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OCI Computeでブロックボリュームをマウントする

Last updated at Posted at 2019-05-13

マニュアルやチュートリアルにも書かれているテーマだけれど、その内容がイマイチなので、ここで整理したい。

0. 対象環境

  • Oracle Cloud Infrastructure Compute
  • Linux系OS

1. なぜブロックボリュームのマウントについて書くのか

ブロックボリュームのマウントはCompute(IaaS)を利用する際に、もっとも基本的な操作の1つである。ところがOCIのマニュアルやチュートリアルを読むと、心配になるほど貧弱な記述であることに気付く。

Oracle Cloud Infrastructure日本語マニュアル
  Getting Started - Block Volumeの追加
  ボリュームをアタッチ
  ボリュームに接続
Oracle Cloud Infrastructure英語マニュアル
  Attaching a Volume
  Connecting to a Volume
  Getting Started - Adding a Block Volume

具体的には

  • OCIのブロックボリュームはgptだし、最大32TBまで可能なのに、なぜfdisk使ってるの?
  • 今どき論理ボリュームマネージャ(LVM)は使わないの?

追記:クラウドではボリュームを簡単に拡張できるので、LVMを使わないことも多い。fdiskのgpt対応については、Oracle Linux 7でもexperimental(実験的)フェーズなのでpartedを推奨。
2024/06追記:本記事を執筆した時点ではLVMを使用していなかった。しかし、少なくとも現在Oracle Linux 8以降ではLVMを使用している。そのためボリュームの拡張方法が異なるので注意すること。本文ではLVMを使用していない構成で書いているので、そのあたりは状況に応じて操作して頂きたい。

さらに「チュートリアル : Oracle Cloud Infrastructure を使ってみよう」の「ブロック・ボリュームをインスタンスにアタッチする - Oracle Cloud Infrastructureを使ってみよう(その4)」では、下記のように作成中でごまかしている始末。うーん。

3. (オプション) ボリュームのフォーマットおよびマウント(作成中) 以下のように修正された。

その後、実際にボリューム上にデータを配置する際には、各OS上で適切なファイルシステムを構築して利用してください。

ということで、次にわたしが理想的と考えている方法を説明する。

今回は「Oracle Linux 6」「Oracle Linux 7」「Oracle Linux 8」を使用しているが、CentOS 6/7/8は当然のこと、RHEL系のディストリビューションでも同じハズだ。さらに純粋なLinuxコマンド部分だけについて言えば、AWSやAzureでも通用する内容にしたつもりである。

またLVMを使わない方法は、別エントリーに差分だけを書くことにする。クラウドではLVMを使わないほうが一般的だ。

2. デフォルトのディスク情報を確認する

実際にコマンドを実行する箇所ではOracle Linux 7を使用する。7と8では、ほぼ同じ操作だ。またOracle Linux 6は大きく違うときに限り併記する。

2-1. ディスク構成を確認する

まずデフォルトのディスク構成を確認する。するとブートボリュームとして/dev/sdaがあり、UEFI構成になっていることがわかる。

OL7まで
$ lsblk
NAME   MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sda      8:0    0 46.6G  0 disk
├─sda2   8:2    0    8G  0 part [SWAP]
├─sda3   8:3    0 38.1G  0 part /
└─sda1   8:1    0  512M  0 part /boot/efi
OL8以降
$ lsblk
NAME               MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sda                  8:0    0 46.6G  0 disk
├─sda1               8:1    0  100M  0 part /boot/efi
├─sda2               8:2    0    1G  0 part /boot
└─sda3               8:3    0 45.5G  0 part
  ├─ocivolume-root 252:0    0 35.5G  0 lvm  /
  └─ocivolume-oled 252:1    0   10G  0 lvm  /var/oled

2-2. パーティション構成を確認する

続いてパーティション構成を確認する。するとパーティションテーブルは従来のMBRではなくgptになっている。またファイルシステムは、Oracle Linux 7=xfs、Oracle Linux 6=ext4になっている。

表示だけならばfdisk -lで確認できるが、fdiskのgpt対応はexperimentalフェーズなので推奨しない。partedやgdiskが推奨である。とくにpartedは対話的に実行しない方法が提供されているのでオススメである。gdiskはgpt対応のfdiskクローン。

