はじめに
こんにちは。
トライベック株式会社の岡山です。
2026年5月11日、Claude Codeに 「Agent View」 という新機能が正式に登場しました。claude agents というコマンドで起動するこの機能、 「複数のClaude Codeセッションを1画面で管理するためのダッシュボード」 とのこと。
ProプランからEnterprise、APIプランまで幅広く展開された機能で、複数エージェントを並列実行する時代のワークフローを大きく変えるピースになりそうです。
本記事では、Agent Viewが何を解決するのか、どう使うのか、既存の並列実行機能とどう違うのかをまとめていきます。
そもそも、なぜ「複数セッションを管理する画面」が必要なのか
これまでClaude Codeで複数タスクを並列で進めようとすると、ターミナルを複数立ち上げたり、tmuxでセッションを切り替えたりと、わりと泥臭い工夫が必要でした。
Agent Viewは、この課題に対する公式の答えです。 「AIに任せる」のは良いとして、任せたあと「ちゃんと進んでいるか」を見るUIがこれまでなかった ―― そこを埋めるピースになります。
いわば、 「複数の部下に別々の仕事を頼んだあと、進捗ボードで全員の状況を一望する」 ような感覚です。
Agent Viewとは
Agent Viewは、 「複数のバックグラウンドセッションをひとつの画面で監視・操作するためのインターフェース」 です。
claude agents を実行すると、ターミナル全体を使ったテーブルUIが開きます。状態でグルーピングされたセッション一覧、下部にプロンプト入力フィールドがあり、ここから新規セッションをディスパッチしたり、各セッションを覗いたり返信したりできます。
主な特徴
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✅ バックグラウンド実行
ディスパッチしたセッションは、ターミナルを閉じても、シェルを終了しても走り続けます。スーパーバイザープロセスがホスト役を担っているためです。 -
✅ 状態を一目で把握できるアイコン表記
各行のアイコンが「状態(作業中/入力待ち/完了/失敗/停止)」と「プロセスが生きているか」の2軸を同時に表現してくれます。 -
✅ Peekパネルで覗き見
行を選んでSpaceを押すと、フル会話を開かずに最新出力や必要な入力だけを確認できます。多くの場合これだけで足ります。 -
✅ ファイル編集の自動隔離
バックグラウンドセッションが作業ディレクトリに書き込もうとすると、自動的に.claude/worktrees/配下のgit worktreeに移されます。 明示的にworktreeを切らなくても、並列セッションが互いに壊し合うのを防いでくれる わけです。
まずは触ってみる
# Agent Viewを開く
claude agents
# シェルから直接バックグラウンドセッションを投げる
claude --bg "investigate the flaky SettingsChangeDetector test"
# 特定のサブエージェントをメインに指定して起動
claude --agent code-reviewer --bg "address review comments on PR 1234"
すでにインタラクティブセッションで作業中なら、その中で /bg(または /background)を実行すれば、現在の会話をそのままバックグラウンドに送れます。「ちょっと別タスクに切り替えたいけど、今の作業も走らせ続けたい」というシーンで便利です。
アイコンの読み方が分かれば、画面の理解が一気に進む
Agent Viewで最初に戸惑うのが、各セッションの行に表示されるアイコンです。ここを押さえると、画面の情報量が一気に増えます。
| インジケーター | 状態 | 意味 |
|---|---|---|
| アニメーション | 作業中 | ツール実行中/応答生成中 |
| 黄色 | 入力が必要 | 許可決定や質問への回答待ち |
| 薄い | アイドル | 入力待ちだが特定の質問でブロックされてはいない |
| 緑 | 完了 | 正常終了 |
| 赤 | 失敗 | エラー終了 |
| グレー | 停止 |
Ctrl+X または claude stop で停止 |
アイコンで、プロセスが生きているかも示されます。✻は生きていてすぐ返信できるセッション、∙はプロセス終了済みだが状態は残っており、覗いたりアタッチすると中断点から再開する、という具合です。
各行の1行サマリは Haikuクラスの軽量モデル が自動生成しており、最大15秒に1回更新されます。トランスクリプトを開かずに何をやっているかが分かるのは地味に効きます。
subagents / agent teams / worktrees との違い
Claude Codeには並列実行関連の概念がすでにいくつかあり、混同しやすいです。並べると以下のようになります。
| 機能 | 役割 |
|---|---|
| Subagents | 1つのメインセッション内で特定タスクを切り出して実行する子エージェント。frontmatterで設定を定義する再利用可能なユニット |
| Agent teams | 複数のセッションが互いにメッセージを送り合って協調する仕組み |
| Worktrees | git worktreeを使ってセッションごとにチェックアウトを分離する仕組み |
| Agent View | 上記とは別レイヤーの「複数の独立セッションを管理するUI」 |
Agent Viewのセッション同士は 独立していて、報告先はユーザーだけ です。subagentのように親に結果を返すわけでも、agent teamsのように他セッションと通信するわけでもありません。 「並列で別々のことをやらせて、結果を自分が集約する」 というモデルになります。
実際の開発で想定されるユースケース
ユースケース①:複数のバグ調査を並行で走らせる
「リポジトリAのFlakyテスト調査、リポジトリBのリリースノート生成、リポジトリCのDependabot PRレビュー」を同時にディスパッチ
👉 親ディレクトリでclaude agentsを開き、 @<repo>記法で各リポジトリを指定 すれば、それぞれが独立したworktreeで走ります。終わったものから順にPeekでレビューしていけます。
ユースケース②:長時間タスクを任せて他の作業をする
「テストスイート全体の実行と失敗箇所修正」を
/bgでバックグラウンドに送る
👉 完了するまでターミナルを占有されることがなくなり、その間に別の作業を進められます。「入力が必要」状態になったらAgent Viewで気づけます。
ユースケース③:繰り返しタスクをスキル化してワンタップ起動
よく使うワークフロー(例:PRレビュー、ログ調査)をskillとしてパッケージ化
👉 ディスパッチ入力で /<skill名> を入力するだけで、毎回プロンプトを書き直さずに同じワークフローを起動できます。
知っておきたい制限事項
Agent Viewは現時点で リサーチプレビュー です。実運用前に押さえておきたい点を挙げておきます。
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✅ レート制限はインタラクティブと同じ
10並列で走らせればクォータも10倍速く消費します。サブスクリプションのプランによっては注意が必要です。 -
✅ セッションはローカル実行
マシンがスリープ/シャットダウンすると停止します。claude respawn --allで再開できますが、クラウド実行が必要な場合は Claude Code on the web を検討する形になります。 -
✅ worktreeはセッション削除で消える
マージ/プッシュ前のセッションを削除すると、worktreeごと消えて変更が失われます。 -
✅ 管理者が組織全体で無効化できる
disableAgentView設定で完全オフにできるため、企業利用の場合は管理者ポリシーの確認を。
まとめ
Agent Viewを触ってみて感じたのは、 Claude Codeのプライマリエントリポイントが claude から claude agents に変わっていく可能性もありそうだ ということでした。
公式ドキュメント自身が「claude agents を claude の代わりにプライマリエントリポイントとして使えます」と書いており、 全タスクをここからディスパッチし、必要なときだけアタッチして会話する ―― そんなワークフローを想定しているのだと思います。
複数のエージェントを並列で走らせる時代において、 「任せた仕事の進捗を見渡すUI」 はおそらく必須のピースです。
今後どう進化していくのか楽しみな機能です。
