はじめに
こんにちは、株式会社ブレインパッド データエンジニアリングユニットの小林です。
Data + AI World Tour Tokyoに現地参加し、当日の様子やセッション内容をまとめてみました。
会場の雰囲気や概要が伝われば幸いです。
私自身これまでにもテックイベントへの参加経験は何回かありますが、いずれもオンラインでの参加だったため、今回は初めてのオフライン参加となりました。
普段は時間になったら自宅や会社からログインして視聴するだけなので、朝から電車に乗って会場へ向かうという体験が新鮮で、とてもワクワクしながら体温が上昇していくのを感じました。
(物理的に満員電車の混雑で押しつぶされていたせいかもしれませんが……)
Databricks Data + AI World Tour とは
Databricksが主催する大規模グローバルイベントです。
世界22都市で開催されており、参加者は22,000人を超え、スポンサーも500社以上に上ります。
今回私が参加したのは東京で開催されたイベントです。
会場は「ザ・プリンス パークタワー東京」という東京タワーに近く、芝公園にあるおしゃれでラグジュアリーなホテルでした。
※弊社からも徒歩30分ほどで行けそう
HPはこちら
Data + AI World Tour Tokyo
主催 データブリックス・ジャパン株式会社
2025年11月28日 / ザ・プリンス パークタワー東京
9:00~19:30
無料(事前予約必須)
テーマは、業界リーダーがDatabricksを選ぶ理由であるデータ・分析・AI アーキテクチャの統合と簡素化です。
また、データとAIの戦略を進める方法について考えを深めるスピーカーやセッションが特徴となっています。
イベントの内容は大きく分けて以下の種類があります。
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トレーニング・ハンズオンセッション
- AIエージェントの概要やDatabricksプラットフォーム上にAIエージェントアプリケーションを構築する方法を学ぶ3時間の入門コースです。
※本コースは満員かつエンドユーザーの方限定のため今回は参加できませんでした。
- AIエージェントの概要やDatabricksプラットフォーム上にAIエージェントアプリケーションを構築する方法を学ぶ3時間の入門コースです。
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Databricksブレイクアウトセッション
- データブリックス・ジャパン社員による最新機能や製品紹介、初心者向けのセッションなどがありました。
- データブリックス・ジャパン社員による最新機能や製品紹介、初心者向けのセッションなどがありました。
- Expo・展示
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基調講演(キーノート)
- 本イベントのメインとなるセッションで、データブリックス・ジャパン代表取締役社長である笹 俊文さんがホストとしてDatabricksの最新の動向や機能の紹介などがありました。
- 本イベントのメインとなるセッションで、データブリックス・ジャパン代表取締役社長である笹 俊文さんがホストとしてDatabricksの最新の動向や機能の紹介などがありました。
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企業ブレイクアウトセッション
- Databricksを導入/活用している企業や、導入/活用を支援する企業の最新の取り組みや事例などが紹介されるセッションがありました。
- Databricksを導入/活用している企業や、導入/活用を支援する企業の最新の取り組みや事例などが紹介されるセッションがありました。
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ネットワーキング
- 全セッション終了後に行われる立食アフターパーティーです。
Databricksブレイクアウトセッション
今回私が参加したのは入門編となる2セッションです。
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初めてのデータブリックス
Databricksは「データ+AIカンパニー」で、データ分析からAI開発までを一つのプラットフォームで扱えるサービスとして紹介されていました。