Oracle Linux 8以降

# parted -l
Model: ORACLE BlockVolume (scsi)
Disk /dev/sda: 50.0GB
Sector size (logical/physical): 512B/4096B
Partition Table: gpt
Disk Flags:

Number  Start   End     Size    File system  Name                  Flags
 1      1049kB  106MB   105MB   fat16        EFI System Partition  boot, esp
 2      106MB   1180MB  1074MB  xfs
 3      1180MB  50.0GB  48.8GB                                     lvm

Oracle Linux 7


# parted -l
Model: ORACLE BlockVolume (scsi)
Disk /dev/sda: 50.0GB
Sector size (logical/physical): 512B/4096B
Partition Table: gpt★
Disk Flags:

Number  Start   End     Size    File system     Name                  Flags
 1      1049kB  211MB   210MB   fat16           EFI System Partition  boot
 2      211MB   8801MB  8590MB  linux-swap(v1)
 3      8801MB  50.0GB  41.2GB  xfs★

Oracle Linux 6:

# parted -l
Model: ORACLE BlockVolume (scsi)
Disk /dev/sda: 50.0GB
Sector size (logical/physical): 512B/4096B
Partition Table: gpt★

Number  Start   End     Size    File system     Name  Flags
 1      1049kB  211MB   210MB   fat16                 boot
 2      211MB   8801MB  8590MB  linux-swap(v1)
 3      8801MB  50.0GB  41.2GB  ext4★

また上記の結果からもわかるが、pvsで確認すると、論理ボリュームマネージャ(以降LVM)が構成されていないことがわかる。

# pvs
★何も表示されない★

3. コンシステンス・デバイス・パスとは

ブロックボリュームをマウントする方法には、デバイス名として従来通りUUIDを指定する方法と、コンシステンス・デバイス・パスを指定する方法がある。コンシステンス・デバイス・パスは以下の条件を満たすときに使用できる。

  • Oracle-Provided Image
  • Linuxベースのイメージ
  • 2018年11月以降のイメージで2019月1月11以降に再起動している

筆者が調べた限りでは、LVM環境ではコンシステンス・デバイス・パスは利用できなかった。パーティション内の論理ボリュームを認識できないためだと思われる(2019/5)。

3-1. リブートするとデバイス名が変わる問題

Linuxでリモートストレージを使用する場合、デバイス追加などが発生すると、再起動時にデバイス名が変わる可能性がある。そのために導入されたのがコンシステンス・デバイス・パスだ。コンシステンス・デバイス・デバイス名はリブートしても変わらないので、安心して/etc/fstabに指定できる。

また従来の方法でもUUIDを指定すれば、リブートによるデバイス名変更の影響は受けない。コンシステンス・デバイス・パスは、UUIDよりも人間にリーダブルな方法と考えていいだろう。ただし制限事項もあるので、どちらを利用するかは使用しているイメージやLVM使用の有無、既存環境との互換性などを考慮したうえで選択して欲しい。

3-2. コンシステンス・デバイス・パスの確認方法

コンシステンス・デバイス・パスはブロックボリュームアタッチ時に指定でき、管理コンソールでも確認できる。以下のようなDevice Pathになっているときは/etc/fstabで**/dev/oracleoci/oraclevdc1**のようなデバイス名を使用できる。
consistentpath.jpg

3-3. 従来のUUIDを使用する

今回はLVMを使用するので従来のUUIDを使った方法を主体に説明する。コンシステンス・デバイス・パスについては補足にとどめる。マニュアルの参考箇所は以下の通り。

4. インスタンスにブロックボリュームを追加する

実際にブロックボリュームを作成し、Computeインスタンスにアタッチする。アタッチとは、オンプレミスで言うところの「ケーブル接続」という感覚に近い。

4-1.ブロックボリュームを作成する

Computeと同じADにブロックボリュームを作成する。今回はvolume-phx-ad-t-orcl01-ol7というブロックボリュームを作成する。

4-2. ブロックボリュームをアタッチする

コンソールやCLIなどで、以下の条件でボリュームをアタッチする。

  • ATTACHMENT TYPE : Paravirtualized
  • BLOCK VOLUE NAME: volume-phx-ad-t-orcl01-ol7
  • DEVICE PATH: /dev/oracleoci/oraclevdb
  • IN-TRANSIT ENCRYPTION: not check(disable)
  • Access: Read/Write

