Oracleをインストールするときに便利なOracle Preinstallation RPMの補足

便利なOracle Preinstallation RPM

Oracle Database 12c時代に、Linux版Oracleのインストール支援ツールOracle Preinstallation RPMを会社のWebで紹介した。いまでも基本は同じだが、いくつか変わっているので差分を紹介する。

以前書いたブログ
かなり詳しく書いたつもりなので、興味のあるかたはどうぞ。

• Oracleインストール支援ツールを使う（1）
• Oracleインストール支援ツールを使う（2）
• Oracleインストール支援ツールを使う（3）

変わったところ

• Oracle Linux以外でも使えるようになった。以前はUEKと依存性があったためRed Hatでは使えなかった。
• 18cや19c、21c用がリリースされた。基本的に同じ仕組みなので、おそらく21c用でも新しいDBバージョンにも代用できる。
• LANGが日本語でもエラーログが出なくなった。

バージョンごとのRPMパッケージ名
これまでパッケージ名がコロコロ変わっていたので要注意。

• 11.2： oracle-rdbms-server-11gR2-preinstall
• 12.1： oracle-rdbms-server-12cR1-preinstall
• 12.2： oracle-database-server-12cR2-preinstall
• 18c： oracle-database-preinstall-18c
• 19c： oracle-database-preinstall-19c
• 21c： oracle-database-preinstall-21c
• 23c： oracle-database-preinstall-23c

yum search "oracle-database-preinstall*"で検索すると、新バージョンに対応したパッケージを探せる。

Oracle Preinstallation RPMは、Oracle Linux 7までは標準リポジトリに含まれていたが、Oracle Linux 8ではAppStreamリポジトリに含まれている。インストレーションガイドでは、有償サポートユーザー向けのULNからインストールする方法が紹介されているが、ULNユーザーでなくてもOracle Preinstallation RPMを使用できる。

さあ実験くん

Oracle LinuxのUEK（Unbreakable Enterprise Kernel）と依存関係を確認する。何も表示されないので、UEKを持たないRed Hat Enterprise Linuxでも使用できることがわかる。

# yum deplist oracle-database-preinstall-19c | grep uek
★何も表示されない

ログファイルには実行している内容が出力される。ログを見る限り、これまでと同じようだ。またLANGが日本語でもエラーが出ていなかった。

19c用をインストール

yum install oracle-database-preinstall-19c

/var/log/oracle-database-preinstall-19c/backup/＜実行した日付＞/orakernel.log

Adding group oinstall with gid 54321
Adding group dba with gid 54322
Adding group oper with gid 54323
Adding group backupdba with gid 54324
Adding group dgdba with gid 54325
Adding group kmdba with gid 54326
Adding group racdba with gid 54330
Adding user oracle with user id 54321, initial login group oinstall, supplementary groups oinstall,dba,oper,backupdba,dgdba,kmdba,racdba and  home directory /home/oracle
★以下省略

RHELで使用するとき

Oracle Preinstallation RPMはRHELのリポジトリには含まれていない。そのため事前にyum.oracle.comからダウンロードする必要がある。ブラウザもしくはwgetでダウンロードできる。

RHEL7: http://yum.oracle.com/repo/OracleLinux/OL7/latest/x86_64/
RHEL8: https://yum.oracle.com/repo/OracleLinux/OL8/appstream/x86_64/

RHELをRHNに登録してRHELリポジトリが有効になっている状態で、次のように実行すれば必要なパッケージをインストールできる。

19cの例

yum localinstall oracle-database-preinstall-19c-1.0-2.el7.x86_64.rpm