リリースしたプロダクトには、ユーザーのレビューが付けられます。
プラットフォーム上に公開するiOSアプリで、悪いレビューがついてしまった際には、
新規ダウンロード数減少への影響を最小限にするため、早めに対応したいものです。
本記事では、PM、PO、ディレクター向けに、
削除できるレビュー
、削除できないレビュー
の違いを、
実経験に基づき気づいたことをまとめます。
※最終的な判断は、Apple側に委ねられるため、明確な基準は不明であると認識しております。
※<2020年11月29日地点>のApple利用規約を踏まえ記載しております。
なお、レビューの削除依頼を送る方法に関しては、
[@RIwai] (https://qiita.com/RIwai)さんの、[App Storeレビュー返信機能を試して見る] (https://qiita.com/RIwai/items/437b6afa3f516bfe02c6)をご参照ください。
#三行で
1.プラットフォームの特性を理解する
2.削除依頼が認められるレビューとは(申請後〇〇日以内に削除される)
3.消せないレビューへの対応方法
###1.プラットフォームの特性を理解する
手塩にかけて制作したアプリに低評価が付くと、なんとかして対応(削除)できないものか、と考えます。
しかし、プラットフォームにおけるユーザーレビューは、公平性
が担保されていることが大前提です。
(Amazonや、食べログなどのニュースが話題になりました。公平性が命です。)
よって、 削除対象のレビューは問題がある
ことが前提です。
Apple Depeloperの評価、レビュー、返答では以下の箇所が該当します。
ここでは、
不快な内容、スパム、またはAppleの利用規約に違反するその他のコンテンツ
と表現されています。
では、例えば次のレビューは問題のある
内容でしょうか。
★☆☆☆☆
タイトル:使えない
本 文 :広告多すぎ。動かないし落ちる。
結果、問題のあるレビューとはみなされません。
(悪意のあるユーザーかもしれませんし、そんなにクラッシュすることはないはず、、、と思っていても)
プラットフォーマーのAppleとしては、アプリに対しての意見はAppleユーザーに対しての有益な情報とみなします。
どんな内容であろうが、個人が感じたことや意見は、尊重されるということです。
###2.削除依頼が認められるレビューとは (申請後〇〇日以内に削除される)
前項記載の通り、正当なレビューに認定される範囲は広いです。
では、削除対象となるレビューとはどんなものでしょうか。
App Store Connectで、特定のレビューを削除しようとした際には、
以下のカテゴライズがなされています。
以下の4種にカテゴライズされます。
・スパムの可能性があります
・その他
・趣旨がずれています
・不快感を与える内容が含まれています
簡単に内容に触れます。
① 最初のスパム
に関しては、意味通り無差別かつ大量にばら撒かれるものであると認識できます。
② その他
に関しても文字通り、他3項目に分類されない場合に用いる項目ですね。
③ 趣旨がずれています
に関しては、
当該アプリへの意見ではないことが基本で、派生して以下のようなことにも適応されます。
・アプリに掲載されているコンテンツへの意見(運営元が提供するものではなく、他ユーザーの著作)
ex)〇〇のアップしている動画、くだらない
・そのアプリのジャンル(カテゴリ)への意見
ex)こういうタイプのアプリってやらせが多いよね、うんざり。
あくまで所感ですが、全レビューの中でもこれに分類されるものは多く、レビューで削除対象になる場合が一番多いと感じます。
実際に以下のようなレビューは削除されました。(内容の意図を汲み、言葉を変更して記載)
★☆☆☆☆
タイトル: 動作に難あり
本 文: オフショアで開発しているんじゃないですか。国内では最近そのような風潮があり残念。
④ 不快感を与える内容が含まれています
は、誹謗中傷が該当すると考えられます。
誹謗中傷とは、一般的には他者の権利を侵害している(名誉毀損や侮辱)かどうかがポイントです。
権利侵害 | 概要 |
---|---|
名誉毀損 | 公然の場で具体的事実を挙げて、第三者の評判を落とす行為 (例:あいつは不倫している、あいつは前科持ちだ) |
侮辱 | 公然の場で具体的事実を挙げないで第三者の評判を落とす行為(例:性格悪い、落ちこぼれ、気持ち悪い) |
低評価のレビューは言葉が暴力的になりがちで、公然の場で具体的事実を挙げて、第三者の評判を落とす行為との線引きが非常に難しいのが実情です。
よってApple側も、不快感を与える内容
という表現をされているのだと感じました。
誰に不快感を与えるのかその主語を考ると、他のAppleユーザー
が該当するかと考えられます。
結論、客観的な事実(アプリの仕様)に言及していても、言葉から受け取るイメージによっては削除対象になる。
と推察されます。
Apple側からすると、そんな内容のレビューを残していて良いのかとユーザーから思われるからでしょう。
このカテゴリで申請をして、削除されたケースもあります。
そして、上記に該当する疑いがあるレビューを報告した場合、
30分〜1時間以内に削除されるケース(当日)が多くありました。
また、カテゴリを変えての申請が削除と認められるケースもありましたので、2回までのトライは有効と考えられます。
###3.消せないレビューへの対応方法
当然ながら、高い品質で、ユーザーが真に求める良いアプリを作ることが慣用ですが、
同時にレビュー者(ユーザー)への真摯な対応
も効果的です。
具体的には、レビューへ丁重に返信をすることです。
実例として、アプリの機能に関して「ここは改善した方が良い」といった、
星2つの真っ当なレビュー頂いたことがありました。
社内で協議し、その通りに機能改善を行った後、
そのユーザー様に機能改善した旨と、感謝述べる形で返信をしました。
翌日その方のレビューが消え、変わりに★5のレビューが1つ増えていました。
これには、社内の開発メンバーのモチベーション向上に大きく繋がりました。
他にも、良いレビューに良い評価をする、などといった小技もありますが、
公平性を担保するプラットフォームの特性を考えても、良質なプロダクト開発が何より大事なことと感じております。
###まとめ
■Apple側の削除基準が完全にわかるわけでは無いので、低評価レビューに関しては以下を行う。
・真摯に対応し、レビュー者に返信
・グレーなレビュー内容には、問題を報告する
で、リポートをしてみる。(2回まで有効)
■バージョンごとのレビューを更新(消すこと)もできるが、良質のプロダクト、高いレベルの顧客体験を提供できるよう努力し、低評価レビューへの対応自体をなくす
ことが一番!