ヒント
ブロックボリュームのアタッチ方法には、ParavirtualizedとiSCSIの2種類がある。現在払い出すインスタンスは「仮想マシンはParavirtualizedもしくはiSCSI」「ベアメタルはiSCSI」を使用できる。

Paravirtualizedのほうが手順は簡単だが、iSCSIのほうがIOPS性能に優れている。どちらを使用するかは、以下のマニュアルを読んで決めて欲しい。

「iSCSIのほうが性能がいい」ということだったが、筆者がテストしたところ大きな差はみられなかった。ただしiSCSI接続は、Enterprise SLA(Performance)を適用する前提条件になっている。

手順は以下のエントリを参照のこと。

4-3. 追加したブロックボリュームを確認する

再びディスク情報を確認すると/dev/sdbがアタッチされている。


# lsblk
NAME   MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sdb      8:16   0   50G  0 disk★追加したボリューム
sda      8:0    0 46.6G  0 disk
├─sda2   8:2    0    8G  0 part [SWAP]
├─sda3   8:3    0 38.4G  0 part /
└─sda1   8:1    0  200M  0 part /boot/efi

またコンシステンス・デバイス・パスを指定したので、/dev/sdbに対し/dev/oracle/oraclevdbというシンボリックリンクが作成されている。

# ls -l /dev/oracle*
total 0
lrwxrwxrwx. 1 root root 6 May 13 04:22 oraclevda -> ../sda
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 04:22 oraclevda1 -> ../sda1
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 04:22 oraclevda2 -> ../sda2
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 04:22 oraclevda3 -> ../sda3
lrwxrwxrwx. 1 root root 6 May 13 04:37 oraclevdb -> ../sdb★

5. 作成したブロックボリュームをインスタンスで使えるようにする

今回はアタッチしたボリュームを以下の構成で設定する。

  • デバイス名: /dev/sdb
  • LVM: 使用
  • マウントポイント: /mnt/vol01
  • ファイルシステム: xfs

/dev/sdbの代わりにコンシステンス・デバイス・パス(/dev/oracleoci/oraclevdb)も利用できる。ただしLVMでは使用できないので、今回は/dev/sdbを使用する。

5-1. 手順全体の流れ

手順全体は以下の通り。LVMを使うと、それなりに手順が複雑になる。逆にLVMを使わないときは、2から4の手順を省略できる。

  1. ディスクパーティションを作成する
  2. LVMのPV(物理ボリューム)を作成する
  3. LVMのVG(ボリュームグループ)を作成する
  4. LVMのLV(論理ボリューム)を作成する
  5. ファイルシステムを作成する
  6. インスタンスにマウントする

LVMについては一定の知識が必要になる。詳細は以下のマニュアルを参考にすること。

5-2. ディスクパーティションを作成する

partedを使ってLVM用のディスクパーティションを作成する。/dev/sdbに対し、gptフラグとLVMフラグを付け、ディスクの全サイズを割り当てている。

またset 1の行は「1番目のパーティションにLVMのフラグを付ける」という意味である。そのためLVMを使用しないときは最後の"set 1 lvm on"が不要である。partedの詳細はpartedチートシートなどを参照のこと。

1回実行バージョン (末尾の\は改行を入れる目的で付けている。削除して1行で実行してもよい)

# parted -s -a optimal /dev/sdb \
   mklabel gpt \
   mkpart primary 0% 100% \
   set 1 lvm on

分割実行バージョン

parted /dev/sdb mklabel gpt
parted -a optimal /dev/sdb mkpart primary 0% 100%
parted /dev/sdb set 1 lvm on 

再び確認するとパーティションが作成されている。

# parted /dev/sdb print
Model: ORACLE BlockVolume (scsi)
Disk /dev/sdb: 53.7GB
Sector size (logical/physical): 512B/4096B
Partition Table: gpt
Disk Flags:

Number  Start   End     Size    File system  Name     Flags
 1      1049kB  53.7GB  53.7GB               primary  lvm