会社の歴史としてビッグデータ処理の時代から始まり、AI機械学習の開発へ領域を広げ、近年は「データとAIの民主化」を掲げているとのことです。
同じ基盤上でデータの収集、分析、可視化、AIまでを一貫して行うという考え方は明快で、わかりやすく、興味深いと感じました。
「データとAIの民主化」というテーマでは、BIツールのダッシュボードからデータをダウンロードし、Excelで加工して資料に貼るというよくある手法が取り上げられました。そこでは「どの時点のデータかわからない」「誤りや恣意性が入りやすい」「機密情報がローカルに保存される」といった課題が生じます。これに対してDatabricks上での一元管理と可視化、さらにはAIの活用により、信頼性の高いデータ活用が可能になると説明されていました。
具体策としては、Databricks AI/BIダッシュボードとGenie(ジーニー)の活用です。
上記はチャットベースでAIに質問しながらデータを確認し、必要な指標や疑問を投げかけると、グラフや集計の提案が返ってきます。
提案をもとにダッシュボードを組み立てていく点が、従来のBIツールとの違いとなっています。
また、フィードバックを返すことで精度が高まっていく仕組みにも言及がありました。
個人的には作成したグラフに対してAIで未来予測を表示できる機能が面白いと感じました。
そのほかにも「生成AIの本番活用」というテーマの話もあり、ハルシネーションによるリスクについて触れたうえでDatabricksでのアクセス制限やログ管理について説明されていました。
その中で主要LLMをワンストップで安心パワフルに提供する旨の言及があり、
同一画面で複数のLLMをタブで並べ、同じ問いに対するモデルごとの違いを見比べて比較検証できる点は有用だと感じました。
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データブリックス入門
データブリックスは収集から加工・蓄積・活用まで一貫して実施できるデータインテリジェンスプラットフォームとして紹介されていました。
こちらのセッションでは技術者向けのため各フェーズごとに主要な機能の紹介がありました。
収集フェーズ
オブジェクトストレージ、データベース、SaaSアプリ、パートナー製品など多様なソースからデータを収集することが可能となっています。
オブジェクトストレージからの取込にはAuto Loader、データベースやDWHにはLakehouse Federation、SaaSとの連携にはLakeflow Connectなど、それぞれの役割に応じたコンポーネントが用意されています。
差分取込にも対応しており、全件ロードを避けられる点も考慮されています。
加工フェーズ
PythonやSQL、Rなどを利用するノートブックが紹介されました。
他のサービスの違いとして、Databricksでは「AIアシスタント」「データサイエンスエージェント」が組み込まれている点が挙げられます。
AIアシスタントはその名の通りコードやSQLの自動生成や補完を行い、データサイエンスエージェントはデータに基づいた考察・洞察まで実施してくれるそうです。
さらに、Lakeflow DesignerというGUIツールにも言及されました。
こちらは、自然言語で処理を指示したり、選択操作でETLフローをビジュアルベースに組み立てられるため、チームでの作業でもコードを理解しなくてもビジネスユーザーが直感的に把握しやすくなります。
蓄積フェーズ
LakehouseはDWHとデータレイクの良いところを統合したような思想となっている旨の説明がありました。
活用フェーズ
AI/BIダッシュボードやDWH機能、DB SQL(Databricks SQL)を用いた分析についての紹介がありました。
ダッシュボードはデータサイエンスエージェントを用いてグラフ作成なども可能になっています。
加えて、Unity Catalogによるデータガバナンスについての説明もありました。
データへのアクセス制限を指定できるだけでなく、どのテーブルがどのテーブルに依存しているかといったテーブル間の依存関係まで把握できるようになっています。
基調講演
ホストの笹 俊文さんの進行で、機能説明、イノベーションの傾向やトレンド、企業の取り組み、ユースケースのデモなどの幅広い内容が紹介されました。
