はじめに
ホログラムというと今だと「Microsoft HoloLens」あたりを期待してしまった方には申し訳ありません、一昔前に流行ったスマホとCDケースの偽ホログラムの「ペッパーズ・ゴースト」と呼ばれるものです。
経緯
静岡の面白創造会社「monolizm」では月1~2回で「しずおかアプリ部」という勉強会・交流会(有料)をしています。活動ログはQiitaにあります。
メンバーの一人の方が、透明な下敷き(CDケースが硬いので断念)を使用してスマホで見れるホログラムを紹介してくれました。私もスマホで見るホログラムの存在は知っていて、いつかやってみようと考えていましたが、いつかはやってこないまま時が経つもんです。
実際、間近かで見るとやってみたくなるものですね、見学会って大事なんだと思いました。
メンバー間でも大きなもので見てみたいって話題があって、タブレットだとありふれているので、自分がプロジェクターでやってみようと考えました。
プロジェクター
プロジェクターの作成
プロジェクターは欲しいんですが値段が高いので躊躇して今でも持ってないのですが、ポリッドスクリーンやホログラムを調べている際に偶然にネットで100均のルーペとダンボールで作れるというのを知ったので、自作してみました。
材料の準備
ルーペ(レンズ直径90mmと直径74mm)
ブックスタンド(曲げれるもの)、ミラー(横幅15cm程度)、向きを変更できる卓上スタンドミラー、ビニールテープ、輪ゴム、カッター、鉛筆
空箱(ルーペのレンズ直径90mmが付けれる大きさのもの)
今回は幅22cm、奥行28cm、高さ11cm
※上記300円で作るサイトにあるようにルーペが固定できる方法があれば空箱は必須ではありませんが、余分な光が入る可能性はあります。
作成手順
ルーペのレンズ直径90mmを空箱に付けるため、鉛筆でルーペをなぞってからカッターで穴を開けます。くり抜いた紙は後で使います。
ビニールテープでルーペのレンズ直径90mmを付けます。
右横にルーペのレンズ直径74mmを立てた高さに細長い長方形の穴を開けます。これはルーペを移動させてピントを合わせる位置調整用となります。
ルーペの穴をくり抜いた紙を利用して、ルーペを立てる穴を真ん中に開けます。ピントを合わせる際にルーペを移動させる上で倒れてしまうのを防ぐためです。
ブックスタンドを45度より数度多く曲げて、ミラーを輪ゴム3本くらいで止めます。別にビニールテープでがっちり止めてもいいです。
これはルーペが凸型で鏡像になるので、ミラーで打ち消します。45度にするのは、横たわっている像が起き上がって見えるようにするためです。
2008年 7月号> [イチから伝授実験法]作ってのぞこう望遠鏡
簡易3Dホログラムの仕組み 動画
箱に先程のミラーを納めます。スマホは寝かした状態でミラーの下に置くことになります。
スクリーンの作成
白い壁があるならいいですが、部屋には無いためスクリーンを作成します。
A3の画用紙5枚入りが100円ショップにあったので購入しました。
4枚を貼り付けてスクリーンを作成し、これを壁に貼り付けます。
残り1枚はホログラムの型紙で後で使います。
壁(障子)に貼り付けました、夜に電気を消せば気になりません。
スマホの設定
画面はiPhone6の設定ですが、Android端末でも同様の設定をすればいいでしょう。
画面表示の明るさを最大にしておきます。自動ロックは使用中に画面がオフにならないよう「しない」にしておきます。
プロジェクターの動作確認
スクリーンを壁(障子)に貼り付け、スマホで見たい映像をセットして寝かした状態ミラーの下に映像を上下反転した状態で配置します。蓋を閉めて電気を消します。
ピントが合ってないので、横側の穴からルーペを移動してピントを合せます。
コタツの上(50cmくらい)から1m20cm先に高さ42cmくらい(ルーペ2倍が2つ)の大きさで映ります。iPhone6が4.7インチ(6cm)なので7倍程度となります。
本物のプロジェクターのイメージからするとかなり暗いですし、ピントも合せたとしてもぼやっとした感じのままですが、見れないことはないです。
天井に映したい
以前、下記の記事を読みました。
寝かしつけに毎日2時間弱かかっていた子どもがあっという間に寝るようになった秘訣は…「プロジェクター」?