次の手順は省略してよいが、作成したパーティションに対応した、コンシステンス・デバイス・パスも作成されていることがわかる。

# ls -l /dev/oracleoci/oraclevd*
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 07:39 /dev/oracleoci/oraclevdb1 -> ../sdb1lrwxrwxrwx. 1 root root 6 May 13 04:22 /dev/oracleoci/oraclevda -> ../sda
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 04:22 /dev/oracleoci/oraclevda1 -> ../sda1
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 04:22 /dev/oracleoci/oraclevda2 -> ../sda2
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 04:22 /dev/oracleoci/oraclevda3 -> ../sda3
lrwxrwxrwx. 1 root root 6 May 13 07:01 /dev/oracleoci/oraclevdb -> ../sdb
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 07:39 /dev/oracleoci/oraclevdb1 -> ../sdb1★これ

5-3. LVMの物理ボリュームを作成する

作成したパーティション/dev/sdb1にLVMの物理ボリューム(PV)を作成する。

# pvcreate /dev/sdb1
  Physical volume "/dev/sdb1" successfully created.

pvsで物理ボリューム確認すると、物理ボリューム/dev/sdb1が作成されている。

# pvs
  PV         VG Fmt  Attr PSize   PFree
  /dev/sdb1     lvm2 ---  <50.00g <50.00g

5-4. LVMのボリュームグループを作成する

ボリュームグループ(VG)vg01を作成し、前のステップで作成した物理ボリューム/dev/sdb1を割り当てる。

# vgcreate vg01 /dev/sdb1
  Volume group "vg01" successfully created

vgsでボリュームグループを確認すると、ボリュームグループvg01が作成され、空き容量50GBになっている。

# vgs
  VG   #PV #LV #SN Attr   VSize   VFree
  vg01   1   0   0 wz--n- <50.00g <50.00g

5-5. LVMの論理ボリュームを作成する

論理ボリューム(LV)lv_dataを作成し、ボリュームグループvg01の全サイズを割り当てる。サイズを指定するときはlvcreate -L 20G -n lv_data vg01のように指定する。

# lvcreate -l 100%FREE -n lv_data vg01
  Logical volume "lv_data" created.

lvsで論理ボリューム確認すると、論理ボリュームlv_dataが作成されている。

# lvs
  LV      VG   Attr       LSize   Pool Origin Data%  Meta%  Move Log Cpy%Sync Convert
  lv_data vg01 -wi-a----- <50.00g

再びボリュームグループを確認すると、lv_dataに全サイズを割り当てたため、空きはゼロになっている。

# vgs
  VG   #PV #LV #SN Attr   VSize   VFree
  vg01   1   1   0 wz--n- <50.00g    0 ★VFreeがゼロになっている

また以下のデバイスファイルが作成されている。/dev/vg01/lv_dataと/dev/mapper/vg01-lv_dataは共に/dev/dm-0のシンボリックリンクである。

# ls -l /dev/vg01/lv_data
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 07:39 /dev/vg01/lv_data -> ../dm-0

# ls -l /dev/mapper/vg01-lv_data
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 07:39 /dev/mapper/vg01-lv_data -> ../dm-0

今回はpvsやvgs、lvsを使用しているが、pvdisplay、vgdisplay、lvdisplayなどを使用すると、もっと詳しい情報を表示できる。

/dev/oracleoci/oraclevd*を確認すると、論理ボリュームlv_dataに対応したデバイスファイルが追加されていない。そのためコンシステンス・デバイス・パスはLVMに対応していないと判断した。

# ls -l /dev/oracleoci/oraclevd*
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 07:39 /dev/oracleoci/oraclevdb1 -> ../sdb1lrwxrwxrwx. 1 root root 6 May 13 04:22 /dev/oracleoci/oraclevda -> ../sda
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 04:22 /dev/oracleoci/oraclevda1 -> ../sda1
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 04:22 /dev/oracleoci/oraclevda2 -> ../sda2
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 04:22 /dev/oracleoci/oraclevda3 -> ../sda3
lrwxrwxrwx. 1 root root 6 May 13 07:01 /dev/oracleoci/oraclevdb -> ../sdb
lrwxrwxrwx. 1 root root 7 May 13 07:39 /dev/oracleoci/oraclevdb1 -> ../sdb1

5-6. ファイルシステムを作成する

Oracle Linux 6ではext4、Oracle Linux 7 / 8ではxfsのファイルシステムを作成する。

Oracle Linux 7 / 8:

