はじめに
今の世の中、様々な技術が発達しておりまして、とても便利になっております。
しかしながら、まだまだ解明されていないと言うか、不思議なことってあるもんなんです。
今日は、そんな不思議なお話です。(実話)
背景
だいぶ昔になりますが、その当時、私は、携帯電話の交換局で作業をしておりました。
携帯電話っていうのは、相手と直接繋がっているようで、そういうわけでもなく、
いくつものサーバーを経由して、ようやく相手と繋がります。
そこは初めて入った現場だったんですが、先に先輩方が作業をされていて、増員で私も行くことになった次第です。
交換局については、こちらをご覧ください。
https://time-space.kddi.com/au-kddi/20190801/2707.html
作業内容
携帯電話にはたくさんの基地局があって、それを束ねているのが交換局です。
そして、その交換局には何百台という数のサーバーがあって、その中に、エリアごとの基地局データが入ってます。
たまに障害で通信や通話ができないことがあると思いますが、だいたい基地局か、交換局のサーバーのどちらかで障害が起きてます。
私の作業は、サーバーに基地局のデータを設定したり、障害が起きた際に、原因を特定する内容でした。
休憩中の出来事
作業にもだいぶ慣れて、合間に休憩するくらいの余裕が出てきたころです。
いつも通り椅子に座って、たくさん並んでるサーバーを眺めてました。
しばらく眺めていると、ふと、サーバーのラックとラックの間を横切るお客さん。
手に何らかの資料を持って、読みながら歩いてます。
なぜお客さんだと思ったかと言うと、見たことがない方だったからです。
初めて見る方だなー、と思いつつ、暇なので、またしばらくサーバーをのんびり眺めてました。
しばらくすると、またサーバーのラックとラックの間を横切る、さっきのお客さんの姿が。
忙しそうだなー、、、と思っていると、また同じように横切る、お客さん。
ここで少し、違和感がありました。
違和感の正体
なぜ違和感があったかと言うと、お客さんはラックの間を左から右に横切りました。
毎回、左から右に横切る。何度見ても、左から右です。
しかし、右側には、出入口が無いんです。
私はサーバールームの入り口から入って右の一番奥にいて、そこから同じ方向を眺めている。
そうすると、そのお客さんが左側に戻るには、私に分からないように私の後ろを通るか、ラックの間を右から左に横切るしかありません。
しかし一度も、右から左には移動してないんです。
私の後ろでは先輩方が作業をしているので、通ったら誰かが気付きます。
知らない通路でもあるのか??と思いながら、また作業に戻りました。
思い切って聞いてみた
それから同じことが何度も起きたので、別の協力会社で、そのプロジェクトで長く、私と仲の良いエンジニアに聞いてみました。
何度も見ているので、特徴は覚えてます。
年代、身長、髪型、髪の色、スーツの色や柄、雰囲気などを伝え、それが誰なのかを聞きました。
その瞬間、青ざめる友人。
彼が唯一、心当たりがあるのが、私が現場に入る少し前に、若くして亡くなった方だったんです。。
過労が原因だったのではないか、と言われていたようですが、
とても真面目な方だったようで、まだお仕事をされていたのかもしれません。
備考
私はてっきり、普通に仕事をしているお客様だと思ってました。
なぜかと言うと、姿がはっきりと見え、資料を持ってらっしゃったからです。
しかし、私しかその方を見ていない、というのも事実なので、そういうこともあるもんなんだな、と思った次第です。
最後に
IT業界には様々な仕事があり、より良いシステム、より安定したシステムのため、様々な方が、日夜働いていらっしゃいます。
自分の仕事に対する責任感も大事ですが、まずは健康であること、それが最優先です。
心の健康も体の健康もどちらも大事なので、困ったときは誰かを頼る癖をつけましょう。
本人だけでなく、周囲の方々も、お互いに声をかけあって、ワークライフバランス(仕事できっちり成果を上げて、プライベートも充実させること)を整えた社会人生活を送りましょう!
追記
第二弾も書いたので、よろしければこちらもご覧ください。
真夏のIT怪談夜話2024 -夜間作業-