今年の4月に投稿した現在のandroid端末の解像度と今後とこれからが定期的にストックされつづけていたこともあるので、最近の情報に合わせた2014年冬版を書くことにしました。
ちなみに今回はandroid端末のカテゴリ(ldpiとかxxhdpiとか)にはほとんど触れませんので、詳細は公式のガイドラインか、4月版の記事を参照ください。
Supporting Multiple Screens | Android Developers
現在のandroid端末解像度
ハンドセット(電話)端末
フラッグシップ界隈
7月にauからisai FL(LGL24)が発売されたのを皮切りに、国内でも2560x1440の端末が増え始め、「フラッグシップモデルは2K(WQHD)解像度」の時代に突入しようとしています。
Googleもこの動きを無視することはできず、Nexusシリーズの最新機種であるNexus 6では2K解像度のディスプレイを搭載しています。
isai FL(イサイ エフエル) LGL24 | スマートフォン | au
Nexus 6|スマートフォン|製品|Y!mobile(ワイモバイル)
さらに解像度だけでなく、実際のディスプレイのインチサイズも拡大の一方をたどり(おそらく狙ってやっていることではなく、技術的な問題なのでしょう)、2K解像度端末の多くは5.5インチ以上のディスプレイを搭載し、もはやハンドセットなのかファブレットなのか、よくわからない状況となっています。
※ちなみに当時、「ファブレット」として発売された初代Galaxy noteのディスプレイは5.3インチでした。
ここから来年もさらに高解像度を進んでいくかと思いきや、(ハンドセットに関しては)2K解像度以上のものは登場していません。もしかしたら、このまま2K解像度を維持しつつ、いったんインチサイズを縮小する動きがあるかもしれません。
ただし、これはあくまでも「いまは出てきていない」だけの話なので、3K(2880x1620)や4K(QFHD:3840X2160)解像度の端末が今後出てこないことはまったくないでしょう。あくまでも「まだ出てきていない」だけです。
新たな勢力・MVNO+エントリーモデル
さらに2014年はMVNOの動きが活発化し、MVNOのセット商品としてSIMフリーモデルの低価格端末の登場が目立ちはじめてきました。
大半は大量に仕入れた型落ち中華端末が多かったのですが、有名メーカーが「エントリーモデル」として製造した、低スペック低価格のモデル端末も現れています。中華メーカー製と違い、名前の知られたメーカー端末ということもあり、これならと手を出すユーザーもいるかと思われます。
ポラロイド 3.5インチ エントリーモデル スマートフォン「pigu」
特筆すべきはポラロイドのpigu。3.5インチで解像度は480x320しかありません。
デベロッパーには、「ポラロイドが2014年に新機種でmdpiのハンドセット端末を出しました」と伝えた方が、その恐ろしさが伝わるかもしれません。
「高解像度が増える」ではなく「高解像度も増える」の時代に
そういった理由で、国内情勢だけで見ればハンドセット端末の解像度の平均は増加しつづけるだけだと思ったので「海外展開も考えるなら、低解像度の端末のことも考えなきゃダメですよ」と4月版に書いていましたが、国内でも低解像度端末のシェアの動きを注目した方が良さそうです。
タブレット端末
国内状況
タブレットに関しては大きな変化はなく、7インチタブレットであればせいぜいフルHD程度、10インチ程度であれば2K(WQXGA:2560x1600)止まりと、大きな動きはありませんでした。
GALAXY Tab S 8.4 | タブレット Wi-Fi | SAMSUNG
ただしジャパンディスプレイが10.1型で4K解像度の液晶モジュールのサンプル出荷を開始しているため、10型4K解像度タブレットの登場も比較的早く登場されると思います。
ニュース&イベント : ニュースリリース | 株式会社ジャパンディスプレイ
国外状況
実はつい最近、国外で10型で4K解像度のタブレットが発表されました。
Intrinsyc、指紋認証センサーやオクタコアプロセッサ Snapdragon 810 搭載 10.1インチ 4K 解像度タブレット「MDP Tablet」発表 | GPad
その他
解像度といえば、4月以降にAndroid TVの発表がされてましたが、そもそものTV放送の映像コンテンツが4K止まりなので、タブレット同様、いったんこれ以上の動きはしばらくないものと思われます。
スーパーハイビジョン放送は8K解像度だそうですが、まだまだ開発中とのことなので、しばらく気にすることはないでしょう。
結論
解像度について
大方の予想どおり、タブレット(主に10インチ以上)以上のディスプレイサイズでは4K解像度を実装しつつありますが、ハンドセットとなると2K解像度でいったん落ち着きを見せているような雰囲気があります。
今後の予想ですが、タブレット端末では引き続き4K解像度の実装が進み、ハンドセット端末はいったんディスプレイサイズの縮小が始まるのではないでしょうか。
ただし、これはあくまでも上限だけを見た話であり、MVNO方面から低解像度の端末が普及を始める可能性も十分あります。4月時点では「今後はどんどん解像度が増えるよ」だけでしたが、2015年は国内向けのアプリでも「高解像度も低解像度もキチンと表示」という重要度が上がっていくのかもしれません。
今後のアプリ開発はどうすべきか
アプリ側で低解像度〜高解像度まで対応、というと、
- ldpi
- mdpi
- hdpi
- xhdpi
- xxhdpi
- xxxhdpi
ハンドセットだけで見ても上記6種類の解像度に対応する必要があります。タブレットまで考えるとx2〜3ほどになります。
それらを全てビットマップ形式の画像で用意しようとすると、画像リソースだけで極端にアプリサイズが肥大化してしまい、現実的ではありません。
また、今後さらに高解像度の端末が誕生するたびに対応が必要となってしまいます。その頻度は決して低くないでしょう。
例え使用するビットマップ形式画像が少なくても、1つの素材につき6種類近くのサイズが必要となることを考えると、これだけで保守性に問題を抱えてしまっているのではないでしょうか。
なので今後は可能な、というか全ての画像リソースはdrawable-svgかdrawable-shapeで実装ことを前提として、それに伴ったデザインも必要になるかと思います。
Android版「マネーフォワード」をマテリアルデザイン対応したときのあれこれ | マネーフォワード エンジニアブログ
Android 5.0からSVG準拠のdrawableが書けるようになりました - WaterCell Developer's Blog
この問題に関しては、アプリ以上にWebサービス(特に写真関連を用いたサービス)は特に無視できる問題ではないですが、今回の話からさらにそれるので省略します。
結論の結論
というわけで長くなりましたが、今後のエンジニアに課せられた使命は、コード(API+drawable)でどこまでの表現が可能なのかを理解した上で、正しくデザイナーに共有し、どんな解像度の端末でも一定の表示を保てる「デザインの保守性」を意識した開発知識が必要になっていきそうです。
そしてそういった情報はまだまだ少ないです。みなさん、どんどんQiitaなどで情報共有していきましょう!(自戒)