# mkfs.xfs /dev/vg01/lv_data
meta-data=/dev/vg01/lv_data      isize=256    agcount=4, agsize=3276544 blks
         =                       sectsz=4096  attr=2, projid32bit=1
         =                       crc=0        finobt=0, sparse=0, rmapbt=0, reflink=0
data     =                       bsize=4096   blocks=13106176, imaxpct=25
         =                       sunit=0      swidth=0 blks
naming   =version 2              bsize=4096   ascii-ci=0 ftype=1
log      =internal log           bsize=4096   blocks=6399, version=2
         =                       sectsz=4096  sunit=1 blks, lazy-count=1
realtime =none                   extsz=4096   blocks=0, rtextents=0

Oracle Linux 6:

# mkfs.ext4 /dev/vg01/lv_data
mke2fs 1.43-WIP (20-Jun-2013)
Filesystem label=
OS type: Linux
Block size=4096 (log=2)
Fragment size=4096 (log=2)
Stride=0 blocks, Stripe width=256 blocks
3276800 inodes, 13106176 blocks
655308 blocks (5.00%) reserved for the super user
First data block=0
Maximum filesystem blocks=4294967296
400 block groups
32768 blocks per group, 32768 fragments per group
8192 inodes per group
Superblock backups stored on blocks:
        32768, 98304, 163840, 229376, 294912, 819200, 884736, 1605632, 2654208,
        4096000, 7962624, 11239424

Allocating group tables: done
Writing inode tables: done
Creating journal (32768 blocks): done
Writing superblocks and filesystem accounting information: done

ext4では、デフォルトで5%のリザーブ領域を確保する。データ領域にリザーブ領域は不要なのでゼロに変更する。心配性ならば1で。xfsには同じ仕組みが無いので実行しない。

# tune2fs -m0 /dev/vg01/lv_data
tune2fs 1.43-WIP (20-Jun-2013)
Setting reserved blocks percentage to 0% (0 blocks)

ここまででブロックボリューム側の準備ができた。次に作成したブロックボリュームをマウントする。

5-7. ブロックボリュームをマウントする

残りの作業はあとわずかだ。マウントポイントを作成して、マウントするだけである。ただし、UUIDもしくはコンシステンス・デバイス・パスのどちらかで/etc/fstabの記述が異なる。利用環境に応じて設定すること。

5-7-1. マウントポイントを作成する

マウントポイント用のディレクトリを作成し、オーナーをopcに変更する。各自の環境に読み替えて適宜変更して欲しい。

# mkdir /mnt/vol01
# chown opc:opc /mnt/vol01

5-7-2. UUID用の/etc/fstabを作成する

UUIDでデバイス名を指定するので、lsblkで該当デバイスのUUIDを調べる。

# lsblk -o +UUID
NAME   MAJ:MIN RM  SIZE RO TYPE MOUNTPOINT UUID
sdb      8:16   0   50G  0 disk
└─sdb1   8:17   0   50G  0 part            Lobmfv-K3tR-2lzz-Zizs-eQx4-iF8E-9nmeca
  └─vg01-lv_data
       252:0    0   50G  0 lvm             f451d63f-1692-44ea-ad37-82ffa3313226 ★これがlv_dataのUUID
sda      8:0    0 46.6G  0 disk
├─sda2   8:2    0    8G  0 part [SWAP]     8c83c999-ef07-40b5-b001-9658556502d3
├─sda3   8:3    0 38.4G  0 part /          eb7fd29b-a114-4e5e-8926-a6f4a541d605
└─sda1   8:1    0  200M  0 part /boot/efi  52AE-1880

UUIDはlsblkで確認するが、次のように逆引きもできる。

# findfs UUID=f451d63f-1692-44ea-ad37-82ffa3313226
/dev/mapper/vg01-lv_data

以下のように/etc/fstabを作成する。

# vi /etc/fstab
★末尾に以下の行を追加する
UUID=f451d63f-1692-44ea-ad37-82ffa3313226  /mnt/vol01 xfs defaults,_netdev,nofail 0 2

それぞれの意味は次の通り。
1番目:デバイス名
2番目:マウントポイント
3番目:ファイルシステムのタイプ
4番目:ファイルシステムのマウントオプション
5番目:dumpコマンド実行時に対象にするか。対象にするときは1
6番目:fsckの実行順序。ルートファイルシステムは1。それ以外は2。対象外にするときは0

この中でもっとも重要なのが「_netdev」と「nofail」である。_netdevはネットワーク系のサービスが起動してからマウントするオプションで、リモートストレージでは必須。またnofailはディスク障害などでマウントできないときは、マウントをスキップして起動するオプションである。

