はじめに
これまで、Tor について調べてきましたが、他にもI2P (Invisible Internet Project)というプロジェクトがあるようです。
Tor とは何が違うのか、そして「もう一つのダークウェブ」とも呼べるこのネットワークで何が行われているのか、少し調べてみました。
Tor との違い
以下のように、設計思想が違うようです。
- Tor: 「匿名圏から外(通常の Web)へ出る」ことに特化
- I2P: 「匿名圏の中に留まる」ことに特化
Tor は「匿名で Google を見る」ような用途に向いていますが、I2P は「I2P ネットワークの中だけで完結する経済圏・文化圏」を作ることに最適化されています。
そのため、通信速度や効率において、ネットワーク内部での利用(チャットやファイル共有)に強いようです。
I2P 内部の世界 (Darknet)
I2P ネットワークの中には、通常のインターネットからはアクセスできない独自のサイトやサービスが存在します。
Tor の .onion に対して、I2P では .i2p というドメイン(疑似トップレベルドメイン)が使われます。
1. 匿名ファイル共有ネットワーク
I2P の「中」で最も活発なのは、BitTorrent などの P2P ファイル共有のようです。
通常のインターネットを経由せず、すべてが暗号化されたトンネル内で行われるため、誰が何を共有しているか、外部からは一切観測できません。
検閲国家における情報のパイプラインとして機能しているようです。
2. メタデータを残さないメッセージング
Irc2P などのチャットネットワークが、I2P 内部に構築されています。
中央サーバーに依存せず、通信経路も毎回変わるため、「誰と誰が話しているか」というメタデータ自体が残りません。
追跡が困難な「密室」として機能しているようです。
3. Eepsite (I2P サイト)
Tor の Hidden Services と同様に、サーバーの IP アドレスを完全に隠蔽したまま Web サイトを公開できます。
I2P は双方向のトンネル(Uni-directional tunnels)を使うため、トラフィック分析に対して Tor よりも強い耐性を持つと言われています。
その他の匿名技術
Tor や I2P 以外にも、中央集権的なサーバーに依存しないプロジェクトは存在するようです。
- Hyphanet: 検閲不可能な分散ストレージ
- IPFS: 管理者のいないファイルシステム(※デフォルトでは匿名性なし)
これらは厳密にはダークウェブとは異なるものですが、「特定の管理者に依存しないインターネット」を目指すという意味では、共通の理念を持っています。
まとめ
これまで、ダークウェブの技術について調べてみました。
最初は怪しいイメージがありましたが、匿名性へのこだわりが詰まった場所、という理解も得ることができました。
悪用は厳禁ですが、使い方によっては、非常にいい技術だと思います。