【初学者向け】Windows 11でのCentOS Stream 10環境構築ガイド(WSL2)
Windows 11PCに、Linux環境としてCentOS Stream 10を導入したい初学者向けの記事です。
本記事では、VirtualBoxなどの仮想化ソフトを使用せず、Windows標準機能であるWSL2 (Windows Subsystem for Linux) を使用して環境構築をします。
また、CentOS Projectが公式に提供しているWSL専用イメージを利用した手順を解説します。
実行環境
はじめに、本記事の実行環境を記載します。
- OS:Windows11(25H2)
- CPU:Intel(R) Core(TM) i7-14700F
- GPU:NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER
目次
1. 事前準備:WSL2のインストール
まずはWindows 11上でLinuxを動かすためのシステム「WSL2」を有効化します。
既にUbuntuなどをWSLで動かしている方は、この手順をスキップして「2. 公式WSLイメージのダウンロード」へ進んでください。
手順
1.Windowsのスタートメニューを右クリックし、「ターミナル (管理者)」 を開く。

2.以下のコマンドを実行する。
wsl --install
- コマンドの意味:WindowsにWSL2本体と、実行に必要な仮想化機能(VMP)を自動的にインストールします。
- 注意点: インストールが完了したら、必ずPCを一度再起動する必要があります。再起動することで機能の有効化が完了します。
2. 公式WSLイメージのダウンロード
CentOSは公式サイトでWSL向けのインストールファイルを直接提供しています。
今回はこれを利用します。
手順
-
CentOSの公式ドキュメント内にある「Alternative Images」のダウンロードページにアクセスします。
-
CentOS Alternative Images(※英語サイト)
-
CentOS Alternative Images(※英語サイト)
3. CentOS Stream 10のインストール
ダウンロードしたファイルをWindowsに読み込ませて、CentOSを起動できるようにします。
コマンドからインストール
- wslをインストールしたときと同様に、ターミナル(管理者) を開く。
- CentOSをインストールするためのディレクトリをCドライブ直下に作成します。
- 以下のコマンドを実行し、CentOS-Stream-10のインストールを行います。
<ファイルのパス>の部分は、実際のダウンロード先のパス(例:C:\Users\ユーザー名\Downloads\CentOS-Stream-10...wsl)に書き換えてください。
wsl --import CentOS-Stream-10 C:\wsl\CentOS10 "C:\Users\ユーザ名\Downloads\CentOS-Stream-Image-WSL-Base.x86_64-10-202604020202.wsl"
-
コマンドの意味:指定したファイルからLinux環境を構築し、システム上の登録名を
CentOS-Stream-10に設定する。
インストールの確認
PowerShellで以下のコマンドを打ち、CentOSがリストに表示されれば成功です!
wsl -l -v
CentOS-Stream-10の起動
起動するには、PowerShellで wsl -d CentOS-Stream-10 と入力してCentOSを起動しましょう。

