はじめに
この記事はほとんど私が書いてますが、一部Claudeに手伝ってもらっています
「Slack AIって結局何ができるの?」と聞かれたとき、「要約とか検索とかでしょ」くらいの解像度でしか答えられませんでした。
今回はSlack公式サイトと料金ページを一次情報として読み込み、機能とプランの対応関係、そしてよく混同される「Claude in Slack」との違いまで整理してみました。
Slack AIとは
以前のSlack AIは追加課金の単体アドオンでしたが、現在は各有料プランに機能として組み込まれています。
プランはフリー、プロ、ビジネスプラス、Enterprise+の4段階で、AI機能もこの階段に沿って解放される仕組みになっています。
主な機能は次のとおりです。
- AI検索: 自然言語での質問に対し、ソース付きでAIが回答
- 要約: スレッド・チャンネル・未読メッセージ・ファイルの要約
- Slackbot: パーソナルAIエージェントとして常駐するチャットアシスタント
- ワークフローAI: Workflow BuilderにAIステップを組み込める機能
- 翻訳: メッセージの自動翻訳
- 「今日」ビュー: 優先順位に基づく1日のブリーフィング(アーリーアクセス)
料金プランごとのAI機能対応表
料金ページのトップにある紹介カードだけを見ると、フリープランの欄にまで「AI検索」「Slackbot(パーソナルAIエージェント)」「AIワークフロー生成」といった文字が並んでいて、一瞬「無料でここまで使えるのか」と思いました。
ただし、これは鵜呑みにしないほうがよさそうです。
ページ下部の詳細比較表は、対応アイコンがSVGで実装されており、title属性が「対象」になっているかどうかで対応・非対応を判定できます。
ブラウザの開発者ツールでこれを直接パースしたところ、実際の対応状況は次のとおりでした。
フリープランでは、AI関連の機能は1つも対象になっていません。検索そのものはできますが、AIによる要約や回答生成はすべて有償プラン以上が前提です。
プロプランになると、次の3つが解放されます。
- スレッド・チャンネルの要約
- ハドルミーティングの議事録
- AIアシスタントアプリ(Slackbotとのチャット画面)
ビジネスプラス以上になると、さらに次の機能が加わります。
- Slackbot(パーソナルAIエージェント)
- ファイルの要約
- AI言語翻訳
- AIワークフロー生成
- ワークフロービルダーのAIステップ
- AIによるメッセージの説明
- canvasでのAI文書作成サポート
- AI検索
エンタープライズ検索だけはEnterprise+限定で、ビジネスプラスでも対象外でした。
つまりフリープランでAI機能に触れることはできません。
プロプランでようやく要約系とSlackbotとのチャットが解放され、AI検索や翻訳、ワークフロー生成といった「攻めた」機能はビジネスプラス以上が必要です。
トップのカードコピーはやや誇張気味なので、正確に把握したい場合は比較表まで確認することをおすすめします。
なお価格は執筆時点(2026年9月)で、プロが通常月額1,050円のところ3か月50%オフで525円、ビジネスプラスが通常2,160円のところ1,080円になっていました。
期間限定キャンペーンのため、実際の金額は公式ページで確認してください。
機能を1つずつ見ていきます
料金表だけだと味気ないので、公式サイトのデモ画面も確認しました。
AI検索
検索バーに「Hawksdale Group案件の状況はどうなっていますか?」のように自然文で質問すると、AIが案件のステータスや金額を要約して回答し、根拠となったGoogleドキュメントやSlackメッセージへのリンクを添えて返してくれます。
Slack単体ではなく、Google Drive・Salesforce・Teams・OneDrive・SharePointまで横断して探しに行く点がポイントです。複数のSaaSを掛け持ちしている職場ほど効果を実感しやすいと思います。
Slackbot(パーソナルAIエージェント)
以前の「コマンドに反応するだけの古株ボット」から、「パーソナルAIエージェント」という肩書きに変わっていました。チャンネル画面の横にパネルが表示され、チャット形式でやり取りする体裁になっています。おわり
未読が溜まったチャンネルでは、「53件の未読メッセージ」をワンクリックで要約する動線も用意されており、休み明けのキャッチアップが楽になりそうです。
ワークフロービルダーのAIステップ
ノーコードのWorkflow Builderに、文章生成や分類といったAIステップを組み込める機能です。定型的なやり取りが多いチャンネルほど活用の余地がありそうでした。
「今日」ビュー(アーリーアクセス)
優先順位に基づいて今日何に注意を向けるべきかを示すブリーフィング機能です。