プロジェクターを使って、天井に映画を投影すれば、子どもがそれに夢中になって、上を向いているうちに落ちる(寝る)のではないかと思って。
実際にプロジェクターを購入して運用してみたら、想像以上にうまくいきました。
【2019/08/11追記】
天井に映す絵本プロジェクターをセガトイズが実現しました。
セガトイズ 英語も対応 動く絵本プロジェクター Dream Switch(ドリームスイッチ)
中のミラーを外して今度はスマホを立て掛けます。向きを変更できる卓上スタンドミラーを前面に置きます。(外側のミラーで鏡像を打ち消します。)
映像を上下反転した状態でセットした上で蓋を閉めます。
ピントが合ってないので、横側の穴からルーペを移動してピントを合せます。卓上スタンドミラーの角度と位置を調整して天井に映します。
オフタイマーをセットして30分くらいで電源オフにするといいでしょう。寝る前ですし、逆に暗っぽい方がいいかも知れません。子供なら同じ話でストーリーが分かって脳内補完してくれるでしょうね。
ミニタブレットにしたら画面大きくなるしいいもんですよ。
あと、デジタル絵本を天井に表示してスマホをBluetoothリモコンを使ってページをめくりするようにすれば、上を向きながら読み聞かせが出来ます。
改善案
ルーペを重ねたり拡大率が高いルーペにしたり、LED付きルーペとかに変更するとか改善する余地は色々ありそうです。
2008年 7月号> [イチから伝授実験法]作ってのぞこう望遠鏡
ホログラム
簡易3Dホログラムの仕組み 動画
透明なプラパンが鏡の役割りをしており、鏡を45℃にすると横たわっている像が起き上がって見える。
プラパンに映った像が見えているのだけど、ピラミッドの中に映像があるわけではないし、あくまで2Dであって人物の正面の映像で背面に移動して見たからといって背中が見えるわけではない。
ホログラムの作成
「スマホとCDケースで出来る3Dホログラム映像作ってみた」の記事を参考に5倍の大きさで作成してみました。
自作プロジェクターでホログラム用の動画を映した際に、中央枠が5cmだったためです。
材料の準備
B4サイズの透明クラフトプラパンを4枚、型紙用の用紙(スクリーン作成で余った1枚を利用)、カッター、セロハンテープ、30cmモノサシ
作成手順
スマホ用(上辺が1cm、高さ3.5cm、底辺6cm)なので5倍の大きさ(上辺が5cm、高さ17.5cm、底辺30cm)の台形の型紙を作成します。あと、のりしろ部分を付けてます。
型紙を元に透明クラフトプラパンをカッターで切り取ります、のりしろ部分を折り曲げやすいようにカッターで傷を付けます。4枚をセロハンテープで組み合わせます。組み立てると湯呑みが入る大きさとなります。
スマホ用
透明クラフトプラパンの余った部分で、スマホ用(上辺が1cm、高さ3.5cm、底辺6cm)をついでに作りました。
ホログラムの動作確認
YouTubeのホログラム用の動画にして、自作プロジェクター内にセットしました。スクリーンにはホログラム用の動画が映っています。
壁(障子)に貼り付いているスクリーンに、ピラミッド型のプラパンを手で持っていって横側から除くと、クラゲや地球がソフトボール大の大きさで見ることができました。
無感動
スマホで見たような感動がありません。大きいんですが暗いってのもありますし、本来はいろんな方向で見れるのに、手に持って見てるので一面しか見れないんですよね。
ホログラム関連の動画が見る限り、大きなものは大きな液晶ディスプレイで見るのが良さそうです。
実際に映したプロジェクターやホログラムの画像は暗いので掲載をやめました。
ホログラム映像の作り方
Unityでカメラを4つ作成して、対象物を4方向見れるようにすればいいです。
Pepper's Ghost Hologram Pyramid Unity 動画
Unityではなく、HTMLとCSSによる3Dホログラムを作成してみました。
HTMLとCSSで実現する3Dホログラム
ホログラム映像の活用
ハコビジョンと同様にプロジェクションマッピングでCMとかインテリアとして使うといいですね。特にフィギュアを使ったものは存在感が出る。
その他の技術
最後に
小さな子供がいる方は、久しぶりにDIYしてプロジェクターやホログラムを作ってみてはいかがでしょうか、材料も100円ショップで手軽に仕入れるものばかりだし、家にそもそも材料が揃っている場合もありますよね。
子供に科学の仕組みを理解させるのにもいいし、父親の威厳を見せるチャンスかも知れません。