インストールが上手くできなかった場合
こちらのコマンドを実行し、完了後PCを再起動してもう一度インストールコマンドを実行しましょう。
dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart
-
コマンドの意味:稼働中のWindowsに対して、仮想マシンプラットフォームを有効化する。
-
dism.exe:Deployment Image Servicing and Managementの略。
Windowsのシステム構成や機能を管理・変更するための、Windows標準ツール。 -
/online:現在起動しているWindowsシステムに対して変更を加える。 -
/enable-feature:指定したWindowsの機能を有効化する命令。 -
/featurename:VirtualMachinePlatform:有効化する機能の名前。
WSL2がLinuxのOS(CentOS)を動かすための土台として、この機能が必須になる。 -
/all:指定した機能を動かすために必要な「関連する別の機能」がある場合、それらもすべてまとめて有効化する指示。 -
/norestart:コマンドの実行が完了した後に「自動でパソコンを再起動させないようにする指示。
-
4. 初期設定(システム更新とユーザー作成)
インストール直後のCentOSは、root(管理者) というユーザーで自動ログインしており、ソフトウェアも少し古い可能性があります。
安全に使うために、最初の立ち上げ時に以下の設定を必ず行いましょう。
CentOSを起動したターミナル画面([root@PC名 ~]# と表示されている状態)で、順番に実行します。
① ソフトウェアを最新の状態にする
以下のコマンドを実行して、システム全体を最新にアップデートします。途中で Is this ok [y/N]: と聞かれたら、y を押してEnterを押します。
dnf update
- コマンドの意味:スマホのOSアップデートやアプリの全更新と同じ。
-
dnfとは:Linuxで使用されるパッケージ管理ツール。
イメージとしてはApp Storeなどのアプリケーションを管理している大元の様なものに近い。
② 普段使う「一般ユーザー」を作成する
何でもできてしまう強力な「root」権限を普段使いするのは危険です。あなた専用の一般ユーザーを作成します。(your_name の部分は、ご自身の好きな名前に変更してください)
# 1. ユーザーを作成する
useradd your_name
# 2. 作成したユーザーにパスワードを設定する(入力中は画面に文字が出ないですが正常です)
passwd your_name
# 3. 必要に応じて管理者権限(sudo)を使えるように、ユーザーを「wheel」グループに追加する
usermod -aG wheel your_name
③ デフォルトユーザーを変更する(Windows側での設定)
一度CentOSの画面を exit コマンドで閉じるか、新しいPowerShellを開き、次回から起動した際に先ほど作ったユーザー(your_name)で自動ログインするようにWindows側に設定します。
# WSLの設定ファイルを開いて(または作成して)デフォルトユーザーを指定します
wsl -d CentOS-Stream-10 -u root -e bash -c "echo -e '[user]\ndefault=your_name' > /etc/wsl.conf"
この後、CentOSを再起動(PowerShellで wsl --terminate CentOS-Stream-10 を実行してから再度開く)すると、設定した一般ユーザー名でログインするようになります。
ここまで終われば、後はご自由にCentOSをご利用ください。
5. おわりに
環境構築お疲れ様でした!
ここまでのご拝読感謝申し上げます。
これでWindows11での、CentOS Stream 10の環境が整いました。
ここからは、ご自身の学習したい内容に沿ってPythonやNode.js・Dockerなどを自由にインストールして、本格的な開発や学習を進めていくことができます。
Linuxのコマンド操作に少しずつ慣れていきましょう!
また、ご質問等あれば都度コメントにていただけますと幸いです。
以上、ありがとうございました。
おまけ:VS CodeでWSL環境の開発をする方法
Windows側にすでにVS Codeをインストールしているなら、WSL(CentOS)と連携させることで非常に快適な開発環境が作れます。
ファイルの編集とコマンド実行を1つの画面で完結できるので、ぜひ設定しておきましょう。
手順1:必須の拡張機能をインストールする
まずはWindows側のVS Codeを開き、WSLと通信するための公式拡張機能を入れます。
- VS Code左側のメニューから「拡張機能(ブロックのアイコン)」をクリックします。
- 検索バーに
WSLと入力します。 - Microsoftが提供している 「WSL」 という拡張機能(旧名:Remote - WSL)を見つけて、「インストール」をクリックします。
手順2:CentOS側からVS Codeを起動する
ここが一番のポイントです。
WindowsのスタートメニューからVS Codeを開くのではなく、CentOSのターミナルから呼び出します。
- CentOSのターミナルを開き、作業したいフォルダ(例:
/home/your_name/)に移動します。 - 以下のコマンドを実行します。(最後の
.(ドット)は「今いる場所を開く」という意味なので、忘れないように注意!)
code .
初回実行時は、CentOS側にVS Codeの連携プログラムが自動でインストールされます。少し待つとWindows側で新しいVS Codeのウィンドウが立ち上がり、左下の緑色の帯に**「WSL: CentOS-Stream-10」**と表示されていれば連携成功です!
手順3:VS Codeの中でターミナルを開く
連携したVS Codeでは、画面下部にCentOSのターミナルを直接開くことができます。
- メニューバーの 「ターミナル」>「新しいターミナル」 をクリック(または
Ctrl+Shift+@のショートカット)。
これで、「上の画面でコードを書いて保存し、下の画面(ターミナル)ですぐに実行する」という作業環境が完成です。

⚠️ 初学者がハマる注意点:拡張機能のインストール先
WSLと連携している間、VS Codeは「Windows」と「Linux(CentOS)」の2つのOSを同時に見ています。
そのため、PythonやC言語などの開発用拡張機能を追加で入れる際は、**「WSL: CentOS-Stream-10 にインストールする」**というボタンを押して、Linux側にインストールしなければ動作しません。
「Windows側には入っているのに動かない!」という時は、ここをチェックしてみてください。
免責事項
本記事の内容は、筆者の環境における検証結果をもとに作成しておりますが、すべてのPC環境での正常な動作を保証するものではありません。
本記事に記載された手順(特に管理者権限でのコマンド実行やシステム設定の変更)を実行したことによって生じたいかなる損害、PCの不具合、データの消失等について、筆者は一切の責任を負いかねます。
環境構築およびコマンドの実行は、必ず自己責任で行っていただくようお願いいたします。
参考資料
本記事は、以下の公式ドキュメントを基に作成しています。より詳細な仕様を知りたい方はご参照ください。











