グリーンウォッシング の派生用語で、とある集まり で耳にして気になった用語なので簡単にメモ。
openwashing.org による説明
リンク先 をざっと翻訳します。
「製品や会社をオープンなものとして紡ぎ出す。 'greenwashing'から派生したもの」
Michelle Thorn
「独占的なプラクティスを継続しながら、マーケティング目的でオープンソースとオープンライセンスの外観を持っている」
Audrey Watters
オープン・コンテンツ、オープンな教育リソース、オープン・アクセス、オープン・データ、オープン・ナレッジ、オープン・ソース、オープン・スタンダードの文脈における「オープン」という言葉の使用の 見直し は、コミュニティが「オープン」の2つの意味を理解することを示している:
- コンテンツ、リソース、雑誌記事、データ、知識産物、ソフトウェア、または標準への自由なアクセス
- 正式に権利と許可を与え、権利者の排他的に著作権と著作権の多くをユーザーに譲渡することができること
個人、組織、または会社が自分のソフトウェアが「オープン」であると主張すると、ソフトウェアが OSI認可ライセンス に基づいてライセンスされているかどうかを確認します。そうでなければ、彼らはオープンウォッシングです。
個人、組織、または会社が自分のコンテンツが「公開されている」と主張すると、クリエイティブコモンズライセンス の下でライセンスされているかどうか、5R権限 を付与している、またはパブリックドメインに置かれているかどうかを確認します。 そうでなければ、彼らはオープンウォッシングです。
オープンウォッシングが起こっているのを見たら、ハッシュタグ #OpenwashingNominee でソースへのリンクをつぶやきましょう。あなたのつぶやきは、Twitterの記録の下に表示され、保存されます。
特に明記されていない限り、このサイトのコンテンツは Creative Commons Attribution 4.0 Internationalライセンス の下でライセンスされています。
5R権限(5R permissions)って何?
リンク先 を翻訳しておきますね。
-
Retain 保持
コンテンツのコピーを作成、所有、管理する権利
(ダウンロード、複製、保存、管理など) -
Reuse 再利用
さまざまな方法でコンテンツを使用する権利
(クラス、勉強グループ、ウェブサイト、動画など) -
Revise 改訂
コンテンツ自体を適応、調整、変更、変更する権利
(コンテンツを別の言語に翻訳するなど) -
Remix リミックス
元のコンテンツまたは改訂されたコンテンツを他の素材と組み合わせて新しいものを作成する権利
(例えば、コンテンツをマッシュアップに組み込む) -
Redistribute 再配布
元のコンテンツ、リビジョン、またはリミックスのコピーを他のユーザーと共有する権利
(たとえば、コンテンツのコピーを友人に与えるなど)
ライセンス以外の問題
上記の説明は主にライセンス面からの指摘のように思われます。
現在、特に日本において、政府や公共団体、自治体などの推進する オープンデータ に関しては、異なった問題が指摘されています。それは
精神としてはオープンだし、実際に公開はされているのだが、利用者のことはあまり考えておらず活用されていない、数多くのデータ群
です。よく耳にする例としては
- Excel表計算ファイル、Word文書ファイル、PDF文書、画像化された印刷物、フォーマットが微妙に違うCSVテキスト、など様々な形式で公開されており形式の一貫性がない
- 2018/09/24、2018年9月24日、2018年09月24日、平成30年9月24日など表記フォーマットに一貫性がない
- 組織ごとにコード体系が異なり、しかも N対N でしかマッピングできない(分類方法、コード化手法に一貫性がない)
- 参加者は山下・田中・ドナルド・トランプ、のように同じ記号が同じ文脈で別な意味で用いられており機械的に処理できない
などがわかりやすいでしょうか。
善意もあり、実際にオープンに公開する作業もされているのに、標準化の意識が薄かったり、横連携ができていなかったりして、結果としてあまり世の役に立っていない悲しい事例たちです。
悪意はないので「ウォッシング」は言い過ぎですので、個人的には「オープン錯誤」とか「なんちゃってオープン」とか「オープン風なナニカ」などと呼びたいトコロです。
関連記事にある、オープンの「希薄化」という表現も良いですね。
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以下は「オープンウォッシング」でググった、気になるページのメモです。