為に予定どおり進捗できませんでした。 10月からはInnovation専任組織(CTO室)を立ち上げました。


やったこと- 4 - 組織改革

私はCTOとして、課題解決できる人こそ課題に直接的に向き合う方が本質的である。
という信念をもっています。

それはもう、同じような話を沢山発信していますのでgoogleで検索してみてください。
google検索一覧

そのためには、組織も課題に直接向き合う必要があり以下の3つの組織改革を実施しています。

1. スクラムチーム創生

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元々は、「開発部」という名前のリソースプールに近い組織だったエンジニア組織ですが、「課題を直接的に解決する組織にする」という強い発信とともに、スクラムチームを2つ立ち上げました。

立ち上げに際しては、スクラムの日本国内における第一人者だる江端さん(ebacky)さん率いるOdd-e Japanにコーチとして入っていただき、現在はスクラムチームで案件を創出しスプリントを廻す、超高速事業貢献チームが2つ立ち上がっています。

2. SREチーム創生

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元々、インフラ運用は外部リソースに依存しており、社内に知見者が少なく属人的なボランティアに近い責任不明確な状態でインフラが運用されていました。

SREチームを創生することを社内で宣言し、一人目のSRE ( @Tocyuki )を採用し、二人目のSRE ( @butadora )も採用し、やっと組織として動きはじめました。
ここから、この2人が爆速的にDevOpsを推進し現在に至ります。


3. QA改革

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色々な会社にQAが存在し、現在では一般的な存在として認知されつつあるQAですが、まだまだ日本のドメスティックな環境でのQAは「テスター」という扱いを受けがちです。

QAの「Q」は、機能的な部分だけでなく、魅力的な部分、ユーザー体験まで昇華しますし、QAの「A」はテストの実行ではなくあるべき要件の提言までがスコープであるべきです。

QAチームのマインドが徐々に変化し始め、以下のような記事を発信するまでに、この1年で昇華しました。

技術者の穴を埋める、非技術者視点の業務についての話


4. 外部発信

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このAdvent Calendarもそうですが、エンジニアこそが最も外部に発信するroleでありたいと思っています。
コロナの影響もあり、1つの会社への帰属意識よりも、個人としての働き方がより重視される環境へ世界全体が移行しつつあります。

その際に、自分自身の市場価値を裏付けるのは、自分自身の発信です。発信しない能力は能力として顕在化しません。

私はCTOとして、一緒に働く仲間の市場価値にコミットしたいと考えていますし、市場価値をあげることができる環境を提供することが結果として、ビジネスに対するコミットメントを生む環境になるのだと思っています。

チャレンジ度: ★★★★ 達成度: ★★★★★ まだまだゴールには通いですが、組織に対しては多くの発信をして多くの変化を促進した1年半であったと思います。


振り返り CTOの存在意義

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ここに書ききれないぐらい多くのチャレンジをしました。

泥臭いこともしましたし、何か困難が降ってきたときには自身も1エンジニアとして困難に立ち向かう覚悟も常に持っています。
全ての障害/インシデントには当事者として向き合ってきたつもりです。

ただし、CTOは「手触り感」があり、他者よりもスキル面において「優位的な位置」にある環境にしがみついては絶対にいけないと考えています。
会社のフェーズにもよりますが、エンジニアとして常に正しく常にコードレビューで神のような振る舞いをするCTOの率いる組織に成長は無いと信じています。

自身が「最強である」というポジションは心地よいですが、全く再現性がないですし、自分の最大公約数の組織しか作れません。
そしていつか、自分を超える存在に出会った時に、保身的な感情になり排他的な行動を取るでしょう。

私がCTOの存在意義として「本当に最も、最も大事にしていることは以下の4つです」

  • CTOこそが、誰よりも未来を考えて行動していること
  • CTOこそが、誰よりも権限に固執せず権限委譲の重要性を理解していること
  • CTOこそが、誰よりも業務に必要な知識を学び続け成長していること
  • CTOこそが、誰よりも最終的な窮地で「The last man」として振る舞えること

この4つを体現するために、私はトラストバンクに所属し、CTOとしての役割が付与されていると考えています。

そして、この全てが委譲できる人を作っていくことが私の最終的なミッションだと考えています。


最後に

Trustbank AdventCalendarも本日をもって終了です。
今まで外部への発信に対して奥手なエンジニア組織でしたが、今回のAdventCalendarのチャレンジを通して外部発信に対するマインドが社内で大きく変化したことを感じました。

同じスピード、いやもっと早いスピードで組織/会社を進化させていきます。
興味ある方はぜひ、カジュアルにトラストバンクへメッセージください。

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