スピーカーはDatabricks 最高執行責任者(COO)のシャフィーク ハティムさん、株式会社三菱UFJ銀行 上席調査役の山内 俊志さん、コスモエネルギーホールディングス株式会社 常務執行役員 CDOのルゾンカ 典子さん、そしてデータブリックス・ジャパンの社員の方々です。
スペシャルゲストとして、アンソロピック日本法人の東條 英俊さん(元Snowflake日本法人 社長執行役員)が登壇されたのも印象的で驚きました。
Databricksに求めていることや今後の両社の協業についての対談が行われました。
また、トピックの一つとしてClaude Sonnet 4.5の日本向け閉域版が2026年に提供予定との案内もされました。
基調講演での具体的な内容については新たな戦略的パートナーの紹介や、オープンフォーマットであらゆるデータを統合させる構想が語られました。
Delta、Icebergといったオープンテーブルフォーマットを中心に構造化、半構造化、非構造化データまで一括で扱うというものです。
さらに、Unity Catalogで既存のアクセス制御にAIモデル制御を加え、データリネージ、ビジネスセマンティクスまで統合した内容についても語られていました。
また、データ側のフロントとしてGenie、AI側としてはアシスタントを利用し、外部の専用ツールを個別に使い分けるのではなく、共通のインターフェースから対話的に扱える利点も強調されていました。
その他にも、牽引する3つの領域として以下のテーマそれぞれでデモを交えて解説がありました。
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エージェント本番適用の簡素化
Agent Bricksを利用した業務特化型のエージェントを複数組み合わせ、その中心にスーパーバイザーエージェントを置くマルチエージェント構成の「マルチエージェントスーパーバイザー」の説明がありました。
デモでは会議の議事録を貼り付け、日程調整や資料作成といったタスクをエージェントに振り分けるシナリオを実演。人事エージェントや事例検索エージェントをスーパーバイザーが自動で調整しながら動かすイメージです。
品質面では模範例をいくつか登録しておくことでエージェントが学習をして精度を高める仕組みも重要となっているそうです。 -
インテリジェントなアプリケーションの準備
コンピュートとストレージを分離したオープンソースベースのデータ基盤Lakebaseの紹介がありました。
従来の「アプリ→PostgreSQL→レイクハウス」を「アプリ→Lakebase→レイクハウス」にまとめ、Databricks上で完結するシンプルな構成にし、Deltaテーブルやベクトルインデックスも同じ基盤で扱えるようになっています。
デモではApps+Lakebaseを利用した会話で注文できるアプリのシナリオが実演されました。 -
データインテリジェンスの実装
AI/BI Genieを自然言語を通じてチャットベースでダッシュボードを作成し、そのまま分析や共有までを行える点についての紹介がありました。
デモではGenie Research Agentを利用して、質問に対する単純な回答に留まらず現状把握や「アイディアを表示」、「プランを表示」の説明がされました。
「アイディア表示」では、思考のステップを表示し、「プランを表示」では、個々の思考ステップをどういう経緯で行っているのかを表示するものになっています。
企業事例では、2社の取り組みについて発表がありました。
三菱UFJ銀行
データ分析のCoE体制のもとでビジネス部門にも積極的に関与し、PoCで終わらせないことを重視した点とAIプラットフォームとしてDatabricksを採用したことにより、コスト・生産性が向上し、本質的な価値創出をできるようになったと説明されていました。
コスモエネルギーホールディングス
DXへの取り組みとして「DX認定→人材教育(人事部と連携)→コミュニティの創出→DX案件の実現支援(経営企画との連携)」という組織づくりと文化醸造についての説明がされていました。
成功のカギとして挙げられていたのは、経営陣、PMO、DX/IT部門、パートナー、そして現場の距離をできるだけ近くなれるかという点についてです。
また、Databricksと滋賀大学のパートナーシップも紹介され、Databricks Free Editionを活用した講義の開講が予定されているそうです。
日本を代表する大企業の成功例を見て、テクノロジーだけでなく組織として足並みをそろえる重要性をあらためて実感しました。
