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Crystal ReportsとFineReportの機能と価格を比較してみた

Last updated at Posted at 2020-06-30

Crystal Reportsは帳票・レポート作成ツールとして、1991年から世界中多くの開発者に愛用されます。ここ数年、Crystal ReportsはSAPに買収され、日本産から海外産まで様々な類似ツールが登場しています。では、Crystal Reportsは今から見れば、どうですか?最近よく使うFineReportと比較してみました。

Crystal Reportsとは?

Crystal Reports(クリスタルレポート)は、開発者が最小限のコードで様々なデータソースから帳票・レポートを作成できる、Windows対応のレポーティングツールです。開発元は複数の買収を経てSAPに変更になりました。
CrystalReportsとは.png

FineReport(ファンレポート)は、表現力豊かなレポートとダッシュボードをほぼノーコーディングで開発し、ブラウザやデバイスを問わず参照、出力できるレポーティング・BIツールです。WindowとIOS対応のデザイナーでレポートを作成し、各種Windows、Linux、UNIX環境でWebシステムやアプリケーションに組み込むことができます。
FineReportとは.png

Crystal Reportsの価格

SAP公式サイトから最新のバージョン「SAP Crystal Reports 2016」をダウンロードし、30日間無料で利用可能です。
Crystal Reports はレポート作成・配布のReportsとBIプラットフォームのServerから構成されます。Reportsは一人当たり495ドル、他の企業向けのプランはオープン価格となります。

Crystal Reportsトライアル:https://www.sap.com/japan/products/crystal-reports.html?overlay=%252Fcmp%252Ftd%252Fsap-crystal-reports-trial.html
CrystalReports価格.png

FineReport公式サイトで最新のバージョンV10.0の体験版が提供され、2ユーザまで同時利用できます。製品版は機能、ユーザ数、サービス、カスタム開発要請などにより課金します。

FineReportトライアル:https://www.finereport.com/jp/trial/

Crystal ReportsとFineReportは同じく簡単なレポート開発に長けていますが、機能上で大きく異なります。以下はデータソース、設計画面、視覚効果などの視点から両者を詳しく比べます。

Crystal ReportsとFineReportの違い① マルチデータソース

Crystal ReportsとFineReportのいずれも、幅広い業務アプリケーションや、RDBMS、Webサービス、JDBC、ファイル、多次元DBといったデータソースに接続可能。それ以外、Crystal ReportsはODBC、FIneReportはNoSQL、JNDI、ストアドプロシージャにも対応します。

FineReportは複数のデータソースからデータを抽出し、1つのレポートに繋げる一方、Crystal Reportsは1つのレポートに1つのデータソースしか利用できません。異なるデータソースを1つのレポートに利用するには、まず1つのデータソースに整理し、それから接続することが必要です。
CrystalReportsデータソース.png

Crystal ReportsとFineReportの違い② 設計画面

両者は明細表、チャート、画像などをマウス操作のドラッグ&ドロップでレイアウトし、レポートをデザインできますが、設計画面が違います。Crystal Reportsは空白画面で項目を配置するので、日本特有の複雑な帳票となると、表の見出しの揃えに大変な手間がかかります。作成時に揃えっても表示や出力時にフォーマットが乱れることがあります。

CrystalReportsUI.png

FineReportはExcelに近いUIを持つため、自由にレイアウトを設計する一方、Excel感覚で複雑な帳票を作成でき、表示、印刷と出力時にもフォーマットが整っています。本当の「見たままデザイン」のレポーティングツールと言えます。

easy-sem.gif

Crystal ReportsとFineReportの違い③ レポートのインポート・エクスポート

Crystal ReportsはExcelファイルからデータセットを作れますが、Excelフォームを元にしたレポート作成ができません。生成したHTMLページはIEブラウザのみで表示されます。ExcelとWordに出力する時、フォーマットが失われることがあります。

FineReportは、Excelフォームの数式もフォーマットもそのままインポートし、レポートを開発します。何の専用モジュールやプラグインが不要で、デザインツールとブラウザの両方からもレポートをExcel,Word,PDF,画像に出力したり、印刷したりすることができます。
Excel帳票インポート.gif

Crystal ReportsとFineReportの違い④ データ収集

データ収集は、エンドユーザがフォームに記入したら、その内容をデータベースに登録するという機能です。スマフォンやペーパレス化の普及により、業務現場においてこの機能が求められます。
残念ですが、Crystal Reportsはこの機能を持っていません。それに対して、データ収集はFineReportの得意機能です。
テキスト、数字、ラジオボタン、プルダウンボックス、日付、ファイル、パスワードなど豊富なウィジェットが用意されるので、ユーザが思い通り入力フォームを設計することができます。それに、データの入力規則を設定しておくことにより、データ入力のミスを防止でき、効率的なデータ収集を実現します。
dataentry-error811.png

Crystal ReportsとFineReportの違い⑤ サービズ導入と組込み

サービズ導入

FineReportのサービスプログラムは、JARパッケージの形式で表示されます。アプリケーションと一緒にパッケージ化し、アプリケーションサーバにデプロイできます。公式サイトでLinux、Windows、IOS向けのデプロイパッケージが提供され、短時間での導入が可能です。

Crystal Reportsのスタンドアロンサーバとレポートファイルを個別にインストールする必要があり、アプリケーションと一緒に更新することはできません。

Webシステムへの組込み

Crystal ReportsもFineReportも管理ポータルを持ち、単体利用することができます。しかし、多くの場合、企業は既存の業務システムに組み込むことを要望しています。Crystal Reportsで生成したレポートを他のWebアプリケーションに埋め込む場合、自体の管理ポータル画面を完全に隠すことができません。

FineReportでは、IframeでWebシステムとレポートをシームレスに連携できます。FineReportのツールバーを使わず、既存システムのツールバーを利用します。
deploy-iframe0811.png

Crystal ReportsとFineReportの違い⑥ 視覚効果

Crystal Reportsの最新バージョンは2016年版に止まり、バージョンアップやパッチリーリスがほとんどなかったです。グラフの種類が豊富ですが、見栄えが物足りなく感じます。

CrystalReports視覚効果.png

FineReportは2006年発売開始して以来、市場のニーズに合わせて更新し、今はV10.0に進化しました。中の70種類以上のグラフと地図を利用し、データを可視化するキレイなダッシュボードを簡単に作成できます。グラフとグラフ、グラフと表の連動をパラメータパネルで数クリックで設定可能です。また、営業から人事や財務、IoTなど業務別のテンプレートも用意され、開発者は最小の工数で業務レポートを作れます。
FineReportダッシュボード.gif

Crystal ReportsとFineReportの違い⑦ サポートと学習コスト

Crystal ReportsとFineReportの両方も日本ローカルのサービズを提供します。購入際にアフターサービズの価格について問い合わせくだざい。

Crystal Reportsのコミュニティや学習資料は英語中心となり、うまく利用できるかは開発者の英語能力次第です。
CrystalReports学習.png

FineReportは日本語のドキュメントとチュートリアルビデオを無料提供するに加えて、定期的にセミナーを行うので、心配なく利用していただけます。
FineReport学習.png

Crystal ReportsとFineReport、どっちがいい?

以上は主要機能や導入、学習コストなどの視点からCrystal ReportsとFineReportを比較しました。Crystal Reportsは一世を風靡したレポーティングツールとして、レポート設計の面で相変わらず柔軟性を持っています。しかし、レポート業務でのニーズが多様化する背景に、データの収集や視覚効果、導入の便利さの面でFineReportにかなわないことは明らかです。

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