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Go で各 OS 向けライブラリをビルドして使う

Last updated at Posted at 2017-02-24

モチベーション

STORM.001.jpeg

メリット

  • 一回書けば Win/Mac 両方で動作する(Write once, run anywhere)
    • Java と違い各プラットフォームネイティブのバイナリが出力される
  • ネイティブのバイナリが出力されるので Java より高速
  • 実装が統一される

デメリット

主として Windows 側に集中しています。

  • Windows でのビルド方法がやや特殊
    • ひと手間(非公式の手段)かける必要性があり若干の懸念あり
    • これは、Go が Windows 向けの共有ライブラリを生成できない(buildmode=c-shared を非サポート)のと、C# が Win32 形式での静的ライブラリを利用できないためです。
  • Windows(と言うか C# というか CLR)では C# で書くよりパフォーマンスの懸念あり
    • アンマネージド DLL の呼出しなのでマーシャリングのコストが余計にかかるのではとの予想です。
    • マルチプラットフォーム対応でなく速度重視なら、おとなしく C#(というか CLR で動作する言語)で書いた方が高速だと思います。

Windows

呼び出し側は C# をターゲットにしています。

Go ライブラリのコード

rest.go
package main

import (
	"C"
	"fmt"

	"gopkg.in/resty.v0"
)

//export GetUsers
func GetUsers(p *C.char) *C.char {
	fmt.Println(C.GoString(p))
	resp, err := resty.R().
		SetHeader("Accept", "application/json").
		Get("https://jsonplaceholder.typicode.com/users")
	if err != nil {
		return C.CString("")
	}

	return C.CString(resp.String())
}

func init() {}
func main() {}

適当なウェブサービスを呼び出して、その結果を JSON で受け取り文字列として返却する関数です。

  • 関数のコメント重要
    • ここでエクスポートを宣言している(cgo)
  • C 言語を意識する
    • データ型の変換に注意

Go ライブラリのビルド

この手順は公式の方法です。

go build -buildmode=c-archive rest.go

DLL のビルド

この手順は非公式な方法です。
以下のツールをインストールしてください。

  • TDM-GCC
    • 環境変数 PATHbin/ のパスを通してください。
    • 一時的に設定する場合は set PATH=%PATH%;C:\TDM-GCC-64\bin です。
  • Visual Studio Community
    • インストール後に C++ のプロジェクトを作成して関連ツールをインストールしてください。

まずモジュール定義 (.def) ファイルを作成します。

rest.def
LIBRARY   rest
EXPORTS
   GetUsers

関数は EXPORTS 以下に追加していきます。

DLL をビルドします。

gcc -m64 -shared -o rest.dll rest.def rest.a -Wl,--allow-multiple-definition -static -lstdc++ -lwinmm -lntdll -lWs2_32

Golang で Windows の DLL を作る方法

C# から DLL を呼び出す

Visual Studio での注意

  • IDE の参照メニューからは DLL への参照を追加できないので(アンマネージドだから?)、実行ファイル(.exe)があるフォルダ(Debug)にビルドした DLL をコピーします(実行パスにある DLL はデフォルトで読み込まれる動作を利用)。
  • プラットフォーム構成の種類が Any CPU だと実行時例外が発生するので、 x64 に変更します(DLL が x64 向けにビルドされているので)。
Program.cs
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using System.Runtime.InteropServices;
using System.Threading.Tasks;
using System.Windows.Forms;

namespace SampleGoDLL
{
    static class Program
    {
        [DllImport("rest.dll")]
        public static extern void PrintHello(string pStr);
        [DllImport("rest.dll")]
        public static extern IntPtr GetUsers(string pStr);

        /// <summary>
        /// アプリケーションのメイン エントリ ポイントです。
        /// </summary>
        [STAThread]
        static void Main()
        {
            IntPtr pRet = GetUsers("Call from C#");
            String json = Marshal.PtrToStringAnsi(pRet);
            Console.Write(json);
            Application.EnableVisualStyles();
            Application.SetCompatibleTextRenderingDefault(false);
            Application.Run(new Form1());
        }
    }
}

アプリケーションの起動時に実行されるようにしました。
関数の外部参照宣言(extern)毎に DLLImport 属性が必要です。
C# に関する詳細はインターネット上の情報を参照してください。

その他

DLL の検証

C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 14.0\VC\bin\x86_amd64 を環境変数 PATH に追加しておくと便利です。

  • DLL で宣言されている関数の確認する
    • dumpbin.exe /exports rest.dll
  • DLL のターゲットアーキテクチャを確認する
    • dumpbin.exe /headers rest.dll | findstr machine

macOS

呼び出し側は Objective-C をターゲットにしています。
Go ライブラリのコードおよび Go ライブラリのビルドは Windows と共通です。
macOS の場合は共有ライブラリの出力も可能ですが、Windows に合わせて静的ライブラリを出力します。

Objective-C から静的ライブラリを呼び出す

Xcode のプロジェクト設定

Xcode の詳しい使い方はインターネット上の情報を参照してください。

  • 静的ライブラリ(rest.a)を追加します。
  • ヘッダーファイル(rest.h)を追加します。
ViewController.m
#import "ViewController.h"
#import "rest.h"

@implementation ViewController

- (void)viewDidLoad {
    [super viewDidLoad];

    // Do any additional setup after loading the view.
    char *pStr = GetUsers("Call from Objective-C");
    NSLog(@"%s", pStr);
}
@end

ビューのロード時に実行されるようにしました。
ポイントはヘッダーファイルのインポートです。

最後に

Go は高速性とか並列性とかが注目されがちですが、こういう便利な機能ももっと注目されて良いと思います。

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