はじめに
本記事は ぷりぷりあぷりけーしょんず Advent Calendar 2019 の25日目の記事です。
私は、約1年ほど社内サークルとしてエンジニアコミュニティーを運営してきました。
今回のアドベントカレンダーもそのサークル活動の1つです。
活動の内容はアドベントカレンダーの1日目の記事で紹介されています。 リンク
この記事はアドベントカレンダーの最終日になるので、今まで運営をしてきた経験や思うことをポエムのように綴りたい思います。
偏った集団を作りたかった。
現在の私たちのサークルの状態を私は 偏った集団
と分析してます。
私たちのサークルは30人ほどのメンバーが参加してくれていて、それぞれ、Web・インフラ・MLといった様々なバックグラウンドを持っています。
しかし、全員に共通して言えることが、業務後やプライベートの時間を個人開発や自己学習などに当てているいわゆる 意識高い系の人 だということです。
一般的に、まだ運用事例が少ない最先端技術も、サークル内で当たり前のように技術共有があったりするような集団です。
私自身サークル内の感覚で外のエンジニアさんと話をするとサークルのいい意味での異常さを痛感することが多いです。
これだけの集団を作ると社内でも評判が上がります。
実際、社内ではぷりぷりあぷりけーしょんずにいるメンバーは現場での評判が良いとの声をいただいています。
この、 意識が高い人が偏った
集団を作ることは、私にとってサークルを運営する目的の一つでした。
それでは、どうやってこれだけの意識の高い人達をあつめることができたのかと分析してみると、いくかのフェーズごとにやってきた取り組みがうまく機能したのだと考えました。それらの取り組みを順を追って紹介してみます。
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やりたいことベースで人を集めた。
サークルを設立した時のメンバーは3人でした。
まず、設立当初に行ったのが、サークルの目的をアプリを開発すること
に定めて、社内で仲の良い人に声をかけ始めました。すると、普段から個人で開発を行っている数人を勧誘することができました。
私たちのやりたいことに共感して参加をしてくれたようでした。
これによって、メンバーは8人ほどになりました。 -
自由主義 & やったもん勝ちにした。
サークルとして活動をしていくと、集団としての意思決定に難点が発生してしまいました。
サークルとして新しいことをやりたくても、周りのメンバーの承認をとったりする工数が発生して、結果スピーディーに物事が運ばなくなったのです。
そこで、自由主義 & やったもん勝ち
ということをサークルの価値観を1番にしようと決めました。
なにを始めるのも自由。ただし、強制参加はさせない。また何かやったこと、または、やっていることに関して周りが文句を言わないという価値観です。
これによって、誰か1人が意思決定をおこなわず、それぞれがそれぞれのやりたいことをサークル活動としてやっていくという文化をつくり、よりサークルの活動が活発になったと思います。 -
実際の活動に参加してもらって、メリットを感じてもらう。
自由主義 & やったもん勝ち
という文化が浸透してきたころ、サークルの活動がとても活発になってきました。
このときから、定期的にビアバッシュの形式でLT大会が開催されるようになりました。(現在も継続して開催されますが、毎回インタラクティブに質問や議論が白熱してとても盛り上がっています)
開催する場所が社内の提示後の勉強などにも利用されているカフェスペースであったことや、開催する旨を社内のSNSで告知したことによって、その場に居合わせた人や興味本位で来た人に、私たちの活動を見てもらうことができました。そして、活動を見ていただいた人は必ずと言っていいほど、後にサークルに入りたいと言っていただいています。
サークル活動の熱量を目の当たりにして、自分も刺激を受けたいと参加してくれるのです。
この時に熱量が人を呼び、その人が熱量を生む
というサイクルができつつあると感じました。
実際にサークルに参加している人数もとても増えました。 -
コンテキストの違う人を増やした。
メンバーが少ない頃には、Webアプリのバックグラウンドをもった人がほどんどでした。
その影響で、加入してくれる人も同様にWebのバックグラウンドを持った人がほとんどでした。
そこで、インフラのバックグラウンドを持った人達が運営している他のサークルへ声をかけて、一緒にLT大会をしませんか?と声をかけました。
すると、LT大会が終わったのち、登壇してくれたとても優秀なお2人から兼任で加入したいと言っていただくことが出来ました。
彼らは日頃の業務で動かしているWebアプリに関することがわからないので、うちのサークルに所属してキャッチアップをしたいとのことでした。
一度、インフラのメンバーが加入すると、芋づる式にインフラのバックグラウンドを持ったメンバーが加入してくれるようになりました。
MLに関しても同様で、最近は全体の半数くらいがWebアプリではないバックグラウンドを持ったメンバーが所属してくれており、コンテキストが違う人をメンバーにいれることで、飛躍的に人数を増やすことができたと思います。
エンジニアとして成長できる要素
わたしがサークルに所属することで、エンジニアとして成長できるなと感じているポイントを紹介していきます。
技術の感度が上がった。
Slackでの情報共有や、ビアバッシュのLTなどで自分が取りに行かない情報が入ってくるようになりました。
私たちの活動は主に Slack 上で行われています。
そこでは、サークルメンバー全員分の分報チャンネルがあって、各々がいろいろな使い方をしています。
あるメンバーは毎朝の情報収集をルーティンにしているようで、自分の意見も添えて新しい情報を共有してくれています。
また、LT大会で知らない技術に対して、発表者に質問したり議論することで、自分1人では理解できないこともとても理解できるようになったと思います。
常にサークルのメンバーに刺激をもらう。
サークルのメンバーには個人開発や自己学習を活発的に行っている人が多いです。
Slackを開くとそれらの状況が分報チャンネルで共有されるので否が応でも活発な人のLogが目に着きます。
それらのLogをみて、自分も何かに取り組まなくては!と良い刺激をもらえるようになりました。
その道の人に相談できる。
業務や個人開発、自己学習などで詰まったときに、その技術使ってを業務で取り組んでいる誰かに相談できるので、とても助かっています。
また、自分から相談しなくても、困っている旨を分報チャンネルに投稿すると詳しい人がレスポンスをくれるようなケースもありました。
偏ったことによる弊害
先ほど、私たちのサークルを 偏った集団
表現しましたが、これによって弊害も発生しています。
その弊害も紹介していきたいと思います。
作って終わりが多い
サークルの取り組みとして、社内の問題解決を行うためのサービスを作るという取り組みがいくつかありました。
これらのサービスは開発がされて、実際に運用が行われていますが、残念なことに利用者がほとんどいない状態です。
これは、 技術に偏った
人が企画と開発を行ったため、浸透させる努力を怠ってしまったのが、原因だと考えています。
あくまで、技術は手段にすぎません。実際に、問題解決をしようと思ったらそれ以外の要素もきちんと考慮する必要があると思います。しかし、今のメンバーは私を含めてそこに対して関心が薄い人がほとんどです。
なので、使ったがいいが誰にも使われなかったという状況が発生してしまっています。
初学者の人にとってのハードルが上がっている
意識が高い人が増えるにつれて、熟練者に偏った
ので集団としての技術水準がとても上がってきました。
しかし、それによって新しく未経験で入社した人などが、サークルの活動に参加してアウトプットをすることに抵抗を覚える人が増えてしまっているようです。
我々としては、初学者の人のアウトプットはむしろ大歓迎なのですが、そこにギャップが生じている状態です。
まとめ
現在もサークルを運営するに当たっての課題はまだまだありますが、この1年間で培った経験は普通の業務では得られない貴重な体験となりました。
この記事が少しでもあなたの為になれば幸いです。