「nofail」を指定しないとリモートディスク障害時にOSが起動できなくなる。また/etc/fstabに追加エントリがあるカスタムイメージを作成すると、そのカスタムイメージを使ってComputeインスタンスを作成してもOSが起動できない。

5-7-3. コンシステンス・デバイス・パス用の/etc/fstabを作成する

LVMを使用しないときは、コンシステンス・デバイス・パスとUUIDのどちらも使用できる。コンシステンス・デバイス・パスを使用するときは以下のように/etc/fstabを作成する。

# vi /etc/fstab
★末尾に以下の行を追加する
/dev/oracleoci/oraclevdb1 /mnt/vol01 xfs defaults,_netdev,nofail 0 2

5-8. ファルシステムをマウントする

ファイルシステムをマウントすると/mnt/vol01に約50GBのブロックボリュームが追加されていることがわかる。

# systemctl daemon-reload
# mount -a
# df -h
Filesystem                Size  Used Avail Use% Mounted on
devtmpfs                  7.2G     0  7.2G   0% /dev
tmpfs                     7.3G     0  7.3G   0% /dev/shm
tmpfs                     7.3G  8.6M  7.3G   1% /run
tmpfs                     7.3G     0  7.3G   0% /sys/fs/cgroup
/dev/sda3                  39G  2.1G   37G   6% /
/dev/sda1                 200M  9.7M  191M   5% /boot/efi
tmpfs                     1.5G     0  1.5G   0% /run/user/1000
/dev/mapper/vg01-lv_data   50G   33M   50G   1% /mnt/vol01 ★この行が追加

6. おわりに

「partedやLVMを使おうぜ」って、つもりで書き始めたのだが、新機能のコンシステンス・デバイス・パスに少し苦戦。従来通りUUIDを使用することにした。またLVMを利用するとレイヤが増えるのでパフォーマンスが低下するという人もいるが、微々たるものだろう。結局のところ利便性とのトレードオフだ。

今回はデータ領域用に新しくブロックボリュームを追加したが、既存のボリュームを拡張する方法もある。これはオンプレミスのベアメタルサーバでは難しい芸当だろう。

  • ブートボリュームを拡張
  • 既存のブロックボリュームを拡張

拡張時の操作はLVMよりも複雑になるが、LVMを使いたくないユーザにとっては便利な選択肢になる。詳しくは以下のマニュアルやエントリを参照のこと。賢いLinuxライフを!

7. まとめ

  • ディスクサイズを増やす方法には、ブロックボリュームを追加する方法と、既存のボリュームを拡張する方法がある
  • partedを使うと、gptパーティションや非対話的にパーティションを作成できる
  • マウントオプションに「_netdev」と「nofail」は絶対指定する
  • ブロックストレージを追加するとデバイス名が変わる可能性があるので、コンシステンス・デバイス・パスかUUIDを使用するべし
  • コンシステンス・デバイス・パスは便利な機能だがLVMでは使えない(使う方法があるってかたがいたら教えて)

8. コピペ用まとめバージョン

コピペ用の手順は以下の通り。7/8系OSでの利用を想定しているが、6系OSでも実行可能。ext4がいいときには変更すること。最後の/etc/fstabへの追加はシェルスクリプトにすれば可能だが、コピペでだけで実現したかったので元ネタを提供。

  • 追加したディスク:/dev/sdb
  • ファイルシステム:xfs
  • マウントポイント:/mnt/vol01

LVMを使わないときのサンプルコピペはコチラのリンク先を参照のこと。

LVM使用バージョン
# パーティション作成
parted -s -a optimal /dev/sdb mklabel gpt mkpart primary 0% 100% set 1 lvm on

# LVM設定
pvcreate /dev/sdb1
vgcreate vg01 /dev/sdb1
lvcreate -l 100%FREE -n lv_data vg01

# ファイルシステム作成
mkfs.xfs /dev/vg01/lv_data

# マウントポイント作成
mkdir /mnt/vol01
chown opc:opc /mnt/vol01

# /etc/fstab元ネタ。次の3行をマージして末尾に追加する
echo UUID= ; lsblk -o +UUID | grep vg01-lv_data | awk '{print $NF}' ; echo "    /mnt/vol01 xfs defaults,_netdev,nofail 0 2"
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