#0. はじめに
Teams使い始めたなら、SharePointも覚えたい。そしてSharePointを覚えるなら、リストとライブラリを会得したい。で、前回はリストをやりました。ということで、後編はライブラリについて説明します。
#1. SharePointライブラリとは?
SharePointライブラリ(ドキュメントライブラリ)とは、ファイルを保持するための共有サーバーのようなものです。基本操作説明では、ドキュメントという場所を使ってファイル操作の説明をしました。
このドキュメントも、実はライブラリの一つです。分かりにくいですが、ドキュメントという名前を付けたライブラリ、ということです。
このドキュメントは、Teamsのチャネルに紐づいていて、あらかじめ用意されたライブラリです。が、他にも自分でライブラリを作成することが出来、複数持つことが出来ます。
今回は、トレーニング資料をアップロードする為のライブラリを作ることを目標にします。加えて、ファイル管理を容易にするため、以下の要望があるとしましょう。
・ファイルの担当者を明確にしたい
・期限を明示したい
・ファイルをカテゴリ分けしたい
・ファイル概要やステータスを明示したい
完成形はこちらになります。
説明だけでは伝わりにくいので、早速ライブラリを作成していきましょう。
#2. SharePointライブラリを作成する
左メニューから、ホームをクリック > 上部メニューの新規ボタンからドキュメント ライブラリをクリック
右側にライブラリ作成画面が出てきます。名前や説明を入力して、作成をクリックします。
ここでは、ライブラリの名前をトレーニング資料としています。
これで、左側メニュー(サイトナビゲーション)にトレーニング資料が出てきます。
ライブラリ画面を広く使いたいときは、上部メニュー右端の展開アイコンをクリックします。
#3. 列(メタデータ)の追加
##a. 列の追加
まずは出来上がったトレーニング資料ライブラリに、適当なファイルをいくつかアップロードしましょう。
次に、列の追加を行います。
追加の仕方は、前回リスト編で説明したやり方(こちら)と同じです。以下の列を追加していきましょう。
列名 | 列の種類 |
---|---|
担当者 | 個人 |
期限 | 日付 |
カテゴリ | 選択肢 |
ステータス | 選択肢 |
概要 | 一行テキスト |
なお、カテゴリ列の選択肢は、PowerQuery/SharePoint/Teams/その他の4つとします。ステータス列の選択肢は、作業中/完了/未着手/延期の4つとしました。
##b. メタデータとは?(フォルダに頼らない管理のあり方)
このようにSharePointでは、ライブラリごとに、独自の列(属性、プロパティ)を追加していくことが出来ます。この追加された列は、メタデータとも呼ばれます。データについてのデータ、ということです。
SharePointでのファイル管理では、なるべくフォルダ分けに頼らず、メタデータを使って分類するのが王道です。メタデータを上手に利用するには、用途に応じてライブラリを複数持つ必要が出てくるのです。
(参考: ひと目でわかるメタデータの効用 from Twitter)
https://twitter.com/LuiseFreese/status/1182719939385417728
#4. 列の編集・グループ化(ビュー追加)・行の書式設定・その他(同期/Teamsタブへ追加)
##a. 列の編集(クイック編集)
では、追加した列の編集をしていきましょう。やり方は、クイック編集(こちら)で行うことが出来ます。
適当で構わないので、入力してみましょう。なお列の順序は、クイック編集モードを終了させて、列のドラッグ&ドロップで変更可能です。
結果、図のようになりました。
##b. グループ化(ビュー追加)
今度は、ステータス列横の矢印から、ステータス でグループ化を選んでみましょう。すると、表示の仕方をステータス別の列挙に変更出来ます。
さらに、ステータス左横上部の下矢印をクリックすれば、あたかもフォルダのようにステータス別表示が出来ます。
さらに、この表示の仕方を保存することも出来ます。これをビューと呼んでいます。やり方は、
上部メニュー右端のすべてのドキュメントをクリック
> ビューに名前を付けて保存をクリック
> 名前を入力して保存をクリック
これで、図のように、デフォルトのすべてのドキュメントビューに加えて、ステータスごとのグループ化ビューが出来ました。以降ワンクリックで切り替えることが可能です。
ライブラリにはビューを複数持たせることが出来、別の列でグループ化したり、列の順序や表示・非表示を変えたり、フィルターしたり、といったことが出来ます。
硬直的なフォルダによる管理方式に比べ、より自由度が高い管理の仕方を実現できます。
##c. 行の書式設定
Excelに近い感覚で、色付けなど行の書式設定を行う事も出来ます。試しに条件付き書式を設定してみましょう。
すべてのドキュメントをクリック
> 現在のビューの書式設定をクリック
> 条件付き書式をクリック
ルールの追加をクリック
> ルール作成画面で 期限が 今日(相対) より前
サンプルテキストの鉛筆アイコンからうすい赤色を選択
> 保存をクリック
これで、期限が今日より前のものだけ赤く表示されるビューに変更されました。
書式設定は、列単位でも行うことが出来ますし、アイコンなども使えるので、より視覚的に訴えるビューの設定も可能です。
##d. その他(同期/Teamsタブへ追加)
最後に2つおまけです。まず同期です。これは、OneDriveアプリを用いて、自PCのローカルドライブとSharePointのライブラリ・フォルダを同期させる機能です。
詳しくはこちらへ。
SharePoint および Teams のファイルを OneDrive 同期アプリと同期する
次はTeamsタブへ追加です。
作成したライブラリのビューは、Teamsタブに追加すると便利です。が、ドキュメントライブラリというパーツは現状イマイチです(ビューが見られない?)代わりに、Webサイトを選んでURLを入力した方が今のところ良さそうです。
#5. おわりに、Next Step
これでSharePointのライブラリとメタデータの説明は終わりです。SharePointにデータやファイルを寄せていくことで、Power Automateによる自動化や、Power Appsによる業務システムの自作なども可能になります。
TeamsとSharePointは今後も融合・機能強化が進んでいくらしいですし、AI機能の進化も予定されています。このAI機能が導入されると、例えば
・ファイルアップロード時に、PDF内の発注書番号を自動で読み取って、メタデータ化してくれる
・メタデータなどを元に、用語解説や社内関係者といったノウハウ集ページを自動で作成する
といったことが実現される予定だそうです。イメージはリンク先を参照してください。
Empower your people with Project Cortex (From YouTube): https://www.youtube.com/watch?v=r8MAn0754wk
リストやライブラリを使いこなし、データ・情報をSharePointへ集約するようになったら、今度はそれらを組織・チームのWebページとしてまとめて、知りたい情報へアクセスしやすく、かつ新規参加メンバーにも分かり易い形にしていくのも良いでしょう。初期状態ではチームサイトのホームは、↓のとおり中身が何もないのでよくわからないですが、コンテンツが充実してきたら、このデザインをアレンジしていくのも面白いと思います。