重要案件のフォローアップ、商談準備、To-Doの整理をまとめて見せてくれるとのことでした。
オープンベータへの参加リンクが貼られていたので、正式リリースはこれからの段階のようです。
セキュリティについて
社内データを扱う機能である以上、セキュリティ面は真っ先に確認すべきポイントです。
公式情報によると、次のような構成になっています。
- 自社ホストのLLMをVPC内で動作させ、顧客データがSlackの外に出ない
- メッセージやファイルは外部モデルの学習に使われない
- ハルシネーション抑制の閾値設定
- プロンプトインジェクション対策のコンテキストエンジニアリング
- フィッシング対策のURLフィルタリング
管理者はワークスペース単位でAI機能そのものをオン・オフでき、データソースへのアクセス範囲やユーザー単位の利用可否も管理コンソールから制御できます。
Claude in Slack(Claude Tag)というもう一つの選択肢
ここまでがSalesforce社純正のAI機能ですが、まったく別の系統として、Anthropicが提供する「Claude in Slack」という外部アプリがあります。
2025年10月に登場し、2026年に「Claude Tag」という名前に刷新されました。
Slack AIとの一番の違いは、Claude Tagが「チャンネルに常駐するAIチームメイト」として振る舞う点です。
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@Claudeという共有アイデンティティをチャンネルのメンバー全員が使い回せる - 誰かが投げたタスクの続きを別の人が引き継げる
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@Claude PRを書いてのようにタグ付けすると、タスクを段階に分解し、接続済みのGitHubなどのツールを実際に操作して結果をスレッドに投稿する - 会話を追い続けることでチャンネルの文脈を蓄積し、毎回プロジェクトの説明をし直す必要がない
- アンビエントモードを有効にすると、監視対象のチャンネルやツールから関連情報を能動的に拾ってきたり、放置されたスレッドにフォローアップを入れたりする
現時点ではEnterpriseとTeamプランのユーザー向けにベータ提供という位置づけです。
Slack AIが「対話すれば答えてくれるアシスタント」だとすると、Claude Tagは「タスクを渡すと自律的に動くエージェント」に近い存在といえます。
両者は競合というより、目的が異なるツールとして併存していると考えるのが実態に近そうです。
処理フローを図解します
文章だけだと関係性が伝わりにくいので、両者の流れを図にしました。
Slack AI側はユーザーの質問に対して社内データを横断参照し、引用元付きで答えを返す一往復の流れです。
Claude Tag側はタグ付けを起点にツールを実際に操作し、結果をスレッドに残してチームで共有する、もう一段階自律的な流れになっています。
今後の展望
Slackbotが「パーソナルAIエージェント」という肩書きに変わったこと自体が、次の方向性を示していると考えられます。
単発の質問に答えるだけの機能から、ユーザーの文脈を覚えて能動的に動くエージェントへと役割が広がっていく流れは、Claude Tagが体現しているアンビエントな振る舞いに近づいています。
親会社であるSalesforceはAgentforceという自律型AIエージェント基盤を別軸で展開しており、Slackはその実行環境やインターフェースとして統合が進むと見られます。
チャットツールが「人間同士が会話する場所」から「人間とエージェントが一緒にタスクをこなす場所」へと変わっていく大きな流れの中に、Slack AIも位置していると考えられます。
今回の比較表で見えた機能の出し惜しみも、まずは土台を固めてからエージェント色を強めていく前段階なのかもしれません。
まとめ
Slack AIは、プランによって使える機能がかなり明確に分かれています。
無料でAI機能を試すことはできず、本格的に使うにはビジネスプラス以上が実質的な選択肢になりそうです。
一方でClaude in Slack(Claude Tag)は、対話型のアシスタントというより自律的に動くエージェントという別方向のアプローチで、Slack AIとは補完関係にあると感じました。
比較表をコンソールでパースする作業が一番楽しかったです。
マーケティングコピーと実装の間には温度差があるものだと再確認できました。
次はワークスペースを実際に触って、AI検索の回答精度がどれくらいのものか試してみたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。