Databricksという共通の土台が、現場から経営までをつなぐハブになっていたのが印象的でした。
企業ブレイクアウトセッション
3~4種類のセッションが同時並行で行われているため、すべてのセッションを聴講することはできません。
そのため、事前に行く予定のセッションを決めておくとスムーズに聴講できると思います。
今回は種類が多いため一つだけ紹介したいと思います。
マクニカ : サプライチェーンから拡がるAI/BI活用の全社展開-オムロンヘルスケアが挑む「人的創造性2倍」の未来
「人的創造性を2倍に」という目標に、全社員がデータを活用して価値を創造し続ける組織を目指すデジタルトランスフォーメーションの一環としてマクニカとオムロンヘルスケアによるDatabricksの取り組みが紹介されました。
課題として、データ収集や集計の非効率、蓄積データの活用不足、組織横断の連携不足など、多くの製造業に共通する問題が挙げられました。
オムロンヘルスケアではデジタル活用戦略として「人的創造性を2倍に」「AIを用いて迅速なデータ活用」を掲げており、こうした戦略を実現する共通基盤としてDatabricksを選定しました。導入した主な理由は、統一プラットフォームによるサイロ化の解消としてLakehouse Federationによる連携、強力なAIインターフェースとしてGenie、そしてコストパフォーマンスの最適化です。
新基盤ではまず、各連携対象をLakehouse Federationが適用できるかどうかで切り分け、適用できない場合は物理統合基盤を作り、そこからDatabricksへ集約連携する方針としていました。
サプライチェーンマネジメントの最初のユースケースとしては、喫緊の課題となっていた在庫最適化に取り組み、AIモデルによる分析で業務を加速させていきました。
また、両社によるQ&Aという形でいくつか質疑応答がありました。
その中で印象的だったのが「DXで難しかったところ/乗り越えたところ」という質問です。難しかったこととして主に経営陣への説明が挙げられていました。DXは(必ずしも)「売り上げが上がるわけではない」ため説得が難しく、まずはスモールスタートで小さな実績を作り、その積み上げの中で課題やユースケースが明確になり具体化していく。
そして、実績を重ねて認知が広がりだんだんと認められていく。そのうえで組織間連携(ビジネス部門とシステム部門)が重要になってくる。という内容でした。
ネットワーキング
全セッション終了後に行われる立食形式のアフターパーティーです。
会場の左右と中央にドリンクと多彩な料理が並び、ビュッフェ形式で自由に取れるスタイルでした。
テーブルも複数用意され、スタッフの方々が定期的にドリンクを勧めに回っていました。
参加者同士の会話に加え、クイズ形式のイベントも行われ、終始にぎやかな雰囲気でした。
個人的には、職人がその場で握るお寿司と、目の前で切り分けられる肉料理がとてもおいしかったです。

最後に
参加することができて本当によかったです。
様々なセッションや講演を通じて感じたのは、Databricksの活用方法においてどの企業や組織も特別なことをしているわけではなく、主要機能をうまく組み合わせながら活用し、ある種のベストプラクティスが確立されているということでした。
そのため、導入にあたっても要件や活用方法による多少の違いはあるものの主要なコア機能を中心に進めれば十分対応できそうだと感じました。
また、Databricks自体が急ピッチで機能拡張やアップデートを重ねているだけではなく、Serverless PostgreSQLのNeon社を買収するなど積極的なM&Aを推進しており、かつマルチAIエージェントの時代に向けた技術の強化が進んでいることもあり、AIを活用したデータ利活用の幅がさらに広がることにも大きな期待を持ちました。
データとAIの重要性がますます高まる中、より強力なプラットフォームサービスとしての今後の発展に大いに期待しています!
弊社としても、Databricksを用いてお客様の課題解決に取り組み、データ活用とAI推進を後押しすることで、継続的な価値創出に貢献してまいります!
余談ですが、基調講演では抽選でTシャツが当たるキャンペーンがあり、無事ゲットすることができました。

展示ブースのスタンプラリーでは、欲しかったクッションが惜しくも無くなってしまったため、グッズとして珍しいギターのピックと交換しました。

朝から晩まで充実していてあっという間の一日でした。
行きは会場の写真が撮れなかったので帰りにパシャリ


